Remove and Discard

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アンドロイド:ネットランナーの禁止制限改定 MWL 3.2 (2019年5月10日より有効)

MWLとは

f:id:fobby:20180821173040p:plain
MWLとは、アンドロイド:ネットランナーにおける禁止と制限のルールです。更新されるのはスタンダード・フォーマットとエターナル・フォーマットのそれぞれのMWLであり、そのフォーマットにおいて禁止(もっぱら「除外/removed」と表記されます)のカードは、そのフォーマットのデッキに1枚たりとも入れることができません。そのフォーマットで制限のカードは、自分のコーポとランナーのそのフォーマットのデッキにそれぞれ1種類ずつ、上限枚数まで望む数を入れることができます(IDであれば1枚、そうでなければ3枚までとなります)。
スタンダードやエターナルといったフォーマットについては、こちらも参照してください。
removeanddiscard.hatenablog.com

ソース

nisei.net


3.1から変更された箇所は太字。

スタンダード:コーポ - 禁止

  • Jinteki: Potential Unleashed
  • 24/7 News Cycle
  • セレブラル・イメージング:無限の開拓地/Cerebral Imaging: Infinite Frontiers
  • Bryan Stinson
  • Clone Suffrage Movement
  • Friends in High Places
  • Hired Help
  • Museum of History
  • 感応放画俳優協会/Sensie Actors Union
  • Mumbad City Hall
  • ムティ・ムウェクンドウ:生命の改良/Mti Mwekundu: Life Improved

スタンダード:コーポ - 制限

  • Bio-Ethics Association
  • Excalibur
  • Global Food Initiative
  • Mother Goddess
  • Mumba Temple
  • オボカタ・プロトコル
  • サーベイヤー/Surveyor
  • 黄埔開拓/Whampoa Reclamation

スタンダード:ランナー - 禁止

  • Aaron Marrón
  • ブルー・ムース/Bloo Moose
  • ファウスト/Faust
  • Hyperdriver
  • 火星は火星人の手に/Mars For Martians
  • 回収済みヴァナディス武器庫/Salvaged Vanadis Armory
  • Şifr
  • Tapwrm
  • テムジンの契約/Temüjin Contract
  • Watch The World Burn
  • ゼロ/Zer0
  • 従業員のストライキ/Employee Strike
  • GPI Net Tap

スタンダード:ランナー - 制限

  • イソップ質店/Aesop Pawnshop
  • Crowdfunding
  • Dorm Computer
  • Film Critic
  • Gang Sign
  • インバーシフィケイター/Inversificator
  • レヴィAR研究所へのアクセス/Levy AR Lab Access
  • 猛突進/Mad Dash
  • ペーパークリップ/Paperclip
  • Rumor Mill
  • ラーンブ/Laamb
  • Labor Rights

スタンダード制限解除

《商業銀行家グループ/Commercial Bankers Group》、《Violet Level Clearance》

スタンダード制限/禁止覚書簡易訳

《Labor Rights》と《ラーンブ》

ダウンフォールのリリース後では唯一大会で飛びぬけた成果を出している「Stabby Maxx」というアーキタイプにおいて、両カードはパワーカーブから逸脱しています。私たちは《ラーンブ》だけの制限を望んでいましたが、テストの結果それだけでは不十分で、デッキパワーの心臓部は《Labor Rights》による特定のツールの循環にあることが判明したのです。

《従業員のストライキ

《ダイレクト・アクセス/Direct Access》のリリースにより、かねてより問題視していたこのカードに着手できました。このような汎用性の高い空白化カードがない環境は、バランスのとれたコーポIDのデザインにもつながります。

《GPI Net Tap》

ダウンフォールのクリミナルのドローカード/ドローの質を高めるカードとの相乗作用により、《アウマクア/Aumakua》、《ルビコン・スイッチ/Rubicon Switch》、そして《ザンバ/Zamba》などとこのカード組み合わせたつまらないクレジット否定デッキが台頭するまえに、このコンボのパーツとしてしか使い道のない《GPI Net Tap》を禁止します。

《ムティ・ムウェクンドゥ》

《ダイレクト・アクセス》があるとはいえ、《従業員のストライキ》がカードプールから消えた世界において《ムティ・ムウェクンドウ》はまだパワーカーブを越えていました。また、このカードを禁止することで、《Border Control》に制限をかけずに済みます。

《商業銀行家グループ》

政治/politicalのカードは息苦しいと嫌われていますが、資財ベースのコーポのデッキがここ数ヶ月、勝てていません。メタゲームに多様性を持たせることでランナーにグレイシャー特化でないデッキを組ませ、それにより相対的にグレイシャーを強化します。

《Violet Level Clearance》

《セレブラル・イメージング》がなければこのカードはそれほど強力なコンボを生み出しません。唯一の例外は《ジンジャ・シティーグリッド/Jinja City Grid》ですが、これも《セレブラル・イメージング》ほど注目すべきものでなく、《Violet Level Clearance》がMWL下にある必要を感じさせません。どのデッキでも使われている《ラシーダ・ジャヒーム/Rashida Jaheem》と比べても貧弱です。

《Mumbad City Hall》

MWLのアップデートに際し、私たちはまず《Mumba Temple》の制限解除に向けたテストをしていました。その中で、《Mumbad City Hall》は《Mumba Temple》と組み合わせた時にあまりに強力であることがわかったことから、まず《Mumbad City Hall》を禁止することにしました。ですが《Mumba Temple》もまたつまらないデッキで悪用されていることから、最終的には《Mumba Temple》の制限解除をとりやめました。ただし《Mumbad City Hall》は面白くなく、将来的にも悪さをしうるため、禁止のままです。

反映されなかったテストについて

過酷で息苦しい《Scarcity of Resources》の制限も検討しましたが、そうするとコーポ、わけてもグレイシャーが大きく弱体化し、そしてランナー、わけてもクリミナルや《Hayley Kaplan》がゲームを支配します。テストの結果、《Scarcity of Resources》だけを制限すれば解決する問題ではなく、ランナーの現状/currentやリソースによるクレジット基盤などさまざまな制限が必要となると判明しています。
《Film Critic》の禁止もテストしましたが、よりバランスがとれフェアでもある《内部告発者/Whistleblower》には《Lakshmi Smartfabics》のような弱点がいくつもあります。現在のメタに《Film Critic》はほとんどいないので、監視を続けつつも、今のところは制限カードとして残します。

エターナル MWL 1.2 :2019年4月29日から有効

エターナル1.1からの変更点は太字。

エターナル:コーポ-禁止

  • 24/7 News Cycle
  • Friends in High Places
  • Hired Help

エターナル:ランナー-禁止

  • Aaron Marrón
  • ファウスト/Faust
  • Rumor Mill
  • 回収済みヴァナディス武器庫/Salvaged Vanadis Armory
  • Şifr
  • テムジンの契約/Temüjin Contract
  • Watch The World Burn
  • ブルー・ムース/Bloo Moose

エターナル:禁止解除

Museum of History
(訳注:《Museum of History》はエターナルMWL 1.0→MWL 1.1でも禁止解除されたカードなのに、なぜかもう一度解除されている。要するにNISEIもプレイヤーも誰もエターナルなんかやっていないってことなんですよね)

エターナル禁止覚書簡易訳

Museum of History

エターナルでは横並べ型デッキが過小評価されています。《Museum of History》がキーとなるデッキはアンドロイド:ネットランナーの歴史の中に確かに存在したもので、また裸のサーバーを咎めるランナーのツールの存在を鑑み、このカードの禁止を解除することは問題ないと考えます。

ブルー・ムース

《テムジンの契約》禁止後もランナーがクレジットレースでコーポに大差をつけ続けた原因です。

NISEI初の拡張、「ダウンフォール/Downfall」日本語版非公式リリースノート:エラッタとテンプレート解説

アンドロイド:ネットランナーのサポートを継続する非営利団体、NISEIの初の拡張がダウンフォール/Downfallです。翻訳を担当した人間のけじめとして、非公式エラッタと新テンプレートの解説をさせていただきます。

リリースノート:ランナー編はこちら。
removeanddiscard.hatenablog.com

リリースノート:コーポ編はこちら。
removeanddiscard.hatenablog.com

非公式エラッタ

3つのエラッタを告知させていただきます。誤訳・誤記により、プレイヤーの皆様に多大なご迷惑をおかけしたことをお詫びします。

※追記:4つめのエラッタがあります。(2019/06/10)
※追記:以下4つの誤植・誤記について、現在は対処済みです。NISEIのPDFをご確認ください。それ以前にダウンロードされた方にはお手数おかけしますが、再度のダウンロードをお願いいたします。(2019/06/11)

追記:《スペック・ワーク/Spec Work》(209/06/10)

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(誤)
ハードウェア:コンソール


(正)
イベント:仕事

機能的な問題

これはイベントです。ハードウェアではないので、インストールできません。現在発覚している中では最悪の誤記です。

原因

当方の手元には、「イベント:仕事」と翻訳したデータが残っています。ですが、何らかの手違いで「ハードウェア:コンソール」と入力され、自分も校正でそれを見落とした形となります。

トリックスター・タカ/Trickster Taka》

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(誤)
君のターンの開始時か計画書を盗んだ時、このリソースに1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
搭載されているクレジットはプログラムへ消費する。
君のターンの終了時、搭載されているクレジットが3以上である場合、「タグを1つ受ける」か「このリソースのトラッシュ」をしなければならない。


(正)
君のターンの開始時か計画書を盗んだ時、このリソースに1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
搭載されているクレジットはプログラムの使用へ消費する。
君のターンの終了時、搭載されているクレジットが3以上である場合、「タグを1つ受ける」か「このリソースのトラッシュ」をしなければならない。

機能的な問題

「プログラムの使用へ消費する(正)」であれば、「《トリックスター・タカ》の上に3クレジットある場合、そのうち2クレジットで《自己変形コード/Self-modifying Code》を使用することはできるが、サーチしてきたプログラムのインストールコスト支払いに残りの1クレジットを使うことはできない」ということが明示されます。

ですが「プログラムに消費する(誤)」の場合、プログラムのインストールコスト支払いのために《トリックスター・タカ》のクレジットを消費してもよいのかどうかが不明瞭となります。

原因

翻訳担当の私(Fobby)の見落としにより、原文の "Spend hosted credits to use programs during runs." を誤訳いたしました。

《ハーゲン/Hagen》

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(誤)
インストール状態のアイスブレイカー1つにつき、このアイスは強度-1を持つ。

(正)
インストール状態のアイスブレイカー1つにつき、このアイスは強度-1を持つ。

機能的な問題

機能の上での問題はあまりないと思われますが、それでもテンプレートから逸脱し、混乱を招く誤訳です。

原因

翻訳担当の私(Fobby)の "for each" への理解不足により、原文の "This ice has -1 strength for each installed icebreaker." を誤訳いたしました。

《フォーカス・グループ/Focus Group》

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このカードの第一段落にはこのカードをプレイするための条件が、第二段落にはこのカードの能力が書かれていますが、これらの両段落の間に適切なスペースがなく、別々の段落であることが認識しづらくなっています。

機能的な問題

可読性の欠如。

原因

リードトランスレーターの見落としでこのカードのみ校正リストになかったのですが、私も自身がこのカードを校正していないことに気づけませんでした。両者の連絡不足がこのような結果を生み出しました。

翻訳テンプレート

次回も自分が翻訳を担当できるかわからないので、引き継ぎの目的も兼ねて記します。

つねづね疑問なのですが、なぜカードゲーム/ボードゲームの翻訳者は、自身の中にある翻訳テンプレートを公開したり解説したりさせてもらえないのでしょうか。これはニセイも同じです。デザイナーやテスター、イラストレーター、シナリオライターは記事を書きますが、我々トランスレーターがそのような機会を与えられることはありませんでした。

翻訳者も立派なゲーム製作者であり、自分のしごとを解説する義務と権利があるはずです。可読性、原文の尊重、文字数といったバランスをどのようにとったか、不評な難読箇所をなぜそのように訳したかなどさまざまな問題について、翻訳した本人にしかユーザーを納得させることができないはずです。

「しなければならない(なければならない)/must」

「must」はこれまで訳されたり訳されなかったりとまちまちでしたが、以降は「しなければならない(なければならない)」で統一されます。

「しなければならない/must」はルール上、次のような意味を持ちます。

  • カードの能力が「しなければならない/must」と指示するなら、プレイヤーは他のカードの能力を使ってでもそれを解決しなければならない。
    • 例:ランナーは4クレジット持っていて、「トラッシュしなければならない」を持つ《ムンバッド仮想ツアー/Mumbad Virtual Tour》にアクセスした。トラッシュコストの5クレジットを支払えないので通常であればランナーはトラッシュの義務から免れるが、そのランナーは《インプ/Imp》をインストールしていてその上にウィルスカウンターが1つある。この場合は必ず《インプ》を使わなければならない。
  • 「しなければならない/must」の指示がプレイヤーに選択をせまる場合、指定されたプレイヤーはそれらのいずれかを、自分が完全に解決可能なものから選ばなければならない。いずれも解決できない場合は、何もしない。
    • 例:《Fairchild 3.0》のサブルーチンが「ランナーは『3クレジットを支払う』か、『インストール状態の自分のカードを1枚トラッシュ』をしなければならない」の選択を提示する。ランナーは2クレジットしか持っていなかったので、「3クレジットを支払う」を選べない。さらに、インストール状態の自身のカードが1枚もない。そのため、このサブルーチンを解決しても何も起こらない。
  • 「しなければならない/must」の指示がプレイヤーに選択をせまっていて、そのプレイヤーがその選択肢のうちの1つを選んだ場合、その効果を妨害したり回避したりすることは認められる。
    • 例:《データ・レイヴン/Data Raven》にエンカウントしたランナーは、「タグを1つ受ける」か「ランの終了」のいずれかを選ばなければならない。ここで「ランの終了」を選んで、それを《ラッキーチャーム/Lucky Charm》で妨害することは認められる。
  • 「しなければならない/must」がひとつの効果のみにかかっている場合、その効果が追加コストの支払いを強制することはない。
    • 例:《Always Be Running》の「しなければならない/must」効果によってランナーが《コールドサイトサーバー》のあるサーバーにランをしようとしても、追加コストの支払いまでは強要されない。このような場合にランナーは、ランのための追加コストの支払いを拒否してよく、そして最初のクリックをラン以外のことにあてることが可能である。
  • 「しなければならない/must」がプレイヤーに選択を迫っていて、そのプレイヤーがそのうちの「追加コストの支払い」を求める選択肢を選んだ場合、追加コストの支払いを拒否できない。
    • 例:《偽起動指令/Forged Activation Order》で《アーチャー/Archer》を選ばれ、それのレゾを選んだコーポは、レゾのためにすべてのコストを支払わなければならない。その過程で計画書を1つ放棄することを拒否できない。(逆に言えば、自分の得点エリアに計画書が1つもなければコーポは《アーチャー》をレゾすることを選べない。)


「しなければならない/must」はFFG/アークライト時代の日本語版ローカライズの際にしばしば無視され、「しなければならない」とあるべき箇所に何も書いていないカードはいくつもあります。そうしていたら、FFGからmust節のルール上の意味を後出しで定義されてしまったのです。困ったアークライトは、そのmust節についてのルールが詳述されている「リファレンスガイド」を和訳する際、「しなければならない/must」の記述をすべて無視しました。翻訳しなかったのです。自分たちのミスを隠蔽するためにルールそのものをなかったことにする。私は、この件にいまだ憤りをおぼえています。


この例に限らず、カードテキストの何気ない語句に後付けでルール上のさまざまな意味を持たせていくのが『アンドロイド:ネットランナー』ですから、こうした問題の再発をなるべく防止するよう今回のローカライズでは心掛けました。

「このリソース/this resource」や「この資財/this asset」など

テンプレートの更新により、以降、自己参照語(《優先請求/Priority Requisition》に「優先請求を得点した時」と書かれているような)は使用されません。「この計画書」「このリソース」「このカード」などと表現されます。

これにより今までと処理が変わった点もあります。《ロキ/Loki》が《ルート・ボックス/Loot Box》をコピーして「このアイスをトラッシュする。」を得たのなら、そのサブルーチンの解決時、トラッシュされるのは《ロキ》が得ている「このアイス」の語が指すアイス、つまり《ロキ》となります。

f:id:fobby:20190609113426p:plain
《ロキ》は他のアイスのサブルーチンを得る能力を持つ。
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《ロキ》は《ルート・ボックス》の「このアイスをトラッシュする」を得る。《ロキ》上の「このアイス」とは《ロキ》を指す。
投資信託の撤退/Divested Trust》のように、「他の計画書」という言葉も使用されていますが、これは冗長なようにも見えます。今後のカードでこのテンプレートが生きる場合が出てくるのでしょうか。
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「この計画書」と「他の計画書」。「他の」は冗長では?

基本MU

ランナーのIDに「4」と書かれているのは、そのIDの基本MUが「4」であるという意味です。今後、IDごとに異なるMUが設定されることが示唆されています。

f:id:fobby:20190609113320p:plain
IDの左上にある「1」は基本リンク強度を示す。そして、その下にある「4」は、そのIDが最初から使える基本MUを示す。

トレース[N]-

FFGでは基本トレース強度は上付き文字で表現されていましたが、ニセイのカードではトレース[N]-といったふうに表記されます。

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トレース[6]

「それ」「これ」

「それ」も「これ」もいずれも "it" ですが、 "it" が「このカード」であることが明確である場合のみ、「これ」と訳されます。

同一の単語を文脈に応じて訳しかえるのは訳者の領域を超えるとも思いましたが、自己参照語の代わりに使用される「このカード」と同一の意味で「それ」が使われるのは奇妙なことです。「この」に対応するのは「これ」でしょう。

《サイセンタン/Saisentan》と《コングラチュレーション!/Congratulations!》の「君は」

以下の太字部分は、それに相当する語が原文にありません。

  • 《サイセンタン
    • ランナーがこのアイスにエンカウントした時、君はカードタイプを1つ選ぶ。
    • When the Runner encounters this ice, choose a card type.
  • 《コングラチュレーション!》
    • ランナーがこのアイスを通過した時、君は1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
    • When the Runner passes this ice, gain 1f:id:fobby:20180521144018p:plain.

このゲームには「能力を解決する人物を指す主語が明示されていないなら、カードのコントローラーが主語となる」という暗黙の了解があります。ですから、本来これは不要な配慮です

しかし、

ランナーがこのアイスにエンカウントした時、カードタイプを1つ選ぶ。

という文章の主語を「ランナー」ととらえ、「よって、カードタイプを選ぶのもランナー」と考えるのも、日本語話者としては不自然なことではないと考えます。よって混乱を避けるため、以降、このようなテキストに対し「君は」を独断で挿入します。

なお、FFGでもニセイでも、アイスに「君は」という言葉はほとんど使われません。紛らわしいためでしょう。たいていは「コーポは」と書かれます。ですから、アイスに「君は」と書かれていたなら、これは翻訳の過程で後付けされたものとして判別が可能です。

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FFG/アークライト版訳。《トールブース》に3金払うのはランナーだが、《ロキ》でアイスを選ぶのはコーポと、非常に紛らわしい。

「they, them」

他のカードゲーム同様に「he or she」は廃語となり、以降「they」が使用されます。ただし、他のカードゲーム同様に日本語版は「そのプレイヤー」「そのコーポ」「そのランナー」といった語を引き続いて用いるため、影響しません。

「しているかぎり・するかぎり/while」

新語となります。ただし、「しているかぎり/while」があるからと言って特別な処理は行われないので、さほど重要ではありません。いちおう「しているかぎり/while」は常時能力を示しますが、それを特に意識する場面は今のところありません。

《ドロップ率上昇/Increased Drop Rate》に登場する「ランナーがR&Dでこのカードにアクセスしているかぎり、そのランナーはこれを公開しなければならない」は、《罠!/Snare!》などに見られた「ランナーがR&Dでこのカードにアクセスした場合、そのランナーはそれを公開しなければならない」よりも適切であるとNISEIは考えています。

なぜなら、ランナーは《罠!》にR&Dでアクセスしているかぎり、能力の解決やトラッシュコストの処理中、《罠!》をずっと公開し続けなければならないためです。

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「された場合」から「しているかぎり」へ。意味は同じ。

「しないかぎり/unless」

「しているかぎり」と違いルール上のやや複雑な意味を持ちます。

《ドロップ率上昇》は「ランナーがタグを1つ受けないかぎり、コーポは悪名を1つ取り除く」という能力を持ちます。「しないかぎり」の前にくる指示は、「内包コスト」として扱われます。タグを受けるのは内包コストの支払いを見なされ、そしてコスト支払いのための行動は妨害したり回避したりできないとの新ルールから、このタグも回避できません。「しなければならない」との違いに注意してください。

また「しないかぎり」の前にくる指示はコストなので、それを完全に解決できないのであれば何もしません。仮に「3クレジット支払わないかぎり」という指示に対し2クレジットだけ払うことはコストの原則に反するからです。

そのほか、《虚無主義者/The Nihilist》の「コーポがR&Dの一番上のカードをトラッシュしないかぎり」は、R&Dが空である場合は「した」ことにできません。

なお、「しないかぎり」の後にくる指示は妨害/回避が可能です。たとえば、《Fairchild》の「ランナーがf:id:fobby:20180504113638p:plain4f:id:fobby:20180521144018p:plainを支払わないかぎり、ランの終了。」のサブルーチンを解決したら、ランナーは4クレジットの支払いを拒否してから、ランの終了を《ラッキーチャーム/Lucky Charm》で妨害できます。

f:id:fobby:20190605073240p:plain
「しないかぎり」の新ルールを学ばせるためのカード
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解決できない指示は無視してもゲームに影響しません。ですが、履行不能による「しないかぎり」の無視は、コスト支払いの拒否と同様に扱われます。

「搭載されている/hosted」

これまでにもカウンターやカードを「搭載されている(もしくは、ホストされている)」と表現することはありましたが、テンプレートの更新がありました。

たとえば、カードに「搭載されているパワーカウンター」と書かれていた場合、それは必ず「このカードに搭載されているパワーカウンター」を指します。

《チゼル/Chisel》の「搭載されているウィルスカウンター1つにつき、ホストのアイスは強度-1を持つ」という記述は、「チゼルに搭載されているウィルスカウンター1つにつき、チゼルのホストのアイスは強度-1を持つ」と読みかえが可能です。ホストのアイスが搭載しているウィルスカウンターは参照されていません。

f:id:fobby:20190529201916p:plain
難解な用語である「搭載されている」「ホスト」を理解するためのカードとも言える。

「そして/and」と「その後/then」

"and" や "then" が「同時効果を示す」と定義づけられたため、今後は必要に応じて訳出されます。

  • ただし、以下すべてはそれぞれルール上の意味の違いを持ちません。
    • 1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、そしてカードを1枚引く。
    • 1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、その後にカードを1枚引く。
    • 1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。カードを1枚引く。
    • 1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、カードを1枚引く。
      • 最後のものは、FFG/アークライト版訳。ルール上の問題もなく字数も節約できるのだが、このゲームには「することで、してよい/to」という紛らわしいキーワードが存在する。

以下2つはルール上まったく異なります。

  • 1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、カードを1枚引く。
  • 1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得ることで、カードを1枚引いてよい。

私見では、「『ことで』がない」ということを見極めるのは難しいが、「『そして』や『その後』がある」ということを見極めるのは比較的容易と感じます。誤読を防ぐためにも「そして」「その後」を使用します。

「持つ/have」と「有する/get」

アイスやアイスブレイカーの強度、あるいは手札上限の修整を示す語です。特にアイスブレイカーの強度修整を示す「get」は新語となります。

これまでの「have」は「強度+1。」「手札上限+1。」といったふうに省略されてきました。実際それでなんの問題もないと考えていますが、今回、公式リリースノートに "have" と "get" についてわざわざ紙数が割かれていたことを尊重し、以降は省略されません。

f:id:fobby:20190609115820p:plain
「有する/get」

「より大きい」、「より多い」、「を超える」

「以上」とは異なります。仮に「3より大きい」「3より多い」「3個を超える」と書かれている場合、すべて「4以上」という意味で3を含みません。日本語としては直感に反する記述であるため、注意してください。

《厳粛/Khusyuk》は「1以上である数字を1つ選ぶ」、《アフシャー/Afshar》は、「これの表記サブルーチンを1つしかブレイクできない」とそれぞれ読みかえ可能です。

f:id:fobby:20190601124721p:plain
「0より大きい」とは「1以上である」と同義。
f:id:fobby:20190609113921p:plain
「1つより多くブレイクできない」とは「1つしかブレイクできない」ということ

「1つ」、「1個」、「1枚」

単位の違いが意味を持つことはありません。たとえば「カードを1枚」と「カードを1つ」はまったく同じ意味を持ちます。また、「サブルーチンを1個」と「サブルーチンを1つ」も同じ意味です。「2ネットダメージ」と「2点のネットダメージ」も同様です。

f:id:fobby:20190609114218p:plain
「サブルーチンをX個」と「サブルーチンを1つ」が混在している

「そうでない場合/otherwise」を「そうでなければ/otherwise」へ変更

「場合・なら/if」が常時能力を示す語と定義されていることから、「そうでない場合/otherwise」を「そうでなければ/otherwise」に置き換えます。もっとも、「『場合』が常時能力を示す」と言っても「Xである時、Yである場合、Zする(《地下世界の接点/Underworld Contact》のような)」は条件節能力ですし、そもそも「otherwise」がおそらくは常時能力なので、余計な配慮である可能性が高いと思われます。

f:id:fobby:20190529201916p:plainf:id:fobby:20190609120325p:plain
「そうでなければ」も「そうでない場合」も、"otherwise"。

「Bをもって、Aしてよい/you may A by B」

《ゲーム・オーバー/Game Over》にはこのように書かれています。

(日)
ランナーは3f:id:fobby:20180521144018p:plainずつの支払いをもって、それらカードのうち望むものがトラッシュされることを妨害してよい。


(英)
The Runner may prevent any of those cards from being trashed by paying 3f:id:fobby:20180521144018p:plain each.

「支払いをもって」という言葉をあてた「by paying」ですが、この「by」は今までに一度も登場したことのない、新語です。「The Runner may pay 3f:id:fobby:20180521144018p:plain each to prevent any of those cards from being trashed.」といった既存の書き方をしなかった理由はよくわかっていません。

この支払いは、「することで、してよい/to」や「しないかぎり/unless」のように内包コストなのか、それとも「そうした場合/if you do」のように別のものかとルール部に問い合わせたものの、なんの返答もなかったのです。

とはいえ、あとでどんなルールが後付されてもいいように、「をもって/by」という訳語を当てました。

f:id:fobby:20190605073243p:plain
支払いをもって

カギカッコ

カギカッコの多用が目につくという方もいらっしゃるかもしれません。ですが《投資信託の撤退》にはカギカッコが絶対に必要でした。

f:id:fobby:20190609113752p:plain
you mayが最初にくる英語と、してよいが最後にくる日本語の違い。
仮にこれが

5f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、そして盗まれた計画書をHQに加えてよい。

であった場合、「5クレジットを得るのは強制。計画書をHQに戻すのは任意」と読めてしまいます。カードゲームによっては、このような場合に

5f:id:fobby:20180521144018p:plainを得てよい。そうした場合、盗まれた計画書をHQに加える。

と意訳するケースもあるようです。機能としてはきちんと成立するのですが、自分はFFGの「そうした場合」のルールミスを指摘してUFAQを更新させたことがあるので、勝手に「そうした場合」を加えることにも抵抗があります。


なので、ここはカギカッコで対処します。その他にも、カギカッコがあったほうがわかりやすいと思った場合は無遠慮にそうしています。

これに関しては皆さんのご意見も伺いたいところです。フィードバックをお願いします。
marshmallow-qa.com

最後に

いわゆる「メル」として、多くのルール上の疑問や改善案を現在のニセイ発起人にしてルールチームリーダーの@jakodrako氏に投げかけたことから目をかけていただき、非公式とはいえネットランナーの翻訳に携われたことは大変な幸運でした。途中、自分の精神面の脆弱さから何度もくじけそうになりましたが、@DirtyDrillさんから一方ならぬ助力をいただきました。

ニセイはメンバーを募集しております。現在まで翻訳も校正も私一人で行っており、その私もいつ参加できなくなるかわからない状態です。翻訳やネットランナーに興味があれば、英語力の有無にかかわらずぜひお力添えをお願いします。

NISEI初の拡張、「ダウンフォール/Downfall」日本語版非公式リリースノート:コーポ編

アンドロイド:ネットランナーのサポートを継続する非営利団体、NISEIの初の拡張がダウンフォール/Downfallです。翻訳を担当した人間のけじめとして、特にややこしいと感じたカードを挙動や裁定を説明します。

ランナーのカードにつづいてコーポのカードを解説します。翻訳そのものの解説については日を改めます。ランナー編はこちら。
removeanddiscard.hatenablog.com

エラッタとテンプレート解説はこちら。
removeanddiscard.hatenablog.com


質問がございましたらTwitter@RemovenDiscardか、マシュマロへお願いします。
marshmallow-qa.com

ダウンフォール:コーポのカード

《ミラーモーフ:永遠の反復/MirrorMorph: Endless Iteration》

f:id:fobby:20190601132851p:plain

ID:部署



君のターンの第三のアクションの完了時、君が第一と第二と第三でそれぞれ異なるアクションを行っていたなら、「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」か「さらに異なるアクションを1つ、支払いを1f:id:fobby:20180521144012p:plain減らして行う」をしてよい。

Identity: Division



If the first, second, and third actions you take on your turn are different from each other, when the third completes, you may gain 1f:id:fobby:20180521144018p:plain or take another different action, paying 1f:id:fobby:20180521144012p:plain less.

もう少し詳しく

コーポが自身のターン中に第一のアクションと第二のアクションと第三のアクションでそれぞれ異なることを行っていたなら、その第三のアクションの完了時に「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」か、「さらに異なるアクションを1つ、消費クリックを1f:id:fobby:20180521144012p:plain減らして行う」のいずれかをしてよい。

裁定

非常に難解な能力です。

  • 最初の3アクションでそれぞれ別のことをしたら、第3アクションの完了時、1クレジット得るか、消費を1クリック下げて第四アクションを行うかのいずれかを選びます。
    • 《Jeeves Model Bioroids》の逆、と説明するとわかりやすいのですが、Jeevesは日本語化されていません。
  • アクションとは、アクションフェイズ中にクリックを消費してとる行動のことです。具体的には以下がコーポのアクションです。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:カードを1枚引く。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:アイスか資財か強化か計画書を1枚インストールする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:任務をプレイする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:カードを1回アドバンスする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:タグされているランナーのリソースをトラッシュする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:ウィルスカウンターをすべて破棄する。(パージ)
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:アクティブなカードが持つ「f:id:fobby:20180521144012p:plain能力」を使用する。
      • レゾや計画書の得点、コストにクリックシンボルのない消費型能力の使用などはアクションではありません。
    • アクションをカウントしているので、クリックが増えている状況なら、1つのターンで「ウィルスカウンターをすべて破棄(パージ)する」→「ダブルの任務をプレイする」→「カードを1枚引く」というふうにアクションを進めても発動します。
  • 同一ターンにAという任務をプレイし、次にBという任務をプレイした場合、「それぞれ別のアクション」と見なされません。
    • 例えば第一アクションで《ヘッジファンド/Hedge Fund》を、第二アクションで《レッドレベル・クリアランス/Red Level Clearance》を使ったら、それらは「任務のプレイ」という同一のアクションを行ったとみなされます。
  • 1ターンに同じ資財の同じ能力を繰り返し使うことは、「それぞれ別のアクション」と見なされません。
    • 例えば第一アクションで《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard》を使いカードを2枚引き、第二アクションでも同じ《ジャクソン・ハワード》からカードを2枚引いたら、同一のアクションを2度行ったと見なされます。
  • 1ターンに同名でありながら別のカードの能力をそれぞれ1度ずつ使った場合、「それぞれ別のアクション」と見なされます。
    • 例えば第一アクションで1枚目の《ナノ微細加工マトリクス/Nanoetching Matrix》を、第二アクションで2枚目の《ナノ微細加工マトリクス》を使ったら、それらは別々の能力を使用するという別々のアクションを行ったと見なされます。
  • 同じ資財でも、違う能力を同一ターンにそれぞれ1度ずつ使ったら、「それぞれ別のアクション」と見なされます。
    • 例えば、第一アクションで《MCA緊縮政策/MCA Austerity Policy》の第一の能力を使い、第二アクションで同じ《MCA緊縮政策》の第二の能力を使ったら、それらは別々のアクションを行ったと見なされます。
  • 第三アクションと第四アクションの間には、カードのレゾや計画書の得点、消費型能力の使用が可能となるウィンドウがありません
    • 第三アクションで《MCA緊縮政策/MCA Austerity Policy》をインストールしたなら、第四アクションの開始時点までにそれをレゾするチャンスがないため、それの能力を使えません。注意。
    • 第三アクションをコーポが行ったあと、第四アクションまでの間に《自己変形コード/Self-modifying Code》で《Clot》を探すことはできません。
  • 最終/terminalの任務を使うことで《ミラーモーフ》が発動した場合、第四アクションを行えませんが、1クレジットを得ることは選べます(2019/5/9より有効な、暫定の裁定です。なぜそうなるのかは不明なので、このルールは将来的に置き換わる可能性があります)

《フル稼働/Fully Operational》

f:id:fobby:20190603212753p:plain

任務



2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得るか、カードを2枚引く。最低1枚のカードが中にありかつ最低1つのアイスに守られている遠隔サーバー1つにつき1回、この手順を繰り返す。

ハースのサーバーの脆弱性は襲撃の直前に対策された。バイオロイドのオラクル連中はそれほど腕がいいのか、それともタレコミがあったのか?

Operation



Gain 2f:id:fobby:20180521144018p:plain or draw 2 cards. Repeat this process for each remote server with at least 1 card in it and at least 1 piece of ice protecting it.

Haas' unsecured servers were fortified just before the storm. Are their bioroid oracles that good, or were they tipped off?

もう少し詳しく

「『2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る』か、『カードを2枚引く』のいずれかを選ぶ。」を1+X回だけ解決する。Xは「中にカードがインストールされている状態でありつつ、アイスに守られている状態にもなっている遠隔サーバー」の数である。

解説

  • アイスだけで中身のない遠隔サーバーか、中身だけでアイスに守られていない遠隔サーバーは、いずれもこのカードに影響しません。
  • 文章の読み方について。条件を満たす遠隔サーバーが1つである場合、まず「2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得るか、カードを2枚引く。」を解決して、それを1回繰り返します。つまり、「2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得るか、カードを2枚引く。」を2回解決するのです。

裁定

  • このカード1枚の手順の繰り返しでクレジットを得るごとに、《NASX》は何度も発動できます。

《レッドレベル・クリアランス》

f:id:fobby:20190609124227p:plain

任務:取引



以下より2つを任意の順序で解決する。

  • カードを2枚引く。
  • 2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
  • 計画書でないカードを1枚までインストールする。
  • f:id:fobby:20180521144012p:plainを得る。



金庫にすべての秘密が隠されているとは限らない。

Operation: Transaction



Resolve two of the following in any order:

  • Draw 2 cards.
  • Gain 2f:id:fobby:20180521144018p:plain.
  • Install up to 1 non-agenda card.
  • Gain f:id:fobby:20180521144012p:plain.



Not all secrets lie in vaults.

裁定

これは、いわゆる「モード」のカードです。アンドロイド:ネットランナーの箇条書きモードは《Deuces Wild》が元祖で、それと同様のルールが適用されると思われます。

  • コーポは最初に解決する効果を選んで、その結果を見てから二番目の効果を解決します。
    • たとえば、まずカードを2枚引くことを選び、それにより《ヘッジファンド/Hedge Fund》を引けたので、この任務をプレイした当初は「2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」をやろうかと思っていたけど変更する、といったことが起こりえます。
  • 同じ効果を2回選ぶことはできません。

モード以外について。

  • 「計画書でないカードを1枚までインストールする」、とは「最高で1枚まで」という意味です。コーポは0枚のカードをインストールすることを選べます。
    • コーポはカードを引いたりクレジットを得ることにリスクがあるので、それらを選びたくない場合に行います。レアケースですが。
    • その場合はカードは実際にはインストールされていないので、「カードをインストールするたび」とか「サーバーを作るたび」といった条件を満たしません。
    • 従来のテンプレートと違って「すべてのコストは支払う」と書いてありませんが、NISEIのテンプレートでは、このようにコストに言及がない場合は支払う必要があります。

《ヒョウブ学会:絶対的明快》

f:id:fobby:20190605073543p:plain

ID:部署



各ターン、君が最初にカードを公開した時、1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:グリップのランダムなカード1枚か、スタックの一番上のカードを公開する。

根掘り葉掘り。

Identity: Division



The first time each turn you reveal a card, gain 1f:id:fobby:20180521144018p:plain.

f:id:fobby:20180521144012p:plain: Reveal a card from the grip at random or the top card of the stack.



No Stone Unturned.

もう少し詳しく

君がカードを公開した時、コーポのターンであれランナーのターンであれ、それがそのターンで初めての「コーポによるカードの公開」であったなら、君は1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:「グリップのランダムなカード1枚を、コーポが公開する」か、「スタックの一番上のカードをコーポが公開する」のいずれかを解決する。

裁定

  • 「君が公開した時」であることにご注意。ランナーがR&Dの《罠!/Snare!》を公開しても《ヒョウブ学会》には影響しません。
  • 公開とは、アンインストール状態、つまり山札、手札、捨て札置き場のいずれかにある裏向きのカードの表側を、一時的に両プレイヤーが見えるようにすることです。

《ヤギ・ウダ計画/Project Yagi-Uda》

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計画書:研究



この計画書を得点した時、これに3個より多く置かれたアドバンストークン1個につき、計画カウンターを1個これに置く。
搭載されている計画カウンター1個:HQの中のカード1枚を、「攻撃されているサーバーを守っているカード1枚」か、「攻撃されているサーバーの中のカード1枚」と入れ替える。ランナーはジャックアウトしてよい。この能力の使用はラン中にのみ。

Agenda: Research



When you score this agenda, place 1 agenda counter on it for each advancement token on it over 3.

Hosted agenda counter: Swap a card in HQ with a card in or protecting the attacked server. The Runner may jack out. Use this ability only during a run.

もう少し詳しく

この計画書を君が得点した時、この計画書の上にX個のカウンターを置く。Xはこの計画書が得点された時に、この計画書に搭載されていたアドバンストークンの数-3である。そのカウンターを計画カウンターと呼ぶ。(もしくは、得点したこの計画書から3個のアドバンストークンを取り除いた後、残ったアドバンストークンを計画カウンターと呼び替えてもよい。)
ラン中に、これに搭載されている計画カウンター1個を取り除いてトークンバンクに戻す:「現在ランされているサーバーを守っているアイスのカード1枚」か、「現在ランされているサーバーの中にインストールされている資財か強化か計画書であるカード1枚」のいずれかを、HQの中(つまり手札)のカード1枚と入れ替える。そうしたなら、ランナーはジャックアウトすることを選んでもよい。そのランナーがそうしなかった場合、通常どおりにランを継続する。

解説

  • 「攻撃されているサーバー」とは「現在ランされているサーバー」のことです。

裁定

  • 各ランの最初のアイスへのアプローチ中に《ヤギ・ウダ計画》が使用され最初のアイスが入れ替わったなら、最初のアイスへのアプローチであるにもかかわらず、《ヤギ・ウダ計画》それ自体の能力によりランナーはジャックアウトを選べます。
  • 「入れ替え」は、インストールのルールを守らなければいけません。
    • たとえば、資財をアイスのように、サーバーを守っている状態でインストールしたり、ひとつのサーバーの中に領域である強化を2枚以上インストールすることはルール上できないので、入れ替えもそうしたルールを破ることはできません(後者については、この拡張が発売されるまではできたので注意)
  • このカードのように、「アンインストール状態のカードと、インストール状態のカードの入れ替え」が起こった場合は、もともとインストール状態だったカードの状態が引き継がれることはありません。。
    • インストール状態だったカードに搭載されていたカードやトークンが、さっきまでアンインストール状態でいま入れ替えられたカードに引き継がれることはなく、搭載されていたカードやトークンはすべてトラッシュされるかバンクに戻ることになります。
    • レゾ状態のカードと入れ替えられた、さっきまでアンインストール状態でHQにあったカードは、非レゾ状態でプレイエリアに出ます。

《イメージの完成/Complete Image》

f:id:fobby:20190605073706p:plain

任務:最終-触法



この任務の解決後、君のアクションフェイズは終わる。
直前のターンにランナーがランを成功させていて、かつそのランナーが3点以上の計画ポイントを持つ場合にのみプレイする。
カード名を1つ指定し、その後に1ネットダメージを与える。指定された名前のカードを君がトラッシュした場合、この手順を繰り返す。

Operation: Terminal



After you resolve this operation, your action phase ends.

Play only if the Runner has 3 or more agenda points and they made a successful run during their last turn.

Name a card, then do 1 net damage. If you trash a copy of the named card, repeat this process.

もう少し詳しく

この任務を解決したら、君のアクションフェイズは終わる。(君は残りのクリックをすべて失う。)
この任務がプレイできるのは、直前のターンにランナーがランを成功させていて、かつそのランナーが3点以上の計画ポイントを持っている場合のみである。
カード名を1つ指定し、その後に1ネットダメージを与える。指定された名前のカードを君がトラッシュした場合、この手順を繰り返す。

裁定

  • 「この手順を繰り返す」の部分も含めて繰り返します。
    • よって、トラッシュされるカードの名前を当てた場合は、1回だけ繰り返し、2ネットダメージを与えて終わり、ではありません。名前を当て続けているかぎり、半永久的に「カード名を1つ指定し、その後に1ネットダメージを与える」を繰り返します。

《ゲーム・オーバー/Game Over》

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任務:不正-触法



ランナーが直前のターンに計画書を盗んでいた場合にのみプレイする。
ランナーのカードタイプを1つ選ぶ。アイスブレイカでないそのタイプのインストール状態のカードをすべてトラッシュする。ランナーは3f:id:fobby:20180521144018p:plainずつの支払いをもって、それらカードのうち望むものがトラッシュされることを妨害してよい。悪名を1つ受ける。

まっくらやみた”。トロルにたへ”られてしまうかもしれない。

Operation: Illicit - Gray Ops



Play only if the Runner stole an agenda during their last turn.

Choose a Runner card type. Trash all installed non-icebreaker cards of that type. The Runner may prevent any of those cards from being trashed by paying 3f:id:fobby:20180521144018p:plain each. Take 1 bad publicity.



It is pitch black. You are likely to be eaten by a Troll.

解説

  • これをプレイしたら、コーポが選んだタイプのカードを、アイスブレイカーのサブタイプを持つものを除いてすべてトラッシュします。ランナーは望むカード1枚のトラッシュを、3クレジット支払うことで妨害できます。
  • 悪名を受けるのを忘れがち。ご注意。

裁定

  • 選んで有効なタイプは「プログラム」か「リソース」か「ハードウェア」です。ただしそれらに「アイスブレイカー」のサブタイプがあるとトラッシュされません。「プログラム:アイスブレイカー-フラクター」や「プログラム:アイスブレイカー-AI-ウィルス」などはトラッシュされません。
    • IDとイベントはインストールされないので、選ぶことはできますがトラッシュされません。
  • 現在インストールされていないカードのタイプを指定することも可能です(《Ark Lockdown》の裁定より)。そうした場合、コーポは悪名を1つ受けるのみで終わります。

《ドロップ率上昇/Increased Drop Rate》

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強化:待ち伏せ



ランナーがR&Dでこのカードにアクセスしているかぎり、そのランナーはこれを公開しなければならない。
ランナーがこのカードにアクセスした時、そのランナーがタグを1つ受けないかぎり、悪名を1つ取り除く。

ウルトラ神話レアのチャンス↑!↑!↑!ヴォーパル・トミーガン[エピック]と縞模様のスーツ[コスメティック]のドロ率が10倍!今ならもらえる!

Upgrade: Ambush • Rez: 0



While the Runner is accessing this card from R&D, they must reveal it.

When the Runner accesses this card, remove 1 bad publicity unless they take 1 tag.



Ultra-Mythic chance ↑!↑!↑! Free Vorpal Tommy Gun [epic] and pinstripe suit [cosmetic] with 10x buy-in!

裁定

  • ランナーは《ドロップ率上昇》のタグを回避できません。タグを1つ受けるか、タグを受けないでコーポに悪名を取り除かせるのかを決定してください。
    • 「AしないかぎりB」、とは、「Aという内包コストを支払わないかぎり、Bを受ける」という意味を持つよう、本拡張でルールが改定されました。
    • コストとして行うものごとを妨害することはできません。

投資信託の撤退/Divested Trust》

f:id:fobby:20190605073238p:plain

計画書



ランナーが他の計画書を盗むたび、この計画書を放棄することで、「5f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、そして盗まれた計画書をHQに加える」をしてよい。

文書の通り、彼らは8か月ものあいだ完全に独立した財務実体として動いていました。警戒の緩みに言葉もないのは我々も同じです。市役所の調査を全面的に支持します。

Agenda



Whenever the Runner steals another agenda, you may forfeit this agenda to gain 5f:id:fobby:20180521144018p:plain and add the stolen agenda to HQ.

As the documents show, for eight months they have operated as an entirely independent fiscal entity. We are as appalled at the carelessness as you are, and fully support City Hall's investigation.

  • 取り返しても計画書を盗んだ事実は消えないので、《懲罰的反撃/Punitive Counterstrike》のダメージは加算されます。
  • 盗まれた計画書がランナーの得点エリアに置かれてから発動するので、それによってランナーの得点エリア内の計画ポイントの合計が7点以上になったのなら、《投資信託の撤退》が発動する前にランナーが勝利してゲームが終わります。

《SDS無人偵察機配備》

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計画書:保安



この計画書を盗むための追加コストとして、ランナーはインストール状態のプログラムを1つトラッシュしなければならない。
この計画書を得点したとき、インストール状態のプログラムを1つトラッシュする。
無人偵察機は精密機器。巻き添えになった連中も何かのターゲットだったんだろ」
──チーフ・“ピンシー”・ウィルソン

Agenda: Security



As an additional cost to steal this agenda, the Runner must trash an installed program.

When you score this agenda, trash an installed program.



"Drones are precision instruments. Collateral damage is merely an undisclosed target." -Chief "Pinchy" Wilson

解説

  • ランナーが盗んだ場合、トラッシュされるプログラムはランナーが決めます。
    • そのトラッシュは妨害できません。
  • コーポが得点した場合、トラッシュされるプログラムはコーポが決めます。
    • そのトラッシュは妨害できます。

《アフシャー/Afshar》

f:id:fobby:20190605073749p:plain

アイス:コードゲート
このアイスがHQを守っているかぎり、各エンカウント中、ランナーはこれの表記サブルーチンを1つより多くブレイクできない。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーは2f:id:fobby:20180521144018p:plainを失う。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランの終了。

解説

  • これがHQを守っているかぎり、ランナーはこれの表記サブルーチンを1つしかブレイクできません。
  • HQ以外では《エニグマ/Enigma》とほとんど同じですが、HQを守っているあいだは、アナークではもっとも人気のデコーダー《Black Orchestra》でこれを通過するのに5f:id:fobby:20180521144018p:plainかかる、「1度のエンカウントでアイスのサブルーチンをすべてブレイクした時」の条件を満たせないなど、さまざまな強みがあります。

《ライム/Rime》

f:id:fobby:20190605073811p:plain

アイス:ミシック



このサーバーへのラン中、アイスでないカードをレゾできうればいつでも、君はこのアイスをレゾできる。
このサーバーを守っている各アイスは強度+1を持つ。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーは1f:id:fobby:20180521144018p:plainを失う。

ICE: Mythic
During runs on this server, you can rez this ice any time you could rez non-ice cards.

Each piece of ice protecting this server has +1 strength.

f:id:fobby:20180504113638p:plainThe Runner loses 1f:id:fobby:20180521144018p:plain.

  • 「アイスでないカードをレゾできうればいつでも」とは、《ライム》は通常どおりのアイスをレゾ可能な消費型能力ウィンドウのほかにも、資財などをレゾできる消費型能力ウィンドウのたびにいつでもレゾできるということです。
    • 《財閥の忠誠/Zaibatsu Loyalty》や《テュールの手/Tyr's Hand》のような、特別なタイミングでレゾできるカードをレゾしたからといって、そのウィンドウ内で《ライム》をレゾできるという意味ではありません。
  • なお、アイスブレイカーなどアイスに作用できるカードを使用できる消費型能力ウィンドウでは、ルール上いっさいのカードをレゾできません。そのため、《ライム》もレゾできません。
    • 《“バクラン”・ボチキン/"Baklan" Bochkin》のような「エンカウントしているアイスをデレゾする」の能力でこれをデレゾしたランナーを、《ライム》の再レゾですぐに止める、ということはできません。