Remove and Discard

Android: Netrunner fan site

次回の、アンドロイド:ネットランナー MWL (禁止改定)を勝手に予想する

 今月30日に、非公式にアンドロイド:ネットランナーを運営するNISEIが MWL (禁止改定)を更新します。これを完全に主観から予測することが、現在の環境を記録することにつながると思い、エントリーとしてしたためました。

 注意:これは MWL 3.2 の予測です。実際の MWL はこのブログで紹介する予定なので、それをお待ち下さい。

 ただし、NISEIは一貫した思想を何も持たず、場当たり的に制限を行っているフシがあります。「次の拡張で悪さするから」という理由で《Dorm Conputer》は制限されましたが、何が悪かったのかさっぱりわかりません。

 ですから、予測するだけ無駄、という部分はあります。繰り返しますが現在の環境の、私による概観をごらんになりたい方向けの記事です。

《Border Control》

 アイスに「f:id:fobby:20180504113636p:plain:ランの終了。」と書かれている。《Bryan Stinson》に勝るとも劣らない、カードタイプの役割分担の間違いを感じます。ですが現在の競技環境で、これが2枚以上入っていないコーポのデッキはほとんどありません。NISEIは「これがないとコーポは戦えない。これの対策カードを刷るので、制限はしない」と声明を出しました。

 これが、コーポとランナーそれぞれに分かれて対戦を行う非対称ゲームの悲しい現実です。「コーポとランナーの勝率を五分五分に近づけているものは、たとえそれがいかに不健全なカード、不健全な環境であっても介入できない」というわけです。
 
 NISEIの声明にもかかわらず、現在のところ、これへの対策になりうるカードは刷られていません。私にそう見えていないだけでNISEIは刷ったつもりだったのかもしれませんが、《Border Control》が蔓延するばかりである以上は「刷られていない」のです。それどころか、《Khusyuk》が刷られたことによって、R&Dを防衛することのできる《Border Control》はより重要になったとすら言えるでしょう。

 NISEIがどうするつもりなのか、まったく読めません。
 

《Crowdfunding》

 制限カードとなってもなお環境を支配し、《従業員のストライキ/Employee Strike》や《Film Critic》の使用率を下げています。

 メタの中心にあったアセット・スパム戦法、すなわち資財、強化、計画書をそれぞれアイスで守ることなくバラまくようにインストールしてレゾする作戦は、このカードによってだいぶその地位を落としました。アイスがなければランの成功を防げず、このカードのリアニメイトを許してしまうためでしょう。

 実際、このカードの派手な効果は使っていてかなり気持ちよく、さらに「ランを励起する」という、コーポに対してもジレンマを与えゲームを面白くする側面を持ちます。このゲームでコーポとランナーのあいだにやりとりが発生するのはランのときだけであり、ランが発生しないネットランナーは楽しくありません。

 ですが、少しやりすぎているのも確か。禁止されてしまうのでしょうか。そうなると個人的にはかなりつまらないのですが……。

《Film Critic》

 《Whistleblower》が登場したさい、プレイテスターのレビューとしてNISEI公式サイトに「私は《Film Critic》が嫌いです。しかし、これならフェアです」「《Film Critic》が禁止されたあとの世界を観てみたい」といった、およそ公式サイトとは思えないカードdisコメントが掲載されました。こんなものを公開したということは、NISEIとしても《Film Critic》を禁止にする予定なのかもしれません。

 個人的には《Film Critic》の禁止を想像したくはありません。これはたしかに制限されるにふさわしい強力さを持つと言えるでしょう。しかし別の面に目を向ければ、これは対策カードに過ぎません。相手によってはまるで機能しないという構築リスクを伴っている以上、現在のパワーレベルは適正であると考えます。

 《オボカタ・プロトコル/Obokata Protocol》をインストールしたコーポは何の工夫もしていないのに、なぜランナーは《Whistleblower》に影響値を1点使ってまで、1回外したら終わりの運任せををしなければいけないのかという心理的な抵抗が強くあります。

《従業員のストライキ/Employee Strike》

 NISEIは《Crowdfunding》の蔓延を予想できていませんでした。その直前までランナーの制限カードとして《Film Critic》と双璧をなしていた《従業員のストライキ》をいまだ問題視している節があります。実際には《Film Critic》も《従業員のストライキ》も現在ほとんど使われていないので、「使われてもいないのに禁止するのか?」などと意地悪く考えてしまいます。

 とはいえ、プレイヤーが新しいコーポIDを試すたびに空白化されつまらない思いをする。馬鹿馬鹿しいとしか言いようのない慣習がこのゲームに定着してしまったのはたいへんな不幸です。《従業員のストライキ》を禁止にするのは妥当に思えます。

《Scarcity of Resources》

 NISEIはこのカードを問題視していることを以前から公言していました。もし《従業員のストライキ》が禁止になると仮定するなら、ランナーはコストが軽くて強くて汎用性がある現状/currentを失ってしまうため、ランナーに強烈な圧力をかける現状である《Scarcity of Resources》をただちに禁止にしなければならないでしょう。

 少々無責任ですが、現状のサブタイプがつくカードをすべて禁止にして欲しいという願いが私にはあります。現状の任務やイベントがこのゲームを面白くしたと思った経験がほとんどないからです。「資財やリソースなどと違い、アド損なしで簡単にトラッシュされうるのだから」という理由で、「簡単にトラッシュされなかった場合」のことを考えていないパワーレベルの狂ったカードが印刷されすぎました。セントリーである《News Hound》がレゾコスト2でありながら強度4、しかも現状がアクティブなら「ランの終了」を持つという、極めて不健全なコスト:パワーのレシオを備えているのも、ひとえに現状が持つポテンシャルを開発チームが正しく認識していなかった証拠だと私は考えています。

《商業銀行家グループ/Commercial Bankers Group》

 《NBN:メッセージの支配/NBN: Controlling the Message》を環境から消すことなく、ただ弱体化するためとの名目で制限されました。しかし現在《NBN:メッセージの支配》は競技環境から姿を消しています。NISEIの調整能力のなさを物語っています。いつでも制限を解除される可能性があります。

 ただ、現在のところ「《商業銀行家グループ》を環境に戻せ」という意見をredditなどで見かけることがほとんどありません。乱暴に言えば、世界大会を2度も、いずれもやることのまるで変わらないデッキで優勝した《NBN:メッセージの支配》は禁止してしまってまるで問題ないと私は思っていますし、そう思っているのは他のプレイヤーも同様なのかもしれません。

 話は逸れますが、このカードのように「コーポのターンの開始時、この資財がアイスに守られていない場合…」で発動する「政治/political」の能力とサブタイプを持つ資財は、《Clone Suffrage Movement》《Bio-Ethics Association》《感応放画俳優協会/Sensie Actors Union》そして《商業銀行家グループ》と各派閥に1枚ずつ、合計4枚存在します。FFG時代は「政治4枚のうち、2枚禁止で1枚制限」という状態で終わり、NISEI体制になってからは「政治4枚のうち、2枚禁止で2枚制限」つまりはすべてMWL入りという偉業を達成しました。アセット・スパム戦法がどれだけ強力か、開発チームは全く予見できていなかったことが窺えます。

《ラーンブ/Laamb》と《エンゴロ/Engolo》

 いずれも強力すぎるアイスブレイカー。《サーベイヤー/Surveyor》と《ムティ・ムウェクンドゥ/Mti Mwekundu》と戦うためにランナーに与えられたツールでしたが、両者とも MWL 入りした現在、サーバーを守っているアイスのサブタイプを1回は無視できる《ラーンブ》《エンゴロ》のパワーはやや過剰であるように見えます。この2つを制限するのであれば、《Border Control》を制限しても問題ないという気も。


 また、ダウンフォールで刷られた、アイスブレイカーに任意のサブタイプを付与できるプログラム《Pelangi》は、この2つのアイスブレイカーに何らかの制約を課す前触れだったのではとも思えます。

《Rebirth》

 NISEIが「動向を見守る」と公言したカード。ゲーム外から後出しでカードを持ち込んでしまうのは確かにアンフェアです。ですが、「動向を見守る」と言ってから何も動きがないので、どうなっているのかは不明。

《DJ Fenris》

 競技環境で使用率を増しています。再録された《Hostage》でサーチできてしまう点や、IDを入れ替えるのでなく追加するという点で《Rebirth》より駄目なのではないかと思うことがあり、なんらかの制約が課される可能性を感じています。