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翻訳記事:「悪いな、このネットランナー2人用なんだ」「4人でも遊べるぞ」

マルチプレイヤーフォーマット

『アンドロイド:ネットランナー』最後の世界大会となる「Magnum Opus」のサイドイベントにて行われた、公式ヴァリアントのルールが公開されています。コーポ1人を相手に複数のランナーが挑みます(推奨されているランナーの数は3人)。

新たに必要となる専用のコーポのIDや、アクティブランナーを示すトークンなどは後日FFGのサイトから印刷用のデータが公開されるかもしれませんが、IDやトークンは適当なもので代用できるので、人数さえ揃えばすぐにでも遊べます。

以下にルールとコーポの両面IDを紹介します。

翻訳:アンドロイド:ネットランナー - NAPDマルチプレイヤーフォーマット

コーポの両面ID

Cyber Bureau: Keeping the Peace(サイバー部:平和維持)

ID: Police Department(警察署)

君は初期手札のカードを10枚引く。


君の最初のターンの前に、すべてのインストールコストを無視してカードを5枚までインストールする。そのうちの任意の枚数のすべてのカードを、合計レゾコストを20下げてレゾする。このIDを裏返す。

最小デッキ枚数: 40 / 影響値上限: ∞
中立

Detective's Bureau: Upholding the Law(刑事部:遵法)

ID: Police Department(警察署)

各ターン、最初にランナーがランを開始した時、そのランナーの得点エリア内の計画ポイント1点につき1f:id:fobby:20180521144018p:plainをランナーに失わせ、これにより失われた1クレジットにつき1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。


f:id:fobby:20180521144012p:plain: 3f:id:fobby:20180521144018p:plain得るかカードを3枚引く。

最小デッキ枚数: 40 / 影響値上限: ∞
中立

概要

NAPDマルチプレイヤーフォーマットは、1人のコーポが2人以上のランナーのチーム(3人を推奨します)と対決する『アンドロイド:ネットランナー』の新たなフォーマットです。

NAPDマルチプレイヤーフォーマットをプレイするさいは、このテキストに従って基本ルールに変更を加えます。『アンドロイド:ネットランナー』のビギナーズガイド(Learn to Play)とリファレンスガイド(Rules Reference)もあわせて参照してください。

https://www.fantasyflightgames.com/en/products/android-netrunner-thecard-game/

ArclightGames

注意:このテキストによって明確な修正、置き換え、訂正がなされないかぎりは、通常どおりの基本ルールが適用されます。

コーポのデッキ構築

NAPDマルチプレイヤーフォーマットでのコーポのデッキ構築のため、リファレンスガイドの「デッキ構築」のセクション(15ページ)に以下の変更を加えます。

  1. コーポのデッキにはニューアンゼルス警察の両面IDを使用する義務があります。その表はCyber Bureau: Keeping the Peace、裏はDetective's Bureau: Upholding the Lawです。
  2. コーポのデッキには任意の派閥の計画書を入れることができます。
  3. コーポのデッキには影響値の上限がありません。

ゲーム開始

『アンドロイド:ネットランナー』のNAPDマルチプレイヤーフォーマットの準備のため、リファレンスガイドの「ゲームの準備(完全版)」(2ページ)に以下の変更を加えます。

  • 「ゲームの準備(完全版)」の「サイドの選択」ステップ中、コーポは表向きのCyber Bureau: Keeping the PeaceのIDで開始する義務があります。ランナーの各プレイヤーは任意の派閥やIDを選べますが、ランナーチームはゲーム中に同名のIDを1つしか使用できません。
  • 「ゲームの準備(完全版)」の「開始時の手札を引く」ステップのあとに、すべてのプレイヤーは「infamy token(重罪トークン)」と呼ばれるオブジェクトの使用を確認してください。このオブジェクトの所有者が明示されることや、各プレイヤー間をこのオブジェクトが移動することに留意してください。コーポがinfamy tokenを受け取ります。

ターン進行

NAPDマルチプレイヤーフォーマットでのターン進行について、リファレンスガイドの「ターンのタイミング構成」のセクション(25ページ)に以下の変更を加えます。

  • ターン進行順は時計回りです。コーポがターンを終えたあと、そのコーポに最も近い左側のランナーが直後のターンを開始します。その後、時計回りに他の各ランナーがターンを完了します。一連の流れの最後のランナーがターンを終えると、再びコーポのターンが始まります。
  • ステップ[1.1]のコーポのドローフェーズが始まる前ごとに、infamy tokenは時計回りに次のランナーに移動します。

アクティブなランナー

ゲーム中ある時点において、ただ1人だけがアクティブであるランナーになりえます。誰がアクティブなランナーであるかは以下の2つにしたがって決定されます。

  • ランナーは、自分のターン中にアクティブです。
  • ランナーは、コーポのターン中にinfamy tokenを持っているならアクティブです。

アクティブなランナーだけがゲームに唯一関与できるランナーであり、また、コーポが作用できるランナーです。例としては、アクションの実行、能力の発動、常時能力の適用、能力の効果を受ける、など。

非アクティブなランナー(アクティブでないすべてのランナー)は、いかなる手段によってもゲームに関与できません。さらには、コーポとアクティブなランナーは、次のものに作用できません。非アクティブなランナー、非アクティブなランナーのカード、非アクティブなランナーのプレイエリア、非アクティブなランナーの得点エリア。

ゲームでの勝利

コーポは、自分の得点エリアに7以上の計画ポイントがある場合、もしくは全ランナーがフラットラインした場合、ただちに勝利します。

ランナーチームは、自分たちの得点エリアにある計画ポイントが合計して7以上である場合、あるいはコーポが空のR&Dを引かなければならない場合、ただちに勝利します。

よくある質問

コーポがマリガンを行った場合に引き直すカードの枚数は?
コーポはHQが10枚になるまでカードを引きます。

別々のランナーが同一のユニークカードをインストールできますか?
はい。アクティブなランナーは同時に1人しか存在しないので、同名のユニークカードが同時にアクティブになることはありません。

《Rebirth》や《DJ Fenris》はすでにゲーム中にあるIDを新たに持ち込めますか?
いいえ。ランナーのIDはゲーム中に複数存在できません。

ランナーの得点エリアに対して能力はどう作用しますか?
ランナーの得点エリアを参照するランナーの能力は、そのランナー個人の得点エリアだけを参照します。コーポの能力がランナーの得点エリアを参照するなら、現在infamy tokenを持つランナーの得点エリアだけが参照されます。

ランナーがフラットラインした場合はどうなりますか?
そのランナーはゲームから取り除かれます。そのランナーに関するカードはすべてそのランナーのデッキに戻り、そのランナーに関するプレイエリア、および得点エリアは消滅します(その得点エリアにあった計画書はアーカイブへトラッシュされます)。

ランナー間で情報を共有できますか?
ランナーはすでに得ているあらゆる情報を他のランナーたちに共有できます。自分の手札、裏向きのカード、アクセスしたコーポのカードも同様です。


余談と補足

余談

裏向きのカードの情報共有ができるというのは、スタックとかアーカイブの裏向きのカードのことじゃなくて、公開や開示したカード、裏向きにインストールしたランナーのカード、《Bookmark》などに搭載中のカードといった、表を知ることのできる/できたカードのことですね。

アクティブランナーのルールだけ覚えればよさそうです。たとえばコーポ、ランナーA、ランナーBでプレイしているとします。コーポがアクティブなランナーAに《強烈なニュース/Hard-hitting News》で4タグを与えたあと、次のコーポのターンでアクティブになっているランナーはBなので、Aが直後のターンにタグを取り除ききることができなくとも、次のターンが回ってきたコーポはAに向けタグを利用した攻撃ができない、ということになります。

通常、《データ・レイヴン/Data Raven》のあるサーバーへは4クリック目にランしたくないものですが、このルールの場合、次のコーポのターンにタグを受けたままでも非アクティブなランナーであるなら追撃を受けません。

f:id:fobby:20180521144012p:plainf:id:fobby:20180521144012p:plainf:id:fobby:20180521144012p:plainや《サイバーデックス・ウィルス・スイート/Cyberdex Virus Suite 》でウィルスカウンターを全て破棄しても、パージされるのはアクティブなランナーのウィルスカウンターだけです。ただ、《Clot》に意味があるのもランナーがアクティブな時だけなので、《Clot》は全員で仕掛けないと効果が薄いかもしれません。

現状/currentの処理について

ランナーAのカレントがプレイエリアにあるさなか、ランナーBもカレントをプレイした場合、ランナーAのカレントはトラッシュされない。

こうしてランナーA、Bともにカレントを出しているさなか、Aがアクティブなランナーであるときにコーポがカレントをプレイした場合、Aのカレントはトラッシュされるが、Bのカレントはトラッシュされない。

その後Bがアクティブなランナーになると、コーポのカレントとランナーのカレントが同時にプレイエリアに存在し、いずれもが効果を発揮する。カレントがトラッシュされるのは「他のカレントがプレイされた時」であり、コーポとランナー双方のカレントが同時に存在することをルールは禁じてはいない。

www.reddit.com

カレントのルールがよくわからないなと思っていたんですが、FFGのスタッフを交えてプレイした方はこういう説明を受けたとのことです。

『アンドロイド:ネットランナー』最後のチャンピオンカード6枚が公開される

これは?

歴代チャンプがデザインした6枚のカードが公開されました。オフィシャルなカードではありますが、入手手段はイベントでの配布のみとなり一般販売はおこなわれません。このカードは特定の大会において使用を許可されていますが、そうでない大会ではその限りではないようです。使用を許可されている大会においても、供給量を確保できないためか、これらのカードについてはプロキシでの使用が推奨されているようです。

ので、そういったカードを紹介するこのエントリは、日本に住んでいてFFGの組織化プレイと一切無縁のわれわれには現時点で何の意味もありません。

スポイラーは扱わないようにしてきましたが、これに関しては配慮する意義が見当たりません。日本でのオフィシャルな入手機会も使用機会も設けられていないカードについての日本語での情報に、いったい誰に対するどのような配慮が必要なのでしょう?Redditのコメントも引用します。


具体的には?

最後の世界大会でおこなわれるチーム戦部門、King of Servers 2018で使用できるカードの情報です。これらのカードは、RPGイベントMagnum Opusで配布されます。

例によって引用タグでカードを勝手に訳します。箇条書きタグでルールについて勝手に付け足します。

情報源

www.facebook.com
いまみたらI’m sure FFG will release high res versions at some point. と追記されているので、どっかで公式に高解像度版がプリント&プレイ的に配布されるかもしれません。されないかもしれません。されたとして、それを通常の大会やプレイで使っていいのかどうか。仮にいいとして、あなたはこれを印刷して友達との対戦に使ってやろうって気になりますか?

Labor Rights(労働者の権利)

コスト: 0
イベント

スタックの一番上から3枚のカードをトラッシュし、ヒープのカード3枚をスタックに加えシャッフルする。カードを1枚引く。Labor Rightsをトラッシュする代わりにゲームから取り除く。


2017欧州チャンプ、Mike Sheehanデザイン

アナーク: 2

  • スタックが空でもプレイできるはず(1行目の2つの指示はthenで挟まれているので、前後どちらか解決できれば問題ないと思われる)。
  • ヒープのカードは「3枚まで」でなく、「3枚」をスタックに戻せと書かれています。ですが、仮にスタックが空でヒープに1枚しかカードがないのであれば、その1枚をスタックに戻せば部分的解決と認められるはず。

Crowdfunding(クラウドファンディング

コスト: 0
リソース:仮想 - 裏世界

Crowdfundingをインストールした時、その上にバンクから3f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。Crowdfundingの上にクレジットが残っていない時、これをトラッシュしてカードを1枚引く。


君のターン開始時、Crowdfundingの上から1f:id:fobby:20180521144018p:plainを受けとる。


君のターン終了時、そのターンにランを少なくとも3回成功させている場合、全てのコストを無視してヒープのCrowdfundingをインストールしてよい。


2017GenConチャンプ、Sam Suiedデザイン

クリミナル: 3

  • ターン開始時にクレジットを受けとるのは強制です。
  • コスト無視といってもコストは0ですが、まあ《Scarcity of Resources》が効かないと。
  • 《Crowdfunding》の上にクレジットが残ってない時、そのトラッシュを《身代わり/Fall Guy》などで妨害したところで、ドローできるカードは増えず、しかも、その後に《Crowdfunding》をトラッシュすることもできなくなるものと思われます(《ダディアナ・チャコン/Dadiana Chacon》の裁定より)

◆Embolus (塞栓、血流遮断)

コスト: 2
強化

君のターン開始時、1f:id:fobby:20180521144018p:plainを払うことでEmbolusにパワーカウンターを1つ置いてよい。


ランナーがランを成功させるたび、Embolusからパワーカウンターを1つ取り除く。


搭載されているパワーカウンター1つ:ランの終了。この能力はこのサーバーへのラン中にのみ使える。


2016 GenConチャンプ、Dan D'Argenioデザイン

f:id:fobby:20180504113636p:plain: 2
ジンテキ: 1

  • 《バイオドーム/Bio Vault》や《Daruma》と違い中央サーバーにも使えます。

Slot Machine(スロットマシン)

コスト: 3
アイス:コードゲート

ランナーがSlot Machineにエンカウントした時、スタックの一番上のカードを一番下に置き、スタックの一番上のカード3枚を公開する。


f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーは3f:id:fobby:20180521144018p:plainを失う。
f:id:fobby:20180504113638p:plain公開されたカードのうち2枚のタイプが等しい場合、コーポは3f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
f:id:fobby:20180504113638p:plain公開されたカードのうち3枚のタイプが等しい場合、インストール状態のカード1枚の上にアドバンストークンを3つ置く。


2017世界チャンプ、Wilfy Horigデザイン

強度: 5
NBN: 1

  • 3枚のタイプが一致したら、2番目と3番目の両方のサブルーチンから効果を得られるそうです。
  • 《Hunting Grounds》を使うと、すべて解決しても最初のサブルーチンしか機能しないとのこと。
  • カードをスタックに置く(put)と表現されている珍しいケース。

Border Control(ボーダーコントロール

コスト: 4
アイス:バリア

f:id:fobby:20180504113636p:plain:ランの終了。この能力はこのサーバーへのラン中にのみ使える。


f:id:fobby:20180504113638p:plainこのサーバーを守っているアイス1つにつき、コーポは1f:id:fobby:20180521144018p:plain を得る。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランの終了。


2016世界チャンプ、Chris Dyerデザイン

強度: 1
ウェイランド: 3

  • ルールと関係ないんですけど、ウェイランドに「そのサーバーを守っているアイスの数が多いほど強くなるアイスが多い」という個性が生まれかけたところで終了というのが悲しいですね。

Timely Public Release(適時の一般公開)

計画書:構想

Timely Public Releaseを得点した時、その上に計画カウンターを1つ置く。


搭載されている計画カウンター1つ:HQかアーカイブのアイスを1つ、いずれかのサーバーを守る任意の位置に、全てのコストを無視してインストールする。


2015世界チャンプ、Dan D'Argenioデザイン

アドバンス要求: 4 / 計画ポイント: 2
中立: 0

  • 任意の位置(in any position protecting a server)というのがどこまでを指しているのか謎。アプローチ中の消費型能力ウィンドウで「そのアイスと同じ位置」に別のアイスをインストールし、そのアイスにアプローチさせることはできるのかどうか。まあできなさそうですね。
  • サーバーにアプローチ中、[5.1]で最内殻にアイスをインストールしたとしても、《ムティ・ムウェクンドゥ / Mti Mwekundu》みたいにそれにエンカウントさせることはできなさそうですね。アイスのないサーバーへのランをこれで牽制するのは無理だと思います。
    • 最後のアイスを通過したかどうかの判定が行われるのはアイスの通過である[4]なので、[5.1]に何をしても「ランナーが最後のアイスを通過した」という事実を上書きできなさそうです。
  • 《Chief Slee》のために、エンカウントが開始しているアイスを無理やり《Timely Public Release》でアンインストールさせるのも無理ですね。コーポが消費型能力を使えるのは、ランナーがアイスブレイカーを望むだけ使ってからです。

『アンドロイド:ネットランナー』翻訳記事:MWL 2.2発表 - 最後の禁止/制限リスト - Michel Boggs声明

はじめに

最後の公式MWLが発表されました。これにあわせて(元)リードデザイナーのMichael Boggsから声明が出たため、これを訳しておきたいと思います。

個人で訳したもので、いかなる団体や組織とも関係はありません。

MWLとは

正式にはNAPD Most Wanted List、ニューアンゼルス警察の最重要指名手配リストという意味ですが、要するに『アンドロイド:ネットランナー』の禁止カードと制限カードの一覧です。

禁止のカードは、そのうちのどれも、1枚もデッキに入れることができません。

制限のカードは、1つのデッキにつき、制限されているカードのうち1種類だけ、そのカードの通常のデッキごとの上限枚数(現在はすべて3枚)までデッキに入れることができます。

日本語版MWL

一時期は「日本はカードプールが狭いので、MWLに従う必要はないかもしれない」と考えられていましたが、状況が変わっています。サイクル2つ、大拡張2つが使用できる環境は、Terminal Directiveが使えないことを除けばCache RefreshというFFG公式フォーマットに近いためです。Cache Refreshフォーマットでは、MWLがそのまま適用されます。

そのため、日本語環境でも禁止や制限を有効とすべきと考えます。MWL 2.2入りしたカードのうち日本語化されているものだけをここに記します。

  • コーポ
    • 制限
    • 禁止
      • 《セレブラル・イメージング》
      • 《感応放画俳優協会》
  • ランナー
    • 制限
      • 《イソップ質店》
      • 《従業員のストライキ
      • 《インバーシフィケイター》
      • 《レヴィAR研究所へのアクセス》
      • 《猛突進》
      • 《マグヌム・オプス》
    • 禁止
      • 《ブルー・ムース》
      • ファウスト
      • 《火星は火星人の手に》
      • 《テムジンとの契約》
      • 《ゼロ》

原文

www.fantasyflightgames.com
原文環境も含めたすべての禁止制限はここから飛べるpdfから。

翻訳:ニューアンゼルス警察の最重要指名手配

「わたしたちはニューアンゼルス警察のバッジをつけた全ての人間の背に立っている」
―Chen-Mai Dawn本部長

Android: Magnum Opus*1と、最後のアンドロイド:ネットランナー世界選手権が数週間後に迫っています!

最後のイベントに向けゲームがより組織化プレイへと近づくことをねらい、また、コーポとランナーのさらなる多様性の促進と、そして組織化プレイの完了後であってもプレイ継続に値する健全な環境でゲームを終了させるため、開発者たちは新たなMWLを構築しました。

どのような変更が伴うのでしょうか?開発者Michael Boggs*2に尋ねましょう。

開発者Michael Boggs、Most Wanted Listを語る

こんにちは。

最新のMost Wanted List(MWL)の作成にあたり、わたしたちチームとプレイテスターは新たなチャレンジと向き合いました。これまでのMWLはすべて同じ基幹の指針に基づいていました。メタに潜む問題に取り組み、リスト内容を維持して新規プレイヤーと復帰プレイヤーを迎え入れるというものです。ですが最終版となるこのMWLでは指針をわずかに変更することにしました。

わたしたちはまだリスト内容を維持したいとも思っていたのですが、それよりも、健全で長続きするメタを発展させることがずっと重要だと感じています。その結果、MWL 2.2は今日までのリストで最も積極的なイテレーションとなり、両サイドから多くの制限と除外*3を盛りこんでいます。

ランナーから始めましょう。

制限

《クローンチップ/Clone Chip》は制限リストから外れます。《猛突進/Mad Dash》がその位置に入ります。
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《クローンチップ/Clone Chip》:この制限からの解放は、シェイパーという派閥と《フリーダム・クマーロ/Freedom Khumalo》への追い風となり、いずれにも有用なフレキシビリティを提供するでしょう。これは《Clot》の復活も可能とし、《Arella Salvatore》の連鎖コンボと《Titan Transnational》のファスト・アドバンスの遅延化も助け、同時に多様化するアナークIDの選択肢に《フリーダム・クマーロ》を押し上げます。全体としては、《クローンチップ》の制限リストからの解放は、ゲーム全体を通して、ランナー側に喜ばしい研究をうながすはずです。

《猛突進/Mad Dash》:低コストのランのイベントが、ランナーに追加の計画ポイントを与えることは、ほとんどすべてのコーポのデッキのアーキタイプに対し重大な価値を持ちます。《索引付け/Indexing》などのカードと組み合わせると、《猛突進》はすばやくゲームを終了させることができます。そうしたことから、ランナー全般を遅くする手段としての制限入りとなります。

除外

《Hyperdriver》、《火星は火星人の手に/Mars for Martians》、《ゼロ/Zer0》、そして《Tapwrm》 が新たに除外されます。

《Hyperdriver》:1ターンに大量のクリックを消費あるいは乱用するデッキを可能にします。コーポはこのプレイスタイルに対応する手段に乏しく、これは《Hyperdriver》のデッキがより広いメタゲームに有害なネガティブ・プレイ体験*4を持ち込むことを意味します。

《火星は火星人の手に/Mars for Martians》:これを除外することで《Liza Talking Thunder》のタグミー*5を遅くします。タグミーLizaは強いままですが、20以上のクレジットを1クリックで得ることはもうできなくなり、《逆監視/Counter Surveillance》で掘るのがやや難しくなります。

《ゼロ/Zer0》:この除外によってアナークのいちばんホットなカップル、《ゼロ》と《クランの復讐/Clan Vengeance》は破局します。《ゼロ》と《クランの復讐》のいずれもが有力候補として議論されましたが、最終的に《ゼロ》が2つの理由で選ばれました。何よりまず第一に、《ゼロ》より先に《クランの復讐》は環境の片隅に存在していました。成功が困難な作戦の一部とはいえ、うまくいけばエキサイティングでした。第二にアナークは、クレジット獲得、カードのドロー、クリック圧縮といった観点による「経済的可能性」においてすべてのランナー派閥の中で最強と考えて間違いないでしょう。ですから《ゼロ》は、アナークにとって必要のない暴虐的シナジーと経済ブーストを与えていたと言えます。

《Tapwrm》:制限リストから外された《クローンチップ》とのシナジーを一因としますが、さらには、ランナーに多様性のある経済ソリューションを見つけさせるために、《Tapwrm》は除外されます。《Tapwrm》があらゆるデッキの明白な正解というわけではありませんが、それを運用するデッキはしばしばコーポをルーズルーズの状況*6に置きます。

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コーポへ!

制限

《Bryan Stinson》、《Jinteki: Potential Unleashed》、《Skorpios Defense Systems》 そして《サーベイヤー/Surveyor》、これらすべては制限下へ。《Violet Level Clearance》は除外から制限へと移動し、《Fairchild 3.0》は制限リストから解放されます。

《Bryan Stinson》:Bryanは数多くの不自然な逆転と戦略の中心です。仮に1ターンであろうとランナーが6クレジット未満に落ち込んだら、Bryanは圧倒的経済優位をコーポに得させ、効率的に、即座にゲームを終了させることが可能です。

《Jinteki: Potential Unleashed》:Jinteki: PUの全体的なプランは、ランナーをサーバーからロックアウトするという、いずれかの陣営にとって全く楽しくないいずれの陣営にとってもまるで楽しくない*7ことを中心に展開します。このプレイスタイルが確固としてゲーム中に存在する限り、Jinteki: PUは高頻度でこれをやってのけます。Jinteki: PUを制限リストに入れることで、ロックアウト型のプレイはまだ可能でありつつも、コーポのプレイヤーはこのIDか、ジンテキの強力なツールである《オボカタ・プロトコル/Obokata Protocol》のどちらを使うか選ばされます。

《Skorpios Defense Systems》Skorpiosが制限される理由は、そのカードパワーのためではありません。最もネガティブ・プレイ体験のもととなりやすいIDの1つであることが理由です。Skorpiosはランナーにまったく何もしないか、もしくはランナーのデッキをめちゃくちゃにするか、そのどちらかであり、中間はありません。Skorpiosとの対戦はしばしばコイントスのように感じられます。Skorpiosの名前を制限リストの《Hunter Seeker》の隣に入れることで、最も悪用されたIDに制約を課しながら、未来のSkorpiosのプレイヤーに新たな戦略の研究をうながすことができるはずです。

サーベイヤー/Surveyor》:単純に、想定より強いと分かりました。もし影響3か影響4なら制限されなかったかもしれません。実にこれは、「なぜ一般的に、影響コストが高いほうがゲームにとっては良いのか」という教訓です。このままでは、グレイシャー*8風のランに備えたデッキのほとんどすべての高額アイス枠に《サーベイヤー》が採用されます。

《Violet Level Clearance》:当初は《セレブラル・イメージング/Cerebral Imaging》を遅くするため除外されていました。その間、確かに影響はありましたが、想定ほど効果的ではありませんでした。VLCは依然として極めて効率的ではあるものの、そういった理由から除外から制限へ移動します。

Fairchild 3.0》:Fairchild 3.0》はとても強力なアイスですが、《サーベイヤー》と同程度とは言えません。《サーベイヤー》が制限リストに加えられたことに伴い、《Fairchild 3.0》を制限から外すことで、グレイシャーを守るために必要なツールを確保します。
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除外

24/7 News Cycle》と《セレブラル・イメージング/Cerebral Imaging》は除外リストに加えられます。《Estelle Moon》と《Museum of History》は制限から除外へと切り替わります。

24/7 News Cycle》《Estelle Moon》《Museum of History》:これらのカードすべては同一の理由により除外リスト入りとなります:これらがうまく機能すると、限られた手段でしかランナーには介入できない種類のコーポのアドバンテージを導く。そして言うまでもなく、これらのカードはしばしば、実にうまく機能する。

《セレブラル・イメージング/Cerebral Imaging》:《Violet Level Clearance》が除外リストに置かれていたときも、《セレブラル・イメージング》は環境を支配していました。そればかりか、このIDのバランスをとるのは信じられないほど困難です。1つの構築に制約を課すたびに、即座に別のものが飛び出してきます。そうした理由から、わたしたちはCIを競技環境から取り除くと決めました。
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終わりに、このコミュニティのために働くのは大変な名誉であったことを申し添えておきたいと思います。情熱的で素晴らしい人々との出会いや対話、そしてプレイテスターとのテストプレイといった、わたしの最高の体験の数々を一言にまとめることはできません。『アンドロイド:ネットランナー』の開発者としての忘れえぬ時間をいただけたことに感謝します。

*1:世界選手権と併催されるRPGイベント

*2:Boggsの肩書が『アンドロイド:ネットランナー』のLead Designerでなく、Developer(開発者)になっている。記事執筆時点で同開発チームがすでに解体されていることが伺える

*3:removed。MWLでは、使用できないカードをbanned、禁止されたでなく、「除外された」と表現する

*4:negative play experience。NPEと略される。BoggsはHunter Seekerについてもこの語を用いて制限入りの理由を説明した(らしい)

*5:ランナーが自らタグを受けるプレイスタイル

*6:いずれの選択肢を選んでもその結果として敗北する状況。選択肢がそもそも存在しない「詰み」とは意味合いが異なる可能性がある

*7:18/08/24:訂正。

*8:glacier。氷河。強力なアイスをたくさんインストールしてサーバーを守るデッキの総称