翻訳記事:「悪いな、このネットランナー2人用なんだ」「4人でも遊べるぞ」
マルチプレイヤーフォーマット
『アンドロイド:ネットランナー』最後の世界大会となる「Magnum Opus」のサイドイベントにて行われた、公式ヴァリアントのルールが公開されています。コーポ1人を相手に複数のランナーが挑みます(推奨されているランナーの数は3人)。
新たに必要となる専用のコーポのIDや、アクティブランナーを示すトークンなどは後日FFGのサイトから印刷用のデータが公開されるかもしれませんが、IDやトークンは適当なもので代用できるので、人数さえ揃えばすぐにでも遊べます。
以下にルールとコーポの両面IDを紹介します。
翻訳元
翻訳:アンドロイド:ネットランナー - NAPDマルチプレイヤーフォーマット
コーポの両面ID
Cyber Bureau: Keeping the Peace(サイバー部:平和維持)
ID: Police Department(警察署)
君は初期手札のカードを10枚引く。
君の最初のターンの前に、すべてのインストールコストを無視してカードを5枚までインストールする。そのうちの任意の枚数のすべてのカードを、合計レゾコストを20下げてレゾする。このIDを裏返す。
最小デッキ枚数: 40 / 影響値上限: ∞
中立
Detective's Bureau: Upholding the Law(刑事部:遵法)
ID: Police Department(警察署)
各ターン、最初にランナーがランを開始した時、そのランナーの得点エリア内の計画ポイント1点につき1をランナーに失わせ、これにより失われた1クレジットにつき1を得る。
: 3得るかカードを3枚引く。
最小デッキ枚数: 40 / 影響値上限: ∞
中立
概要
NAPDマルチプレイヤーフォーマットは、1人のコーポが2人以上のランナーのチーム(3人を推奨します)と対決する『アンドロイド:ネットランナー』の新たなフォーマットです。
NAPDマルチプレイヤーフォーマットをプレイするさいは、このテキストに従って基本ルールに変更を加えます。『アンドロイド:ネットランナー』のビギナーズガイド(Learn to Play)とリファレンスガイド(Rules Reference)もあわせて参照してください。
https://www.fantasyflightgames.com/en/products/android-netrunner-thecard-game/
注意:このテキストによって明確な修正、置き換え、訂正がなされないかぎりは、通常どおりの基本ルールが適用されます。
コーポのデッキ構築
NAPDマルチプレイヤーフォーマットでのコーポのデッキ構築のため、リファレンスガイドの「デッキ構築」のセクション(15ページ)に以下の変更を加えます。
- コーポのデッキにはニューアンゼルス警察の両面IDを使用する義務があります。その表はCyber Bureau: Keeping the Peace、裏はDetective's Bureau: Upholding the Lawです。
- コーポのデッキには任意の派閥の計画書を入れることができます。
- コーポのデッキには影響値の上限がありません。
ゲーム開始
『アンドロイド:ネットランナー』のNAPDマルチプレイヤーフォーマットの準備のため、リファレンスガイドの「ゲームの準備(完全版)」(2ページ)に以下の変更を加えます。
- 「ゲームの準備(完全版)」の「サイドの選択」ステップ中、コーポは表向きのCyber Bureau: Keeping the PeaceのIDで開始する義務があります。ランナーの各プレイヤーは任意の派閥やIDを選べますが、ランナーチームはゲーム中に同名のIDを1つしか使用できません。
- 「ゲームの準備(完全版)」の「開始時の手札を引く」ステップのあとに、すべてのプレイヤーは「infamy token(重罪トークン)」と呼ばれるオブジェクトの使用を確認してください。このオブジェクトの所有者が明示されることや、各プレイヤー間をこのオブジェクトが移動することに留意してください。コーポがinfamy tokenを受け取ります。
ターン進行
NAPDマルチプレイヤーフォーマットでのターン進行について、リファレンスガイドの「ターンのタイミング構成」のセクション(25ページ)に以下の変更を加えます。
- ターン進行順は時計回りです。コーポがターンを終えたあと、そのコーポに最も近い左側のランナーが直後のターンを開始します。その後、時計回りに他の各ランナーがターンを完了します。一連の流れの最後のランナーがターンを終えると、再びコーポのターンが始まります。
- ステップ[1.1]のコーポのドローフェーズが始まる前ごとに、infamy tokenは時計回りに次のランナーに移動します。
アクティブなランナー
ゲーム中ある時点において、ただ1人だけがアクティブであるランナーになりえます。誰がアクティブなランナーであるかは以下の2つにしたがって決定されます。
- ランナーは、自分のターン中にアクティブです。
- ランナーは、コーポのターン中にinfamy tokenを持っているならアクティブです。
アクティブなランナーだけがゲームに唯一関与できるランナーであり、また、コーポが作用できるランナーです。例としては、アクションの実行、能力の発動、常時能力の適用、能力の効果を受ける、など。
非アクティブなランナー(アクティブでないすべてのランナー)は、いかなる手段によってもゲームに関与できません。さらには、コーポとアクティブなランナーは、次のものに作用できません。非アクティブなランナー、非アクティブなランナーのカード、非アクティブなランナーのプレイエリア、非アクティブなランナーの得点エリア。
ゲームでの勝利
コーポは、自分の得点エリアに7以上の計画ポイントがある場合、もしくは全ランナーがフラットラインした場合、ただちに勝利します。
ランナーチームは、自分たちの得点エリアにある計画ポイントが合計して7以上である場合、あるいはコーポが空のR&Dを引かなければならない場合、ただちに勝利します。
よくある質問
コーポがマリガンを行った場合に引き直すカードの枚数は?
コーポはHQが10枚になるまでカードを引きます。
別々のランナーが同一のユニークカードをインストールできますか?
はい。アクティブなランナーは同時に1人しか存在しないので、同名のユニークカードが同時にアクティブになることはありません。
《Rebirth》や《DJ Fenris》はすでにゲーム中にあるIDを新たに持ち込めますか?
いいえ。ランナーのIDはゲーム中に複数存在できません。
ランナーの得点エリアに対して能力はどう作用しますか?
ランナーの得点エリアを参照するランナーの能力は、そのランナー個人の得点エリアだけを参照します。コーポの能力がランナーの得点エリアを参照するなら、現在infamy tokenを持つランナーの得点エリアだけが参照されます。
ランナーがフラットラインした場合はどうなりますか?
そのランナーはゲームから取り除かれます。そのランナーに関するカードはすべてそのランナーのデッキに戻り、そのランナーに関するプレイエリア、および得点エリアは消滅します(その得点エリアにあった計画書はアーカイブへトラッシュされます)。
ランナー間で情報を共有できますか?
ランナーはすでに得ているあらゆる情報を他のランナーたちに共有できます。自分の手札、裏向きのカード、アクセスしたコーポのカードも同様です。
余談と補足
余談
裏向きのカードの情報共有ができるというのは、スタックとかアーカイブの裏向きのカードのことじゃなくて、公開や開示したカード、裏向きにインストールしたランナーのカード、《Bookmark》などに搭載中のカードといった、表を知ることのできる/できたカードのことですね。
アクティブランナーのルールだけ覚えればよさそうです。たとえばコーポ、ランナーA、ランナーBでプレイしているとします。コーポがアクティブなランナーAに《強烈なニュース/Hard-hitting News》で4タグを与えたあと、次のコーポのターンでアクティブになっているランナーはBなので、Aが直後のターンにタグを取り除ききることができなくとも、次のターンが回ってきたコーポはAに向けタグを利用した攻撃ができない、ということになります。
通常、《データ・レイヴン/Data Raven》のあるサーバーへは4クリック目にランしたくないものですが、このルールの場合、次のコーポのターンにタグを受けたままでも非アクティブなランナーであるなら追撃を受けません。
や《サイバーデックス・ウィルス・スイート/Cyberdex Virus Suite 》でウィルスカウンターを全て破棄しても、パージされるのはアクティブなランナーのウィルスカウンターだけです。ただ、《Clot》に意味があるのもランナーがアクティブな時だけなので、《Clot》は全員で仕掛けないと効果が薄いかもしれません。
現状/currentの処理について
ランナーAのカレントがプレイエリアにあるさなか、ランナーBもカレントをプレイした場合、ランナーAのカレントはトラッシュされない。
こうしてランナーA、Bともにカレントを出しているさなか、Aがアクティブなランナーであるときにコーポがカレントをプレイした場合、Aのカレントはトラッシュされるが、Bのカレントはトラッシュされない。
その後Bがアクティブなランナーになると、コーポのカレントとランナーのカレントが同時にプレイエリアに存在し、いずれもが効果を発揮する。カレントがトラッシュされるのは「他のカレントがプレイされた時」であり、コーポとランナー双方のカレントが同時に存在することをルールは禁じてはいない。
カレントのルールがよくわからないなと思っていたんですが、FFGのスタッフを交えてプレイした方はこういう説明を受けたとのことです。