NISEI第二の拡張(FFGの出した拡張の再リリース)、「マグヌム・オプス/Magnum Opus」日本語版非公式リリースノート
NISEI版マグヌム・オプス発売
NISEIからまた日本語カードが発売されました。プリント&プレイなら無料です。購入もPDFダウンロードもこちらから可能です。
nisei.net
内容:
2018年の終わり頃にリリースされたこの拡張セット。収録されている6枚のカードすべてが、最大級の規模を誇るごく限られた大会を優勝したプレイヤーたちによってデザインされていることが大きな特徴です。
(中略)
私たちNISEIが、新規のアート、文書テンプレートの更新、そしてよりモダンなカード外観と書体による大幅なリニューアルを加えて再リリースを行います。
ゲーム上の機能や裁定に一切変更はないまま、《クラウドファンディング》や《ボーダーコントロール》の日本語版が出ましたよ!著作権的にはグレー(触法)どころかブラック(違法)と思うんですが、ともあれこれにより、プロキシでしか遊ぶことのできなかったマグヌム・オプスのカードを物理的なカードとして所有・使用することもできます。新書式や新アートにもご注目。《スロットマシン》は「3枚一致したら、2枚一致の効果は解決するの?」という疑問を抱かれることがなくなりましたし、《ボーダーコントロール/Border Control》の「アイスなのに現実の光景に寄せてる感じ」がぼくは好きです。
カードの名前の《マグヌム・オプス/Manum Opus》との混同にご注意。ここでいうマグヌム・オプスとはイベントの名前です。
リリースノート/カードレビュー
《労働者の権利/Labor Rights》
イベント
スタックの一番上から3枚のカードをトラッシュする。ヒープのカード3枚をスタックに加えシャッフルする。カードを1枚引く。このイベントをトラッシュするかわりにゲームから取り除く。
デザイン:Mike Sheehan (2017年欧州チャンピオン)
ルール
- スタックのカードをトラッシュするのはコストではありません。よって、スタックにカードが2枚以下しかない状況でもプレイできます。
- ヒープにカードが3枚以上あるなら、必ず3枚選んでスタックに加えなければいけません。そうでないとき、例えばヒープがちょうど2枚ならその2枚を、ヒープがちょうど1枚ならその1枚を、それぞれ選んでスタックに加えてください。
- 「スタックのカードを3枚トラッシュする」の解決後にヒープにカードが3枚ないのはレアケースですが、ランナーのカードが過剰なまでにゲームから取り除かれた場合に起こりえます。
- 「このイベントをトラッシュするかわりにゲームから取り除く」ことをお忘れなく。
- それに至るまでの処理が多いのでうっかりしがちです。実際のゲームでは最初から除外ゾーン(ゲームから取り除かれたカードを置く場所)にこのカードを置いてしまいましょう。
《クラウドファンディング/Crowdfunding》
リソース: 裏世界-仮想
君がこのリソースをインストールした時、3をこれの上に積む。これが空である時、これをトラッシュし、そしてカードを1枚引く。
君のターンの開始時、このリソースから1を受け取る。
君のターンの終了時、このターンに最低でも3回ランを成功させていて、かつこのカードがヒープにある場合、すべてのコストを無視してこれをインストールしてよい。
デザイン:Sam Suied (2017年ジェンコン・チャンピオン)
ルール
- 新テンプレートが目を引きますが、機能的には以下と何ら変わりません。
- クラウドファンディングがインストールされた時、バンクから3をこれの上に置く。クラウドファンディングの上にクレジットが残っていない時、これをトラッシュし、そしてカードを1枚引く。
レビュー
《確実なギャンブル/Sure Gamble》は1回のプレイで4クリック分の得をすることができますが、《クラウドファンディング》はインストールコストが0であるにもかかわらず、そのインストールで《確実なギャンブル》と同じだけのクリックを得します。さらに、一般的にはクレジットよりドローのほうが価値が高いため、《確実なギャンブル》を上回っていると言えるかもしれません。
もっとすごいのはリアニメイト。これが3枚ともヒープにあったりすると、裸の遠隔サーバーやアーカイブへの成功したラン1回の価値が「3クレジット+1ドロー」になってしまいます。ランしてるだけでクレジットもドローもじゃんじゃん得られる。これのせいで、遠隔サーバーをアイスで守ることのないアセットスパムは大打撃を受けました。
一時期はどんなデッキにも3枚入っているカードとなったため、現在のニセイMWLでは禁止カード扱い。ですが楽しいカードなので、いつか禁止を解除したいとのこと。
《スロットマシン/Slot Machine》
アイス: コードゲート
ランナーがこのアイスにエンカウントした時、そのランナーはスタックの一番上のカードを一番下に置き、その後に君はスタックの一番上から3枚のカードを公開する。
ランナーは3を失う。
このエンカウントの開始時において、1つのカードタイプを共有する2枚以上のカードを公開していたなら、3を得る。
このエンカウントの開始時において、1つのカードタイプを共有する3枚以上のカードを公開していたなら、インストール状態のカード1枚の上にアドバンストークンを3つ置く。
デザイン:Wilfy Horig (2017年世界チャンピオン)
ルール
- ここで公開されうるカードタイプとは、イベント、ハードウェア、プログラム、リソースのいずれかです。
- アイスブレイカーやコンソール、コネのように、カードタイプの次、コロンのあとに来るものは、サブタイプとして扱われます。よってここでは関係ありません。
- 例えば、公開されたカードが「イベント、ハードウェア、イベント」や「プログラム、プログラム、リソース」であれば「1つのカードタイプを共有する2枚以上のカードを公開していた」ことになります。
- 公開されたカードの順番を元通りにしてスタックに戻すことをお忘れなく。
- カードタイプが3枚とも共通していた時は、2番目と3番目のサブルーチンの両方を解決します。
- エンカウント時効果が何らかの効果で完全に妨害されたり、公開されたカードが1枚であった場合には、サブルーチンを解決しても何も起こりません。
- 「このエンカウントの開始時において」とは、「エンカウントの開始時」に発動する能力ではありません。このサブルーチンは過去の事象を参照しており、その事象が発生した時点を、日本語版では「時において」という言葉で指定します。「時において」はこのゲームでは過去の事象を指すのです。
- 実際の日本語では、「時において」は未来(仮定)にも使えることばなので、これは完全にネットランナー語です。
- この翻訳はかなり悩みました。他に、「先ほどこのエンカウントが開始した時」という案もありました。日本語としてはより正確ですから、「先ほど」がつく「時」は、条件節能力の「時」とは意味が違うということにしようかとも思ったのですが……例えばこの先、「この能力の使用はこのターンに、先ほどレゾ状態の資財にアクセスした時、それをトラッシュしなかった場合にのみ」みたいなカードが出てきたとき、不自然な日本語になってしまうなと思ったのでボツにしました。
レビュー
内輪での通称は「大きな《ポップアップ・ウィンドウ/Pop-up Window》」。確定するのは3クレジット失うだけという軽微な効果であるためか強度が高く設定されており、ブレイクしたほうがお金がかかるという場合が多いでしょう。しかし、2番目のサブルーチンがうまく解決されるとランナーはコーポに6クレジットも差をつけられてしまうので、かなりやっかいです。3番目のサブルーチンはまあ、おまけみたいなものでしょうが、しかし、嫌がらせ効果の極めて高いアイスです。
《ボーダーコントロール/Border Control》
アイス: バリア
:ランの終了。この能力の使用はこのサーバーへのラン中にのみ。
このサーバーを守っているアイス1つにつき、1を得る。
ランの終了。
デザイン:Chris Dyer (2016年世界チャンピオン)
レビュー
消費型能力でこれを「生け贄に捧げる」ことで、ランが終了するという恐るべきバリア。コスト4なので1ターン目からレゾして中央サーバーを守る役割も果たせ、最外殻においても一番目のサブルーチンの嫌がらせ効果が高いので《The Turning Wheel》にちょっかいをかけられません。
コーポのどんなデッキにも3枚入りうるアイスですが、こちらはニセイMWLの対象外です。
《適時の一般公開/Timely Public Release》
計画書: 構想
この計画書を得点した時、これの上に計画カウンターを1つ置く。
搭載されている計画カウンター1つ:HQかアーカイブのアイスを1つ、サーバー1つを守る任意の位置に、すべてのコストを無視してインストールする。
デザイン:Dan D’argenio (2015年世界チャンピオン)
ルール
《ムティ・ムウェクンドゥ:生命の改良/Mti Mwekundu: Life Improved》の計画書版。ただし、ムティにはできた「アイスのないサーバーにランしたランナーにアイスをぶつける」という使い方はルール上できません。ムティのようにラン中に最内殻にアイスを差し込んで奇襲を仕掛けるなら、最低でも1枚のアイスが必要です。いまあるアイスのサブルーチンをブレイクされる消費型能力ウィンドウが、《適時の一般公開》で新たにアイスを追加する最後のチャンスとなります。
《♦塞栓/Embolus》
強化
君のターンの開始時、1[c]を支払うことで、この強化にパワーカウンターを1つ置いてよい。
ランナーがランに成功するたび、この強化からパワーカウンターを1つ取り除く。
搭載されているパワーカウンター1つ:ランの終了。この能力の使用はこのサーバーへのラン中にのみ。
デザイン:Dan D’argenio (2016年ジェンコン・チャンピオン)
ルール
ターン開始時に2以上を支払ってこの強化に望むだけパワーカウンターを置く、という使い方はできません。1ターンにこれに置けるパワーカウンターは1つまでです。