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アンドロイド:ネットランナー:NAPD MWL(禁止と制限のリスト)更新-2017年2月26日から有効-についてのボッグズ声明

注意:この記事の禁止制限ルール MWL は最新のものではありません。上記タグ「禁止制限改定」をクリックし、最新のものを参照してください。

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MWL2.1の登場

多くのカードゲーム同様に、アンドロイド:ネットランナーも「禁止カード」*1と「制限カード」が存在し、それらの措置を取られたカードの一覧をNAPD Most Wanted List(ニューアンゼルス警察の最重要指名手配リスト)と呼びます。

禁止カードはデッキに入れることが一切不可能となります。制限カードは、そのうちから1種類だけを選び、そのカードごとの上限枚数*2まで望む枚数をデッキに入れることができますが、そのデッキに他の制限カードはそれ以上入れることができなくなります。

MWL、制限の仕組みはこれまでさまざまな形をとってきました。以前は、「制限されているカードを1枚デッキに加えるたび、そのデッキのIDは、影響値上限を-1する」というものでしたが、時が経ち「より強力なカードはIDの影響上限を-3する」というルールを追加されます。これらのルールは環境のバランスをとるために必要だったとはいえ、正直、デッキを組む際の影響値の計算に混乱を生じることにもつながっていた面もありました。

現在のリードデザイナーが禁止カードの導入を決断し、さらに制限のルールを改定したことで、だいぶわかりやすくなり、また、どの制限カードを入れるか悩むという楽しさを生んだと思います。ただ、「何をもってその制限や禁止を決定したのか」ということについて公式サイトで全く説明がないのが個人的に少々不満でした。まあ、なぜなのかはわかるっちゃわかるし、制限や禁止そのものに不満はなかったのですが。

ところが、今回のMWL更新に際しては、リードデザイナーが各カードの制限や禁止に至るまでの理由を声明として発表してくれました。これが嬉しく、また、デザイナーと彼の開発チームがどこに主眼を置いてデザインを行っているかが示唆されるものであるため、ひとつ自分で訳してみようと思うに至りました。めっちゃ意訳してますが。あと、声明しか訳していないので、具体的な禁止と制限については、公式サイトをごらんください。

原文(MWL、具体的な制限リストについてもこちらから)
www.fantasyflightgames.com

犯罪は不滅

アンドロイド:ネットランナー開発責任者、マイケル・ボッグズ

私たちは、Most Wanted List 2.0とローテーションによる新たなるメタに大きな手応えを感じています!数々の斬新なデッキが、これまでになかった展開を見せているのです。ですが、さま変わりした環境にさらなる戦略が登場したことで、ニューアンゼルス警察は次なるターゲットを定めました。Most Wanted List 2.1の時間です。

個々のカードに触れるより先に、まず《Cerebral Imaging》の脅威と流行について述べさせていただきます。さまざまな試行錯誤を重ね、最終決定にこそ至らなかったものの、《Cerebral Imaging》はMost Wanted Listの制限と除外、両方の候補でした。

しかし私たちは、IDそのものを禁止するより、《Cerebral Imaging》を強化したいくつかのカードから、具体的には《Violet Level Clearance》を使用不可とすべきとの結論に達しました。こういったカードが、マイナーなIDに過ぎなかった《Cerebral Imaging》を最強クラスの地位へと飛躍的に押し上げたのです。

《Cerebral Imaging》を除外することが最もすっきりした解決策なのかもしれませんが、多くの人々が楽しんでいるIDを奪うことにもなるのです。

こう申し上げたものの、私たちは今後、数ヶ月にわたり《Cerebral Imaging》の動向に監視の目を光らせます。事態が好転しないようであれば、私たちはあらゆる手段を講じ、ゲームの楽しさとデッキの多様性を確保します。

では、個々のカードへ話を移しましょう!

《Rumor Mill》:

Most Wanted List 2.0の時点で、私たちはプール内のカードが持ちえた価値をきちんと発揮できるよう、《Rumor Mill》は除外リストへ加えなければならないと決めていました。ですがその後、《Rumor Mill》を除外から制限に移動させたほうが、ゲーム全体にとってはより良いのだと気づいたのです。

このカードによって対抗できるカードといえば、まず《MCA緊縮政策/MCA Austerity Policy》、《Marcus Batty》、《Estelle Moon》、《Bryan Stinson》、そして《アッシュ2X3ZB9CY/Ash 2X3ZB9CY》…いずれも単体で強力な効果を発揮するものばかりです。

また、《Rumor Mill》を制限することで、デッキ構築の際にメタに応じて《従業員のストライキ/Employee Strike》と《Film Critic》、そしてこのカードのどれを選ぶかという、実に面白い決断を迫られることになります。

《テープワーム/Tapwrm》:

《犠牲用装置/Sacrificial Construct》との組み合わせは、設置が容易でありながら、除去が困難なエンジンとなります。選択肢としては残りますが、このエンジンを稼働させるためには他の強力なカードを諦めなければいけません。

《Brain Rewiring》:

変態的なことに使われるか、あるいは全く使われない、極端なカードです。この種のカードが楽しいものでありうると、それを助長するプレイスタイルがいつか普及して不健全なことになります。《Brain Rewiring》を制限リストに置くことで、デッキから《Estell Moon》を奪って速度を落とすか、あるいは《Fairchild 3.0》や《世界食料構想/Global Food Initiative》のない、より相手のランに影響されやすいデッキとなります。

《Mother Goddess》:

《Brain Rewiring》同様に、《Mother Goddess》が入っていて相手につまらないことをしないデッキを見かけることは稀です。特に《ロキ/Loki》との連携は、AIのないランナーを複数のサーバーから一発で永久に締め出します。これもまた、コンボは依然として可能ではあるものの、《Mother Goddess》の入っているデッキは他のパワーカードの使用を控えなければいけなくなります。

《Mumbad City Hall》:

《Rumor Mill》同様、《Mumbad City Hall》も初期の時点で、健全なメタを保つために除外リストに加えられていました。しかしながら、このカードが最も効果を発揮するために必要な《Mumba Temple》と《Museum of History》もまた制限されている事実に目を向け、《Mumbad City Hall》も除外から制限に移動させることとなりました。

良い例として《Mumbad City Hall》は《Consulting Visit》をサーチできますが、それは3コストと3クリック、2枚のカードを用いてのコンボです。さらにはランナーが《Mumbad City Hall》をトラッシュすると成立しなくなります。

《黄埔開拓/Whampoa Reclamation》:

「計画書隠し」というこのゲームの側面をあまりにも簡単にしすぎ、ランナーの苛立ちを募らせるものとなりえるカードです。ただしコーポが《黄埔開拓/Whampoa Reclamation》でカードを循環させることで手札は悪化するという点は無視できず、デッキ構築の選択肢としては残りました。

除外

《Violet Level Clearance》:

1ターン目にプレイでき、1クリックで7クリック分の価値を持つというこのカードの効率も、理想としてはバランスのとれているものでした。最終/Terminalであり、安価なトラッシュコストを持ち、そして不用意にプレイするとHQが溢れるというほとんどのコーポにとってのリスクもあるためです。

ですがそれらは、《Cerebral Imaging》にとってほとんど関係ありません。HQが溢れるリスクもなく1ターン目から撃つことができ、その後も《Cerebral Imaging》の経済の柱となります。

《Violet Level Clearance》を《Cerebral Imaging》の武器庫から除外することでデッキは遅くなりますが、これにより、コーポはプレイしていての楽しさを保ったまま、ランナーもまた楽しくプレイできるようになることでしょう。

*1:正確にはbanではなくremoveされたカードなので、「除外カード」とでもいうべきであり、後半ではそう呼んでいます

*2:IDを除き通常は3枚だが、特殊なカードはテキストに「1枚制限」や「6枚制限」などと書かれている