米テレビドラマ『ビリオンズ』S03E05にて『アンドロイド:ネットランナー』のプレイ場面が描写される
ウィキペディアより
ビリオンズ(原題:Billions)はアメリカのテレビドラマシリーズ。第1シーズンは2016年1月17日から、第2シーズンは2017年2月19日からショウタイムで放送。日本ではネットフリックスで配信される。
ストーリーはニューヨークのヘッジファンドに対する司法捜査と訴訟合戦であり、検察官プリート・バラーラとファンド代表者スティーブ・コーヘンの合戦を大まかに基にしている。
動画(Vimeo)
セリフ拙訳
ネットランナーの大会はここ?
はい。
テイラー・メイソンの名前で予約済み。
確認します。入れます。
4クレジットを支払って《アドニスキャンペーン》をレゾして、12クレジットを置き、3金を受け取る。
なるほど。
僕がモデルなんだ。このアドニスは。
ネットランナーのジェリー・ウェストね。
強制ドロー。インストール。アドバンス2回。
強気ね。1クリック目、ドロー。2クリック目、《造物主の眼》。
おや。
ごめんなさい。
なぜ?
運。
運には限りがあると思うが。
結構。ではR&Dにラン。2クレジットを支払って、《ウォール・オブ・スタティック》を《ペーパークリップ》でブレイク。3+3+1クレジットを支払って、《ゴルディアン・ブレード》で《トールブース》をブレイク。
アクセスするか?
手の内を明かす?ええ、もちろん。
動画内容の解説
両プレイヤーの宣言が非常に丁寧
まずこれ。カード名の宣言、クレジットの支払い先の宣言、クレジット受け取り理由の宣言、強制ドローの宣言、クリックを何に対し消費するかの宣言、ラン中にどのアイスにどのアイスブレイカーを使用したかの宣言など…。
きちんと発声していて、感銘すら受けました。こういう風にプレイするべきゲームだったんだなと感心して、個人的にも参考にしています。
IAAやアクセス直前という、盛り上がる場面を描いている
コーポの攻勢を意に介さないランナーに対し、コーポのプレイヤーが不満げです。これは当然です。
《アドニスキャンペーン/Adonis Campaign》は放置しておくとコーポにクレジットを供給するため、早いうちにトラッシュしたいカードです。さらにこのターン、コーポはIAAを行っています。IAA、すなわち同一ターン内にカードをインストールしてそれを2回アドバンスする行為は、コーポからの挑戦です。
このシーンでランナーがやるべきことは、どちらかの遠隔サーバーにランをすることです。アドバンスされたカードにアクセスするか、もしくはレゾされた《アドニスキャンペーン/Adonis Campaign》にランをしてトラッシュするか。
ですがランナーはここで《造物主の眼/The Maker's Eye》を使いR&Dへのランを試みます。コーポにしてみれば、なぜここでR&Dなのかと口頭で問いたくもなるでしょう。両者の思惑のすれ違いが描かれています。
ランの成功直前、コーポは意味ありげに、ジャックアウトしてもいいんだぜという調子でアクセスを行うかどうか確認します。コーポのIDは《Custom Biotics》なのでデッキにジンテキのカードは入っておらず、となればR&D内のアンインストール状態でアドバンスもされていないカードにそこまで警戒する必要はないように思えるが…というところで終わり。続きが気になります。
Call Kotaku
ネットランナーをほんの数分の小道具として用いたにしてはあまりにもよくできているのでびっくりしたのですが、Kotakuの記事によるとドラマの制作陣はちゃんとトッププレイヤーを呼んで監修してもらったとのことです。だからコーポのドローフェイズのことを「強制ドロー/mandatory draw」と呼ぶような、プレイヤー間から生まれた用語も使用されたんですね*1
www.kotaku.com.au
細部にこだわるのはすごいと思いますが、ネットランナーを知っている人ならすごく面白いかわりに、そうじゃない人には凝りすぎてて何がなんだかよくわからないシーンになったような…
*1:いちおう、強制ドロー/mandatory drawは日本語化されているカードテキストにも正式に採用された用語ではありますが