Remove and Discard

Android: Netrunner fan site

NISEI初の拡張、「ダウンフォール/Downfall」日本語版非公式リリースノート:ランナー編

『アンドロイド:ネットランナー』ファン拡張、日本語版も公開

FFG社は『アンドロイド:ネットランナー/Android: Netrunner』の展開を公式に終了させましたが、私も協力している非営利団体「NISEI」が非公式にカードを製作しています。今回、NISEIの初の拡張となる「ダウンフォール」の日本語版を公開することができました。無料で遊べます。

NISEI - ダウンフォール (Downfall) - 日本語

上記リンクから飛んで、「プリント&プレイPDF…」のところにある「A4 paper size, 3x copy」もしくは「A4 paper size, 1x copy」のハイパーリンクからPDFファイルをダウンロードしてください。この拡張は、全部で65種類のカードから成ります(ちなみに『創造と支配』は全55種類)。

プリント&プレイでカードゲームを遊ぶ場合、別途、不要なトレーディングカードなどの裏紙と不透明スリーブが必要となります。この記事も参照してみてください。
removeanddiscard.hatenablog.com


翻訳を担当した人間のけじめとして、非公式エラッタと新テンプレートの解説をさせていただきます。

アンドロイド:ネットランナーのサポートを継続する非営利団体、NISEIの初の拡張がダウンフォール/Downfallです。翻訳を担当した人間のけじめとして、特にややこしいと感じたカードを挙動や裁定を説明します。まずランナーのカードから。

質問がございましたらTwitter@RemovenDiscardか、マシュマロへお願いします。
marshmallow-qa.com

コーポのカードについてはこちら。
removeanddiscard.hatenablog.com


エラッタとテンプレート解説はこちら。
removeanddiscard.hatenablog.com

ダウンフォール:ランナーのカード

《チゼル/Chisel》

f:id:fobby:20190529201916p:plain

プログラム:ウィルス



アイス1つの上にのみインストールする。
搭載されているウィルスカウンター1つにつき、ホストのアイスは強度-1を持つ。
ホストのアイスにエンカウントした時、それの強度が0以下である場合、それをトラッシュする。そうでなければ、このプログラムにウィルスカウンターを1つ置く。

(ザクッ)(ザクッ)(ザクッ)

Program: Virus



Install only on a piece of ice.

Host ice has -1 strength for each hosted virus counter.

When you encounter host ice, if its strength is 0 or less, trash it. Otherwise, place 1 virus counter on this program.



_*tap* *tap* *tap*

もう少し詳しく

これは通常のプログラムと違い、いずれかのアイスをランナーが選びその上に搭載するかたちでのみインストールできる。何らかの効果がそれ以外の場所にこのプログラムを移し替えたら、これはトラッシュされる(妨害できない)。
この《チゼル》というプログラムに搭載されているウィルスカウンター1つにつき、ホストであるアイスの強度は-1される。
ランナーがホストのアイスにエンカウントした時に、そのアイスの強度が0以下であったなら、そのアイスはトラッシュされる。そうでなくてアイスの強度が1以上であったなら、このプログラムの上に、トークンバンクから取り出したトークンを1つ置く。以降そのトークンのことを「ウィルスカウンター」と呼ぶ。これによりホストのアイスが強度0以下になったとしても、現時点でそのアイスはトラッシュされない。

解説
  • 旧基本セットの《パラサイト/Parasite》やキタラ・サイクルの《トリパノ/Trypano》のリメイク。
  • 「0以下」なので、0を含みます。アイスの強度が0ならトラッシュです。
裁定
  • 《チゼル》を自身の上にインストールされたアイスは「《チゼル》のホスト/host」となり、《チゼル》は「ホストのアイスに搭載されている状態/hosted」になります。
    • 一見《チゼル》はランナーのリグにインストールされていませんが、メモリーユニット1をしっかり消費します。
  • その後、《チゼル》のホストのアイスにランナーがエンカウントするたび、《チゼル》にウィルスカウンターが1つ乗るか、アイスをトラッシュするかの判定が行われます。
  • 「搭載されているウィルスカウンター1つにつき、ホストのアイスは強度-1を持つ」という記述は、「チゼルに搭載されているウィルスカウンター1つにつき、チゼルのホストのアイスは強度-1を持つ」と読みかえが可能です。
  • 《チゼル》のウィルスカウンター1つにつきホストのアイスの強度が-1されることを利用し、ホストのアイスの強度を0以下にできている状態でエンカウントすることで、そのアイスはトラッシュされます。
  • ホストのアイスの強度がまだ0以下でないなら、《チゼル》にウィルスカウンターが1つ乗ります。
  • 《チゼル》によるアイスのトラッシュ効果は「エンカウントした時」のみに判定されることに気をつけてください。「エンカウントした時」に載ったウィルスカウンターによってホストのアイスの強度が0以下になっても、そのエンカウントではまだアイスをトラッシュできません。
    • また、「エンカウントした時」が終わってからのみ使用できる《データサッカー/Datasucker》で強度を下げても、ホストのアイスのトラッシュに寄与できません。
      • なお、《アイス彫刻家/Ice Carver》は常時能力です。アイスにエンカウントしたら、《アイス彫刻家/Ice Carver》が先にアイスの強度を-1してから《チゼル》を解決するので、コンボが成立します。
    • アイスの強度が最初から0であるなら、《パラサイト》ならインストールした途端にトラッシュできましたが、《チゼル》は一度目のエンカウントでようやくトラッシュされます。
  • ホストのアイスがトラッシュされたなら、《チゼル》もトラッシュされます(妨害できません)。
    • そうしたなら、ホストのアイスはアーカイブへ、《チゼル》はヒープに、それぞれ移動します。
  • 1つのアイスに搭載できる《チゼル》の数に制限はありません。
    • 仮に2枚の《チゼル》を基本強度3のアイスにまとめて搭載したとします。そのアイスに一度エンカウントしたら、それぞれの《チゼル》にウィルスカウンターが1つ乗るので、ホストのアイスの強度は1になります。
      • もう一度そのアイスにエンカウントしたら、1つめの《チゼル》に、2つめのウィルスカウンターが乗ります。これによりホストの強度は0になります。そのエンカウントで2つめの《チゼル》も解決されるため、このエンカウントでホストのアイスはトラッシュされます。

《クライマックスの決戦/Climactic Showdown》

f:id:fobby:20190529203200p:plain

リソース



君のターンの開始時、このリソースをゲームから取り除く。アイスに守られているサーバーを1つ選ぶ。コーポはそのサーバーを守っているアイスを1つトラッシュしてよい。そのコーポがそうしなかった場合、このターン、R&DかHQのカードに最初にアクセスした時、そのサーバーのカードに追加で2枚アクセスする。

Resource



When your turn begins, remove this resource from the game. Choose a server protected by ice. The Corp may trash a piece of ice protecting that server. If they do not, the first time this turn you access cards from either R&D or HQ, access 2 additional cards from that server.

もう少し詳しく

ランナーのターンの開始時、このリソースをゲームから取り除く。これは強制である。その後、ランナーは「1つ以上のアイスに守られているサーバー」をいずれか1つ選ぶ。そうしたら、コーポはそのサーバーのアイスのいずれか1つを選んでトラッシュしてもよい。コーポが、選ばれたサーバーのいずれのアイスのトラッシュも拒否したなら、このターンにランナーがR&DかもしくはHQかのどちらか1つにアクセスする時、それがそのターン初めてのR&DかもしくはHQかのどちらか1つへのアクセスであるなら、これからアクセスするそのR&DかもしくはそのHQのカードに追加で2枚アクセスする(つまり、他に能力が絡まないなら合計3枚アクセスする)

解説
  • リソースですが、1ターンまたいでから発動するイベントのようなイメージで使います。
  • ランナーのターン開始時に必ずゲームから取り除かれます。なんらかの効果を用いないと止められません。
裁定
  • コーポがアイスのトラッシュを拒否したのなら、ランナーがそのターンにR&DかHQのどちらかに初めてアクセスした時、追加でそのサーバー(R&DのカードにアクセスしているならR&D、HQならHQ)のカードに2枚アクセスします。
    • つまり、他に効果がないなら合計3枚アクセスです。
    • R&DかHQ、どちらかのサーバーにアクセスしたら、効果は終わります。
      • つまり、このカードの効果が作用しているターンに、仮にR&Dにアクセスしたあとは、もうそのターンにHQにアクセスしても《クライマックスの決戦》は影響しません。
  • ランナーのターン開始時に、場にアイスに守られているサーバーが1つもなく、そのランナーが「アイスに守られているサーバーを1つ選ぶ」を解決できないなら、この能力はそこで終了し、残りの効果を解決しません。

《フェンサー・フエノ/Fencer Fueno》

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リソース:仲間-仮想



君のターンの開始時か計画書を盗んだ時、このリソースに1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
ランを成功させるたび、そのランの残りの間、君は搭載されているクレジットを消費してよい。
君のターンの終了時、搭載されているクレジットが3以上である場合、「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを支払う」か「このリソースのトラッシュ」をしなければならない。

友達はあなたの壁を破る。

Resource: Companion - Virtual



When your turn begins or you steal an agenda, place 1f:id:fobby:20180521144018p:plain on this resource.

Whenever you make a successful run, you may spend hosted credits for the remainder of that run.

When your turn ends, if there are 3 or more hosted credits, you must pay 1f:id:fobby:20180521144018p:plain or trash this resource.



Friends break your walls.

もう少し詳しく

ランナーのターンの開始時か、ランナーが計画書を盗んだ時、このリソースの上に1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
ランが成功した時は、そのランが終わるまでのあいだ(つまりカードのアクセスに絡む処理)に、ランナーはこのリソースの上のクレジットを好きなだけ使ってよい。
ランナーのターンの終了時にこのリソースに3f:id:fobby:20180521144018p:plain以上あるなら、「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを支払う(このリソースの上から支払えないことに注意)」か、「このリソースをトラッシュする」かのどちらかをランナーは選ばなければならない。

解説
  • ターン開始時だけでなく計画書にアクセスした時もクレジットが増えるのですが、非常に処理を忘れやすいので気をつけてください。
  • ターン終了時に3クレジット以上ある場合の処理が《トリックスター・タカ/Trickster Taka》と異なることに注意。
  • ランが成功したら、そのランの残りの間に《フェンサー・フエノ》を使えます。
    • 具体的にはカードのトラッシュコスト支払い、《燻製ニシン/Red Herrings》への追加コスト支払い、《未来完了/The Future Perfect》のサイゲームへの支払いなど。

虚無主義者/The Nihilist》

f:id:fobby:20190529200259p:plain

リソース:コネ-裏世界



各ターン、ウィルスのプログラムを最初にインストールした時、このリソースにウィルスカウンターを2つ置く。
君のターンの開始時、君のインストール状態のカードから望むウィルスカウンターを2つ取り除いてよい。そうした場合、コーポがR&Dの一番上のカードをトラッシュしないかぎり、君はカードを2枚引く。

「……ま、俺は笑ってるぜ」

Resource: Connection - Seedy



The first time each turn you install a virus program, place 2 virus counters on this resource.

When your turn begins, you may remove any 2 virus counters from your installed cards. If you do, draw 2 cards unless the Corp trashes the top card of R&D.



"...well, I'm laughing."

もう少し詳しく

ウィルスというサブタイプを持つプログラム(例えば「プログラム:ウィルス」や、「プログラム:アイスブレイカー-AI-ウィルス」のことである)をランナーがインストールした時、それがそのターン(コーポのターンでもランナーのターンでもよい)の一度目となる「ランナーによる、ウィルスというサブタイプを持つプログラムのインストール」であるなら、この《虚無主義者》というリソースの上に、トークンバンクから取り出したトークンを2つ置く。以降、それらのトークンのことを「ウィルスカウンター」と呼称する。

ランナーのターンの開始時、ランナーは、自身のインストールしたカードの上から、任意のウィルスカウンターをちょうど2つ選んで取り除くことを選んでもよい。もしランナーがそうしたなら、コーポは「R&Dの一番上のカードをトラッシュする」ことを解決するかしないか決定する。コーポが解決を拒否したか、あるいは解決できなかった場合、ランナーはスタックのカードを2枚引く。

解説
  • 旧基本セット収録で現在はスタン落ちしている《ノイズ/Noise》と《ワイルドサイド/Wyldside》をあわせたような能力です。
  • 大雑把に言って、「ウィルスのプログラムをインストールすれば2ドロー」というカードとして機能するでしょう。
    • コーポがR&Dのカードのトラッシュを選んで得することがほとんどないためです。
  • 「各ターン、最初に」という言い回しを「ランナーのターンの1クリック目に」という意味であるかのように誤解しないように注意してください。
    • プログラムは《自己変形コード/Self-modifying Code》などを使えば、たとえばランナーのターンの1クリック目の前の消費型能力ウィンドウでインストールでき、それにより《虚無主義者》にウィルスカウンターを2つ載せた状態で「ランナーのターン開始時」を迎えられます。
    • 「各ターン」という語は常にランナーとコーポの両方のターンを含みます。
      • ですから、コーポのターンに《クローン • チップ/Clone Chip》を使ってウィルスのプログラムをインストールしても、これは発動します。
    • そのターンにウィルスのプログラムをインストールする前に、ウィルスでないプログラムをインストールしていたとしても、これは発動します。
  • 「ウィルスカウンター」として用いるトークンは、基本セットに付属の赤青の汎用トークンでもいいし、ダイスでもいいでしょう。
裁定
  • 2つのウィルスカウンターは、同一のカードから取り除く必要はありません。2枚のカードから1つずつ取り除くこともできます。
  • 「君の」つまりランナーのインストール状態のカードのみが対象となるので、《サンドストーン/Sandstone》の上のウィルスカウンターは取り除けません。
  • R&Dが空で「一番上のカードをトラッシュする」の義務をコーポが果たせない場合、ランナーは必ずカードを2枚引きます。

トリックスター・タカ/Trickster Taka》

f:id:fobby:20190530190614p:plain

リソース:ステルス-仲間-仮想



君のターンの開始時か計画書を盗んだ時、このリソースに1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
搭載されているクレジットはプログラムへ消費する。
君のターンの終了時、搭載されているクレジットが3以上である場合、「タグを1つ受ける」か「このリソースのトラッシュ」をしなければならない。

友達があなたの恐れを覆う。

Resource: Stealth - Companion - Virtual



When your turn begins or you steal an agenda, place 1f:id:fobby:20180521144018p:plain on this resource.

Spend hosted credits to use programs during runs.

When your turn ends, if there are 3 or more hosted credits, you must take 1 tag or trash this resource.



Friends hide your fears.

もう少し詳しく

ランナーのターンの開始時か、ランナーが計画書を盗んだ時、このリソースの上に1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
ランをしている間、プログラムの持つ能力を直接使用するためのコスト支払いにこれのクレジットを自由に使ってよい。
ランナーのターンの終了時にこのリソースに3f:id:fobby:20180521144018p:plain以上あるなら、「タグを1つ受ける」か「このリソースをトラッシュする」か、ランナーはどちらかを選ばなければならない。

解説
  • ターン開始時だけでなく計画書にアクセスした時もクレジットが増えるのですが、非常に処理を忘れやすいので気をつけてください。
  • ターン終了時に3クレジット以上ある場合の処理が《フェンサー・フエノ》と異なることに注意。こちらはタグです。
  • ステルスなので、日本語環境であれば《ダガー/Dagger》とシナジーがあります。
    • ステルスデッキユーザーには常識ですが、アイスブレイカーの強度上昇能力は消費型能力ウィンドウが開いていればいつでも使えるので(そうしたら、そのアイスブレイカーは即座に基本強度に戻る)、これの上のクレジットを調節するテクニックとして、無目的にランをして無目的にアイスブレイカーの強度を上げるのもいいでしょう。
裁定
  • このタグを受けることを選んでから、何らかの効果でそのタグを回避することは認められます。そうすれば、トラッシュされることなく次のターンに持ち越すことができます。

《常に二の矢を継げるよう/Always Have a Backup Plan》

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イベント:ラン



望むサーバーにラン。そのランの終了時、それが失敗していた場合、ランのためのあらゆる追加コストを無視してそのサーバーへ再びランしてよい。一度目のランで最後にエンカウントしたアイスに、二度目のラン中にエンカウントした時、それを迂回する。

「ピンチの時ほど彼女は頼れるってみんな言ってた」
──アズ・マキャフリー

Event: Run



Run any server. When that run ends, if it was unsuccessful, you may run that server again, ignoring any additional costs to run. During the second run, when you encounter the last ice you encountered in the first run, bypass it.

"Everyone told me she was reliable in a pinch."
_-Az McCaffrey

もう少し詳しく

ランナーはいずれかのサーバーを選び、そこへランを行う。そのランが失敗して終了した時、そのサーバーにもう一度ランを開始してよい(ランの開始を選択した場合、もし何らかの効果がランに追加コストを要求するならそれは支払わないが、あたかも支払ったかのように扱う。これを「コストを無視する」と呼ぶ)。一度目のランで最後にエンカウントしたアイスに、二度目のランでもう一度エンカウントした時、そのアイスを迂回する。

解説
  • 迂回するアイスをある程度選べる《内部犯行/Inside Job》です。
裁定
  • ランが失敗するとは、成功していないランが、そのサーバーがまだ存在するにもかかわらず終了することです。
    • ジャックアウトする、「ランの終了」の効果を受ける、などはランの失敗です。
    • 《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard》あるいは《NGOの最前線/NGO Front》のようなカードがそれの中に1つあるだけのサーバーへのラン中、そうしたカードがコーポに使用され、サーバーが消滅したことでランが終了した場合、そのランは成功とも失敗とも扱われません。
      • ただし、《フリップ・スイッチ/Flip Switch》のジャックアウト能力をその消費能力型ウィンドウで使うことで、そのランを強引に失敗させることはできます。

《フリップ・スイッチ/Flip Switch》

f:id:fobby:20190530193249p:plain

ハードウェア



君はこのハードウェアをコーポのターン中に使用できない。
f:id:fobby:20180504113636p:plain:ジャックアウトする。
f:id:fobby:20180504113636p:plain:タグを1つ取り除く。
君のターン中にトレースが開始するたび、f:id:fobby:20180504113636p:plainすることで、その基本トレース強度を0に減らしてよい。

BMIスイッチは正規の切断を介さずランナーを浮上させてくれる。休憩(それも今すぐ)が必要なときは、便利だ。

Hardware



You cannot use this hardware during the Corp's turn.

f:id:fobby:20180504113636p:plain: Jack out.

f:id:fobby:20180504113636p:plain: Remove 1 tag.

Whenever a trace initiates during your turn, you may f:id:fobby:20180504113636p:plain to reduce the base trace strength to 0.



BMI switches let runners surface without a true disconnect. Handy for a break... immediately.

解説

  • いずれの能力もコーポのターンに使用できません。
  • いずれの能力も空撃ちできません。《Armand "Geist" Walker》と一緒に使う場合は気をつけてください。

裁定

  • トレース強度を0に減らす能力も「a f:id:fobby:20180504113636p:plain ability」として《Armand "Geist" Walker: Tech Lord》の能力を発動させます。
  • トレース強度を0に減らすとは、正確には「基本トレース強度を-Xする。Xはその基本トレース強度」といった意味です。なので、その後の別の修整により、その基本トレース強度が0でなくなることはありえます。
  • 消費型能力による「ランの終了効果」をランナーが受けた場合、消費型能力ウィンドウはそこで閉じます。そのため、そのランで《フリップ・スイッチ》のジャックアウトはもうできません。

《ラッキーチャーム/Lucky Charm》

f:id:fobby:20190530192036p:plain

ハードウェア



このハードウェアをゲームから取り除く:1つのコーポのカードの能力によってランが終了することを妨害する。この能力の使用は、このターンにHQへのランが成功している場合にのみ。

コイントスに勝ちたい?なら、両表のコインを使え。

Hardware



Remove this hardware from the game: Prevent a Corp card ability from ending the run. Use this ability only if you made a successful run on HQ this turn.

Want to win a coinflip? Use a coin with two heads.

裁定

  • たとえば《ニセイ Mk. II/Nisei MK II》の能力や「f:id:fobby:20180504113638p:plainランの終了」のサブルーチン、《データ・レイヴン/Data Raven》のエンカウント時能力などを妨害します。
    • 妨害したら、その能力は履行されコストは支払われるものの、ランは続行されます。
  • カードの中には、正確に「f:id:fobby:20180504113638p:plainランの終了。」のサブルーチンのみを対象にするものもありますが、《ラッキーチャーム》はランの終了をまねく効果すべてを文言にかかわらず妨害します。

《ブガルター/Bukhgalter》

f:id:fobby:20190530194241p:plain

プログラム:アイスブレイカー-キラー
1f:id:fobby:20180521144018p:plain:セントリーのサブルーチンを1つブレイクする。
1f:id:fobby:20180521144018p:plain:強度+1。
各ターン、君がエンカウントしているアイスのサブルーチンを、このプログラムのみ使用して最初にブレイクした時、2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。



「働け。稼げ。私情は無用だ」
──“バクラン”・ボチキン

Program: Icebreaker - Killer



1f:id:fobby:20180521144018p:plain: Break sentry subroutine.

1f:id:fobby:20180521144018p:plain: +1 strength.

The first time each turn that you break all subroutines on a piece of ice you are encountering using only this program, gain 2f:id:fobby:20180521144018p:plain.



"Do the job. Get paid. Leave feelings at the door." -"Baklan" Bochkin

裁定

  • サブルーチンをブレイクしたかどうかだけをチェックします。例えば、アイスやアイスブレイカーの強度調整に違うカードを用いても(《データサッカー/Datasucker》や《ネット接続眼球/Net-Ready Eyes》などで)、《ブガルター》から2クレジットを得られます。

《一流/The Class Act》

f:id:fobby:20190530194540p:plain

リソース:コネ



そのターン中に君がこのリソースをインストールしたターンの終了時、カードを4枚引く。
各ターン、最初に君が引く直前の時、スタックの一番上からX枚のカードを見る。うち1枚をスタックの一番下に加える。Xはこれから引くカードの数+1に等しい。

「……だけど、何者も私に及ばない」

Resource: Connection
When the turn during which you installed this resource ends, draw 4 cards.

Immediately before you draw for the first time each turn, look at the top X cards of your stack. Add 1 of those cards to the bottom of your stack. X is equal to the number of cards you will draw plus 1.



"...but I am without compare."

もう少し詳しく

このリソースをインストールしたターンの終了時に、このリソースがまだインストールされているなら、ランナーはカードを4枚引く。

各ターン、ランナーがカードのドローを行う直前、それがそのターン最初の「ランナーによるカードのドロー」であったなら、ドローしようとした枚数に1枚を加えた数のカードをスタックの一番上から見る。そのうちの1枚をスタックの一番下に加える。

解説

  • 描かれているのは日本語化されなかったクリミナルのID《Andromeda》で、彼女が持っていた「開始手札を9枚引く(マリガンしても9枚引く)」という能力を再現したもの。
  • 原文を尊重したかったのですがわかりにくくなっただけでした。最初の能力を「このリソースをインストールしたターンの終了時、カードを4枚引く」と読み替えてください。

裁定

  • 「ターン終了時にカードを引く」というのはディスカードフェイズの終了した後のことであるため、ランナーのターンにこれをインストールしたのなら、そのランナーは引いた4枚をそのままコーポのターンに持ち込めます。
  • インストールしたそのターンに《一流》がアンインストールされた(トラッシュされるなどして)なら、4枚引く効果は解決されません。

《ラット:フリーランスの倫理家/Lat: Ethical Freelancer》

f:id:fobby:20190601124319p:plain

ID:ナチュラ



君のターンの終了時、グリップにあるカードの数がHQにあるカードの数と等しい場合、君はカードを1枚引いてよい。

Identity: Natural



When your turn ends, if you have the same number of cards in your grip as the Corp has in HQ, you may draw 1 card.

裁定

  • ターン終了時にカードを引くというのはディスカードフェイズの終了した後であるため、引いたカードをそのままコーポのターンに持ち込めます。
  • これは「~時、~場合」の効果です。そのため、ターン終了時、《一流》でカードを引いたことでコーポのHQのカードとグリップのカードが同数になった場合、《ラット》を発動できます。
    • 言ってみればアンドロイド:ネットランナーの「if節ルール」です。もしこれが「~時、~なら」であれば、扱いが変わります。

《厳粛/Khusyuk》

f:id:fobby:20190601124721p:plain

イベント:ラン



R&Dにラン。成功した場合、カードにアクセスするかわりに、0より大きい数字を1つ選ぶ。その数字と一致している表記インストールコストを持つインストール状態のカード1枚につき、R&Dのカードを一番上から1枚公開する(最大6枚)。公開されたカードのうち1枚にアクセスし、その後にコーポはR&Dをシャッフルする。このランで、君はR&Dの中の他のカードにアクセスできない。

Event: Run



Run R&D. If successful, instead of accessing cards, choose a number greater than 0. For each installed card you have with a printed install cost matching that number, reveal 1 card from the top of R&D (max 6). Access one of the revealed cards, then the Corp shuffles R&D. You cannot access any other cards in R&D this run.

もう少し詳しく

R&Dにランを行う。そのランが成功した場合、カードにアクセスするかわりに次の手続きを行う。「1以上である任意の数字」を1つ選ぶ。その数字と同じインストールコストを持つランナーのインストール状態のカードの数だけ、R&Dのカードを公開する(最大で6枚まで。たとえその数字と同じインストールコストのカードが7枚以上あったとしても、6枚まで)。それら公開されたカードのうち、望む1枚にランナーはアクセスする。アクセスを終えたら、残ったカードをR&Dに戻して、それからコーポはR&Dをシャッフルする。このランでアクセスするR&Dのカードはその1枚だけとなる。

解説

  • 《索引付け/Indexing》や《Deep Data Mining》のリメイク。いずれも前半ほど効果的でしたが、《厳粛》はゲーム後半で効果的。チェックできるカードの枚数が増え、1回のランで済むようになったが、リグにたくさんカードをインストールしなければいけません。
  • 同じ表記インストールコスト(1以上である必要あり)を持つインストール状態のカードの数だけR&Dのカードを公開させ(上限6枚)、そのうちから1枚を選んでアクセスできます。
    • たとえば《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》と《銀行作業/Bank Job》はいずれもインストールコストが1で、合計6枚並べることが可能であるため、そのようなリグを作ってから《厳粛》で「1」を選べば、6枚のカードを公開できます。

裁定

  • メディウム/Medium》などで追加でR&Dの中のカードにアクセスすることはできません。《厳粛》の「アクセスできない」が優先されます。
  • R&Dのルートにインストールしてあるカード(強化)にはすべてアクセスします。
  • 「カードにアクセスするかわりに、カードにアクセスする」の効果です。《Eater》のように「カードにアクセスできない」の効果がかかっている場合は、どちらにせよカードに1枚もアクセスできません。
    • 6枚までのカードを公開することはできます。

《ペランギ/Pelangi》

f:id:fobby:20190601125916p:plain

プログラム:ウィルス



このプログラムをインストールした時、ウィルスカウンターをこれに2つ置く。
搭載されているウィルスカウンター1つ:アイスのサブタイプを1つ選ぶ。このエンカウントの残りの間、君がエンカウントしているアイスはそのサブタイプを得る。この能力の使用はターンごとに一度のみ。

Program: Virus



When you install this program, place 2 virus counters on it.

Hosted virus counter: Choose an ice subtype. The ice you are encountering gains that subtype for the remainder of the encounter. Use this ability only once per turn.



It makes sysops see red. And orange, yellow, green...

裁定

  • 「アイスのサブタイプ」とは通常であれば「バリア」「コードゲート」「セントリー」から選ぶでしょうが、ルール上は、これまで印刷されたアイスに表記されていたサブタイプすべてから1つ選ぶことができます。現在のルールで付与可能なサブタイプは以下となります。
      • 対人/AP、広告/Advertisement、バリア/Barrier、バイオロイド/Bioroid、コードゲート/Code Gate、デフレクター/Deflector、Grail、不正/Illicit、Morph、ミシック/Mythic、ネクスト/NEXT、オブザーバー/Observer、サイ/Psi、セントリー/Sentry、トレーサー/Tracer、トラップ/Trap。
  • 「この能力の使用はアイスとエンカウントしている間のみ」とは書かれていないのは、そう書く必要がないためです。そうでない場合に使用してもアイスにサブタイプを付与できないので、ゲーム状況が変化しないためです。このゲームでは、ゲーム状況が変化しないことをしてはいけないのですから。

《芸術家/The Artist》

f:id:fobby:20190601130529p:plain

リソース:コネ



このリソースの各能力の使用はターンごとにそれぞれ一度のみずつ。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:プログラムかハードウェアを1つ、支払いを1f:id:fobby:20180521144018p:plain減らしてインストールする。

Resource: Connection



Use each ability on this resource only once per turn.

f:id:fobby:20180521144012p:plain: Gain 2credit.

f:id:fobby:20180521144012p:plain: Install a program or piece of hardware, paying 1f:id:fobby:20180521144018p:plain less.



"...then let me paint you a picture."

解説

  • 《ケイト・"マック"・マキャフリー/Kate "Mac" McCaffrey》と《マグヌム・オプス/Magnum Opus》をあわせて、それぞれ劣化させたような能力です。
    • 《マグヌム・オプス》と違い1ターンに1度しか使えません。
    • 《ケイト・"マック"・マキャフリー》と違い、《改良済み/Modded》などの効果でインストールしたカードのコストを修整できません。
  • このリソースのそれぞれの能力を1ターンに1回ずつ使えます。
    • つまり、1ターンに最高で2回までこのリソースを使用できます(2クレジット得て、プログラムかハードウェア1つを支払いを1下げてインストール)。

《ダイレクト・アクセス/Direct Access

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イベント:ラン



君がこのイベントを解決しているかぎり、各プレイヤーのIDはすべての能力を失う。
望むサーバーにラン。そのランの終了時、このイベントをスタックに加えてシャッフルしてよい。

屋根のダクトに入って、旧ネットワークのルートにぶち当たるまで這って進むのさ。そりゃ汚れ仕事ではあるが、ルールに従うよりうまくいくぜ。

Event: Run



While you are resolving this event, each player's identity loses all abilities.

Run any server. When that run ends, you may shuffle this event into your stack.



Get into the ducts on the roof and keep crawling till you hit that old network root. Dirty work, I know, but it beats playing by the rules.

解説

裁定

  • ランのイベントではありますが、《ケン・“エクスプレス”・テンマ/Ken "Express" Tenma》でこれを使うと、処理の順位の関係上、彼のID能力からの1クレジットは得られません。

《♦内部告発者/Whistleblower》

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リソース:コネ



ランが成功するたび、このリソースをトラッシュすることで、計画書の名前を1つ指定してよい。このランで、指定された名前の計画書に次にアクセスした時、すべてのコストを無視してそれを盗む。(君はもうそれにアクセスしていない。)

「企業は人で成り立っている。普通の人たちが一晩中働いている。まっとうな真実にまっとうな批判があれば、償うこともできるんだ」
──ラット

Resource: Connection



Whenever you make a successful run, you may trash this resource to name an agenda. The next time this run you access a copy of the named agenda, steal it, ignoring all costs. (You are no longer accessing it.)

"Corporations are made of people; just normal people doing their 6-to-6. The right truths, the right critique, and they can be redeemed." -Lat

解説

  • 《Film Critic》の下位互換。

裁定

  • 「計画書にアクセスした時」の効果と「計画書を盗むための追加コストとして」の部分を無視できます。
  • 「計画書を盗んだ時」と「計画書が盗まれるたび」と「計画書が得点されたか盗まれた時」の条件は満たされます。
  • 「計画書を盗むことができない」や「計画書が盗まれることを妨害する」の効果は無視できません。
  • 《Film Critic》と違って計画書は盗まれています。

終わりに

コーポのカードのリリースノートは後日…