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アンドロイド:ネットランナーのカードプールを把握せずに、英語版を含むコーポのデッキとなるべく円滑に対戦するコツ

英語版ありの対戦に臨むにあたり

英語版アンドロイド:ネットランナーで使用されている言葉は「英語」ではなく「ネットランナー語」です。英語と比べ使用される単語も文法もごくごく限定されているため容易に習得できますが、慣れるまではつらいかもしれません。それでも多くの場合、カードのオーナーがその効果を説明してくれるでしょうから、恐れることはありません。

ただしアンドロイド:ネットランナーのルール上、オーナーが自分のカードの効果を説明できない場面もまた存在します。事前にプールのカードを把握できていればともかく、そうでなければ、片方のプレイヤーはひとりで相手のカードを読み解かなければなりません。「ネットランナー語」の習得前にはこの場面で苦労しますが、この記事で紹介する2点さえ守れば、問題なくプレイできるようになります。

ポイントは、「R&D でアクセスしたら公開義務のあるカード」と、「R&Dアクセスしたら公開せずに、ランナーひとりでテキストに書いてあることを解決しなければならない計画書」です。

ランによって R&D の中身は公開されない

秘匿領域である R&D のカードにアクセスしたとき、ルール上、ランナーは何のカードにアクセスしたかをコーポに伝えることがありません。 R&D のカードがトラッシュされアーカイブに表向きで加えられたときに初めて、コーポはR&Dの上から何枚目に何のカードがあったかを知ることができますが、そのカードはもはや R&D にありません。

外国語のカードありの環境に足を踏み入れようとするプレイヤーへの障壁となるのがこのルールです。カードプールを把握できておらず英語(ネットランナー語)にも慣れていないと、 R&D でアクセス中のカードのテキストは読めないし、そしてコーポに効果を尋ねることもできません。にも関わらず、それのトラッシュコストを払ってまでトラッシュするべきかどうかの判断をしなければなりません。これが本当に辛い。これがアンドロイド:ネットランナーの厳しさです。

公開しなければならないカードもある

大原則として、ルールがカードと矛盾した場合、カードを優先します。「ランナーは R&D でアクセスしたカードを公開しない」というルールと矛盾するのは、《罠! / Snare!》に代表される「R&D のこれにアクセスした場合、ランナーはこれを公開する」と書かれているカードです。この公開義務は絶対に守られなければなりません。

こうした公開義務を持つカードは多くの場合、ランナーに不利益を与えるためコーポの仕掛けたトラップです。ですからランナーがそのようなカードを R&D から公開せず、対策カードもなしにスルーしてしまうと、ゲームの成り立ちが揺らいでしまうのです。絶対に公開しましょう。

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 ↑ R&D でアクセスしたら、必ず公開しましょう

しかし、公開義務を持つカードすべてが日本語化されることはありませんでした。このためカードプールを把握できていない段階で外国語カードありのイベントに参加すると、 R&D でアクセスしたカードの効果がわからないばかりか、それを公開すべきかどうかもわからないのです。

こうしたカードの多くにはサブタイプとしてAmbush / 待ち伏せと書かれていますが、これはあてになりません。統一してくれれば分かりやすかったのですが…。

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 ↑ Ambush / 待ち伏せではないが、 R&D でアクセスしたら公開義務がある

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 ↑ 「名誉と利潤」の《四点九 / Shi.Kyū》はAmbush / 待ち伏せだが、 R&D でアクセスしても公開義務はない

Ambush / 待ち伏せ のサブタイプは、そのカードを公開するかどうかの判断基準にならないのです。ですから、公開義務の有無を見極めるにはテキストを読むしかありません。

三語おぼえれば大丈夫(英語の場合)

テキストを読まなければならないといっても、実は簡単。英語であれば、次のフレーズだけ覚えれば大丈夫です!

must reveal it.(それを公開する。)

R&D で知らないカードにアクセスしたら、冒頭の1、2行をばーっと読んで、"must reveal it." と書かれているかどうかだけチェックしてください。 もう少し長く書くと "the Runner must reveal it." あるいは "he or she must reveal it." 。

こう書かれているカードは asset / 資財に留まりません。agenda / 計画書、 upgrade / 強化、ice / アイスに至るまで、アクセスの際に公開義務が設定されている可能性があります。

"must reveal it."と書かれているカードにアクセスしたら、即座にコーポにそれを伝え、書いてあることの処理を丸投げしましょう。やはりカードの効果はオーナーが宣言するのがスジです。そしてそのカードにアクセスしたランナーであるあなたは、いさぎよくネットダメージでもタグでも何でも受けましょう。

例外

最後に、"must reveal it." すら書かれていないのに実質的に公開を強要する例外として、《未来完了 / The Future Perfect》があります。盗む前にコーポにそれを公開して能力を解決する必要がありますが、このカードの場合は義務を無視して盗みそうになっても普通は得点エリアに加える前にコーポが止めてくれますし、そのことが実質的な公開となるので心配はないでしょう。
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 ↑ ランナーがアクセスしたとき、両プレイヤーは0か1か2クレジットをせーので払い、その額が同一であれば盗みが成功します

最近増えた、もうひとつの難関

公開義務に関してはこれで大丈夫です。ですが、もうひとつ問題があります。「計画書を盗むための追加コスト」の処理です。

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 ↑《ニューアンゼルス警察との契約 / NAPD Contract》は追加コストに関する記述が下にあって厄介(現在はローテ落ち)

盗むための追加コストが必要な計画書に R&D でアクセスしたランナーは、先程までとは打って変わって、そのことをコーポに公開しません。追加コストの支払いは、たとえそれを支払うことができる場合でも拒否できますが、望むなら書かれている追加コストを支払ってその計画書を盗みます。支払いを拒否するのであればアクセスを終了し(拒否したこともコーポに伝えません)、マルチアクセスの途中であるなら次のカードを見せるようにコーポに促します。

相手に処理を丸投げすることができない

"As an additional cost to steal this agenda"と書かれていたら、それは追加コストのある計画書なのですが、このキーフレーズだけ覚えても、先の "must reval it" と違い相手に丸投げすることができません。以降に書かれている追加コストを支払うかどうか、ランナーは相手に伝えることなく判断しなければなりません。

カードの使用者がその効果を宣言せず、それどころか自分のカードが効力を発揮していることを自覚すらできず、被使用者が勝手にテキストを読み取って処理を宣言するという、このゲームならではの場面です。どのような追加コストを支払うかは計画書によって異なるため、R&Dの「盗むための追加コスト」の課せられた計画書を処理するケースにおいては、ランナーは相手の使用言語のカードテキストをひとりで、無理にでも読まなければならないという厳しい場面が出来します。

それを見落とし、追加コストを払わずに盗もうとしたならコーポが止めてくれるでしょうが、それは計画書を公開してしまったことになります。

幸いなことに…

現環境で使用できる「盗むための追加コスト」が必要な計画書は数が少なく、そして全て日本語化されています。このため、日本語版を買い揃えているのなら、相手が外国語のカードを使用していた場合に備え、前もって予習できます。もしコレクションが揃っていないか、記憶があいまいな場合は、今ここで覚えてしまいましょう。

なお、カジュアルな場であればカードを公開し、「この計画書はそのまま盗んで大丈夫ですか?」とコーポに尋ねてしまえばいいとも思います。でも考えてみてください。これはオーナーの領域を超えてカードが行ったり来たりするゲームなので感覚が麻痺しているかもしれませんが、あなたが対戦相手の山札のカードを勝手に取って相手に見せるようなことをすれば、それは多くのカードゲームにおいて非紳士的な行為と認定され、軽くない罰則を受けることになるでしょう。

アンドロイド:ネットランナーのルールが認めているのは、アクセスとしてランナーだけが R&D のカードを見ることです。それを共有することではありません。さらに言えば、カードの効果によらずに秘匿領域を公開することは、ブラフゲーとしてのアンドロイド:ネットランナーの哲学を損なうとルールに記されています。ですからたとえ自分の手札であっても意図的に相手に見せることは禁止です(自分の手札を公開することで相手に投了をせまることが認められているカードゲームもありますが)。

話を戻して、追加コストだけは、自前で処理できるようになっておくと安心です。以下が、 R&D でアクセスした時に、盗むための追加コストを払うかどうかをコーポに内緒で決めなければいけない計画書です。

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 ↑《Obokata Protocol》4ネットダメージを受ける。

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 ↑《Ikawah Project》f:id:fobby:20180521144012p:plain, 2f:id:fobby:20180521144018p:plainを消費する。

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 ↑《Degree Mill》ランナーはインストール状態の自分のカード 2 枚を選んでスタックに加えてシャッフルする。

3種類しかないので余裕ですね。というか英語とか言っても全然むずかしくもないし、大げさに煽る話じゃなかった…。また、これらはコストなので、次のことも頭に入れておいてください。「ランナーがネットダメージを1点でも妨害したのなら、コストが適正に払われなかったとして盗みに失敗する」「盗まないのであれば何も払わない。1f:id:fobby:20180521144018p:plainだけ支払うようなことはない」「インストール状態のランナーのカードが2枚以上ないのであれば、コストが払いきれないので何もできず、盗めない」

例外

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キタラ・サイクルの《停止スイッチ / Kill Switch》がプレイ状態であれば、先程の計画書にアクセスしたとき、それを盗む盗まないに関わらず公開義務が生じます。これはエラッタによる処置です。

まとめ

  • R&D のカードにアクセスしたら、テキストが読めなくても、 "must reveal it." の句が最初の一文にないかだけチェックしてださい。もしあれば、そのようなカードにアクセスしたとコーポに伝えて、以降の効果解決の指示に従ってください。
  • 盗むための追加コストのある計画書にアクセスしても、盗む義務はなく、また盗まなかった場合にそのような計画書にアクセスしたと伝える義務もありません。そのためコスト支払い判断はコーポの説明なくランナーひとりで行う必要があり、これによりテキストが読めないかコストの内容を覚えていない場合に適正に処理できない可能性があります。