アンドロイド:ネットランナー- 公式フォーマット「Cache Refresh」について
「ネットランナーをしたいけど、あいにく40分しか時間がないのでコーポかランナーのどっちか1回しかできないぞ。困ったなあ、自分はコーポをやりたいのだが、相手もコーポをやりたいと言って譲らない」というような時、このルールを応用できるようなできないような…。
Cache Refreshフォーマットとは
カードプールが狭いことと、時間がかからないことが特徴です。これを用いた大会も行われており、NetrunnerDBにはこのフォーマットに基づいたデッキも投稿されています。
1.1.1.1(ワンジーズと読むらしい)というユーザー発の、やはりカードプールが狭い非公式フォーマットが浸透していますが、1.1.1.1もCache Refreshも基本セットや大拡張はそれぞれ1つずつしか使わないので、似ているといえば似ているかも。
特筆すべきは、両プレイヤーはコーポかランナーのどちらかを1回しかプレイしないこと、そして彼らがそのどちらでプレイするかを決める方法です。
使用可能なカード
NAPD Most Wanted List(制限カードと禁止カードにまつわるルール)は通常どおり適用されます。
- アンドロイド:ネットランナー第2版が1つ(計132種)
- 大拡張が1つ(コーポのデッキとランナーのデッキでそれぞれ異なる拡張を使用可)
- 「創造と支配/Creation and Control」「名誉と利潤/Honor and Profit」「Order and Chaos」「Data and Destiny」が該当(すべては55種入り)
- Terminal Directiveが1つ(計57種)
- 1番目に新しいサイクルの拡張すべて
- 2018年2月現在、「統治者の景色/Sovereign Sight」と「白ナイルを下って/Down the White Nile」が該当(計40種)
- 2番目に新しいサイクルの拡張すべて
- 2018年2月現在、「ダイダロス複合施設/Daedalus Complex」「ステーション・ワン/Station One」「地球の末裔/Earth's Scion」「血と水/Blood and Water」「フリー・マーズ/Free Mars」「クリムゾン・ダスト/Crimson Dust」が該当(計120種)
1つと書いてあるので、基本セットに例えば1枚しか入っていないカードを2枚以上デッキに組み込むことはできないと思われます。
このエントリの執筆時、現在のネットランナーでは911種からなるカードプール*1からデッキを構築し対戦を行いますが、Cache Refreshで使用するカードプールは404種から459種で構成されます*2。半分くらいなので、比較的参入しやすいと言えるでしょう。
カードの種類を数え間違えてたらすみません…。
制限時間
40分1ラウンド、1ゲーム。各プレイヤーは1ラウンド中、コーポかランナーのどちらかしかプレイしません。どちらのプレイヤーがどちらでプレイするかを決めるために、次項で説明するCache Refresh独特のルールを用います。
コーポでやるか、ランナーでやるかは競りで決める
まず、両プレイヤーはそれぞれ自分のコーポとランナーのIDカードを公開します。
そうしたのち、最初に入札するプレイヤーをコイントスなどで無作為に決めます。
最初に入札するプレイヤーが決まったら、そのプレイヤーは「コーポでプレイする権利」か「ランナーでプレイする権利」のどちらかを選びます(選ばれなかったほうの権利は、以降は勘案されません)。さらに、そのプレイヤーは選択した権利に対し、次に説明するナンバーで入札を行います。入札が行われたら、今度はそのプレイヤーの対戦相手が入札を行う手番を得ます。
各プレイヤーは交互に、0から10までのナンバーを自由に選んで競り上げていきます。入札するナンバーは、すでに入札されているナンバーより大きくなければいけません。どちらかのプレイヤーが入札せずにパスした場合、もう片方のプレイヤーは入札に勝利し、最初に決定されていた、コーポもしくはランナーでプレイする権利を得ます。
ただし、入札に勝利したプレイヤーは、最後に自分が入札したナンバーに応じて、ゲーム開始時の手札とクレジットが少なくなった状態でプレイを開始します。
- ナンバーが偶数であるなら、
- そのナンバーを2で割った数だけゲーム開始時の手札とクレジットが少なくなります。
- ナンバーが奇数であるなら、
- そのナンバーを2で割り、
- コンマ以下を切り下げた数だけゲーム開始時の手札が少なくなります。
- コンマ以下を切り上げた数だけゲーム開始時のクレジットが少なくなります。
- そのナンバーを2で割り、
信じられないほどややこしいので表
最後に入札したナンバー | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ゲーム開始時の手札枚数 | 5 | 5 | 4 | 4 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 |
ゲーム開始時の所持クレ | 5 | 4 | 4 | 3 | 3 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 |
ゲームが引き分けに終わった場合
開始時の手札とクレジットが少なくなっていること以外はすべて通常どおりのプレイを行いますが、そのゲームが引き分けに終わった場合は、入札に勝ったプレイヤーの敗北となります。
まとめ
カードプールが狭いので参入しやすいのかと思いきや、入札のかけひきが微妙にややこしいし、変則的なスタートになるので上級者向けっぽく見えますね。カードプールの狭い日本語環境でも採用できる可能性のあるルールに見えて、Terminal Directiveが和訳されない(おそらく将来的にも)ということで、やっぱりできません。
ただ、この競りや、初期資源が少ない状態からのゲームは1回はやってみたいですね。1回やったらもういいやってなりそうですけど…。
参考文献
以下、拙訳
Cache Refreshフォーマット
Cache Refreshフォーマットは、アンドロイド:ネットランナーへのもうひとつのランの手段です。このフォーマットでは従来のデッキ構築ルールとNAPD Most Wanted Listを用いますが、カードプールはより限定されます。以下の製品のカードのみ使用可能です。
- 1つの大拡張(各プレイヤーは望むものを1つ選択します。コーポとランナーのデッキそれぞれに異なる拡張を選択できます。)
- 1つのTerminal Directiveキャンペーン拡張*4
- 1番新しいデータ・サイクル*5
- 2番目に新しいデータ・サイクル*6
Cache Refreshイベントの各ラウンドは40分1ゲーム制です。各ラウンド開始時、プレイヤーたちはそのラウンドに誰がランナーやコーポをプレイするかを決定するために、初期クレジットと初期カード数(手札の)を入札に使用します。まず、最初に入札するプレイヤーを無作為に決定します(例えば、コイントスや、サイコロを振るなど)。そのプレイヤーはどちらの側(コーポかランナー)に入札を行うか決定し、最初の入札を行います。各プレイヤーは交互に、ゲーム開始時の資産(初期クレジットとカード)を、1人のプレイヤーが入札を行わずパスするまで徐々に増やしていきます*7。入札時は以下のルールを使用します。
- プレイヤーは0から10までの数字で入札できますが、直前の入札より大きな数字でなければいけません。この数字は、入札したプレイヤーが選択した側でプレイするために犠牲にするゲーム開始時のカード枚数とクレジット額を表します。
- 入札を開始するプレイヤーは0で入札できます。これは通常どおりの初期手札とクレジット額です(いずれも5) 。
- 偶数の数字で入札に勝利した場合、勝利したプレイヤーは入札した数字の半分に等しい数だけ、カードとクレジットを減らしてゲームを開始しなければいけません。奇数の入札が勝利した場合、勝利したプレイヤーはその数字の半分の小数点以下を切り下げただけ初期手札が減り、さらにその数字の半分の小数点以下を切り上げただけ初期クレジットが減ります。例えば、3で入札に勝利したら、ゲーム開始時に2クレジットと1枚のカードがそれぞれ減ります。
ゲームが引き分けに終わった場合、ラウンド開始時に入札に勝利したプレイヤーはゲームに敗北し、そのプレイヤーの対戦相手がゲームに勝利します。
こちらはChache Refreshについてのユーザー発サイト。第2版を使用することや、IDを最初にすべて公開することなどはこっちにしか書かかれていない。
http://www.cache-refresh.info/www.cache-refresh.info