米テレビドラマ『ビリオンズ』S03E05にて『アンドロイド:ネットランナー』のプレイ場面が描写される
ウィキペディアより
ビリオンズ(原題:Billions)はアメリカのテレビドラマシリーズ。第1シーズンは2016年1月17日から、第2シーズンは2017年2月19日からショウタイムで放送。日本ではネットフリックスで配信される。
ストーリーはニューヨークのヘッジファンドに対する司法捜査と訴訟合戦であり、検察官プリート・バラーラとファンド代表者スティーブ・コーヘンの合戦を大まかに基にしている。
動画(Vimeo)
セリフ拙訳
ネットランナーの大会はここ?
はい。
テイラー・メイソンの名前で予約済み。
確認します。入れます。
4クレジットを支払って《アドニスキャンペーン》をレゾして、12クレジットを置き、3金を受け取る。
なるほど。
僕がモデルなんだ。このアドニスは。
ネットランナーのジェリー・ウェストね。
強制ドロー。インストール。アドバンス2回。
強気ね。1クリック目、ドロー。2クリック目、《造物主の眼》。
おや。
ごめんなさい。
なぜ?
運。
運には限りがあると思うが。
結構。ではR&Dにラン。2クレジットを支払って、《ウォール・オブ・スタティック》を《ペーパークリップ》でブレイク。3+3+1クレジットを支払って、《ゴルディアン・ブレード》で《トールブース》をブレイク。
アクセスするか?
手の内を明かす?ええ、もちろん。
動画内容の解説
両プレイヤーの宣言が非常に丁寧
まずこれ。カード名の宣言、クレジットの支払い先の宣言、クレジット受け取り理由の宣言、強制ドローの宣言、クリックを何に対し消費するかの宣言、ラン中にどのアイスにどのアイスブレイカーを使用したかの宣言など…。
きちんと発声していて、感銘すら受けました。こういう風にプレイするべきゲームだったんだなと感心して、個人的にも参考にしています。
IAAやアクセス直前という、盛り上がる場面を描いている
コーポの攻勢を意に介さないランナーに対し、コーポのプレイヤーが不満げです。これは当然です。
《アドニスキャンペーン/Adonis Campaign》は放置しておくとコーポにクレジットを供給するため、早いうちにトラッシュしたいカードです。さらにこのターン、コーポはIAAを行っています。IAA、すなわち同一ターン内にカードをインストールしてそれを2回アドバンスする行為は、コーポからの挑戦です。
このシーンでランナーがやるべきことは、どちらかの遠隔サーバーにランをすることです。アドバンスされたカードにアクセスするか、もしくはレゾされた《アドニスキャンペーン/Adonis Campaign》にランをしてトラッシュするか。
ですがランナーはここで《造物主の眼/The Maker's Eye》を使いR&Dへのランを試みます。コーポにしてみれば、なぜここでR&Dなのかと口頭で問いたくもなるでしょう。両者の思惑のすれ違いが描かれています。
ランの成功直前、コーポは意味ありげに、ジャックアウトしてもいいんだぜという調子でアクセスを行うかどうか確認します。コーポのIDは《Custom Biotics》なのでデッキにジンテキのカードは入っておらず、となればR&D内のアンインストール状態でアドバンスもされていないカードにそこまで警戒する必要はないように思えるが…というところで終わり。続きが気になります。
Call Kotaku
ネットランナーをほんの数分の小道具として用いたにしてはあまりにもよくできているのでびっくりしたのですが、Kotakuの記事によるとドラマの制作陣はちゃんとトッププレイヤーを呼んで監修してもらったとのことです。だからコーポのドローフェイズのことを「強制ドロー/mandatory draw」と呼ぶような、プレイヤー間から生まれた用語も使用されたんですね*1
www.kotaku.com.au
細部にこだわるのはすごいと思いますが、ネットランナーを知っている人ならすごく面白いかわりに、そうじゃない人には凝りすぎてて何がなんだかよくわからないシーンになったような…
*1:いちおう、強制ドロー/mandatory drawは日本語化されているカードテキストにも正式に採用された用語ではありますが
『アンドロイド:ネットランナー』拡張: ナルバーレの囁き / Whispers in Nalubaale - 非公式FAQ / UFAQ - 拙訳 - 日本語版の誤訳を勝手にエラッタ
追記:日本語版を勝手にエラッタ
日本語版を手に入れました。訳に違和感のあったものを勝手に訂正します。
《ゲブレセラシェ》
日本語版
:ゲブレセラシェはインストール状態の AI でないアイスブレイカー 1 つに搭載する。
搭載されたアイスブレイカーの強度は、各エンカウントの終了時ではなく、各ターンの終了時にそれの基本強度に戻る。
拙訳
:ゲブレセラシェをインストール状態の AI でないアイスブレイカー 1 つに搭載する。
ホストのアイスブレイカーの強度は、各エンカウントの終了の際ではなく、各ターンの終了に際しそれの基本強度に戻る。
理由
まず「A は B に搭載する。」というのは能力でなく、《個人的接触》のような A をインストールするための条件のように読めます。ここは「A を B に搭載する。」とするべきです。細かいことですが。
キーワードとして「搭載されている / hosted」という語が存在します。カードにそう書かれていた場合はそのカードに搭載されている(そのカードの上に置いてある)物件/objectを参照します。このキーワードと酷似する「搭載されたアイスブレイカー」という記述は、まるで《ゲブレセラシェ》にアイスブレイカーが搭載されているかのような誤解を招きます。
そもそも原文は "host icebreaker" であり、これを「搭載されたアイスブレイカー」と訳すのも不自然。これは単純に、「ホストのアイスブレイカー」とすべきでしょう。
また、「時 / when」という言葉は原文になく、これもキーワードなので、使うべきではありません。後述。
おまけ。《ゲブレセラシェ》は改良/modとしては例外的なカードなので、ざっと使用方法を説明しますと、
- 《ゲブレセラシェ》は、インストール時に他のカードと一切の搭載関係を持つことがない。一般的なカード同様にインストールする。
- その後、ランナーは《ゲブレセラシェ》が持つ能力を使うことで、《ゲブレセラシェ》を、インストールされているアイスブレイカーの上に搭載することができる(任意のアイスブレイカーの上に《ゲブレセラシェ》を載せる)。
- そうすることではじめて、《ゲブレセラシェ》のホストであるアイスブレイカー(《ゲブレセラシェ》の下に置かれているアイスブレイカー)は、効果を得る。
- なお、《ゲブレセラシェ》の能力は、何らかのアイスブレイカーに搭載されているあいだもアクティブであるため、を消費することで、ランナーはこれを他の任意のアイスブレイカーの上に移動させることが可能。
《ジャックポット!》
日本語版
ジャックポット !を1 つトラッシュする。
拙訳
ジャックポット!をトラッシュする。
理由
日本語では、例えば「カード」と書かれているだけではそれが1つか複数かわかりません。翻訳状の配慮として原文にない「1つ」がつけられたと思われますが、これはルールの上では不適切です。
そもそもリファレンスガイドにある「自己参照語」のルールにより、カードテキストにそのカードの名前が登場した場合はそもそもそのカード1つのことしか指さないことから、「1つ」と限定する必要はありません。
しかも、リファレンスガイドには、テキストがそのカード名を参照する際に「追加の修飾 / additional modifier」が行われているなら、そのカード名は同名の他のカードを指しうるとされています。カード名を「1つ」と修飾はしてはいけないのです。
この修飾があるからといって、条件が満たされたとき、今回そこからクレジットを受け取ったわけではない他の《ジャックポット!》を1つトラッシュするようなことはできません。
《ラーンブ》
日本語版
エンカウントの終了時まで
拙訳
エンカウントの終了まで
理由
「時」に相当する "when" は原文にありません。時 / when は条件節能力の発動条件を示す語であるため、むやみに用いられるべきでないものです。
はじめに
キタラ・サイクル第5の拡張の裁定が出ました。《フリーダム・クマーロ / Freedom Khumalo》《ジャックポット! / Jackpot!》《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》のように露骨に裁定待ちのカードもあったり、《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》のようにFFGの宣伝ページでうたわれていたことと効果が違うカードもあり、裁定を待ちわびていました。このゲームは裁定を読まないと遊べないと改めて思わされました。
今回の裁定から特に重要なところだけ先に要約してしまうと
《フリーダム・クマーロ / Freedom Khumalo》
- 計画書はトラッシュできない。
- レゾコストが負の値になっているコーポのカードも、0個のウィルスカウンターを取り除くことでトラッシュできる
- 場にウィルスカウンターあるいはそもそもインストール状態のランナーのカードが存在しなくとも、ランナーは0個のウィルスカウンターを取り除くことができる。
《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》
《ジャックポット! / Jackpot!》
- 計画書に変換された、もともと計画書でないカードを得点エリアに加えることでも発動できる。
《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》
- この強化自体を含め、強化にアクセスしてもコーポは2得る(なので、通常のランならコーポは10得る)。
《遠隔執行 / Remote Enforcement》
- アイスをレゾするための追加コストを無視しない。そして "you may do A and do B" の効果なので、追加コストを拒否することでレゾしないことを選択したとしても、残りの効果をすべて解決できる。
《コンパイル / Compile》
- 「山札を探した場合、それをシャッフルする。」 を今後は省略していくかもしれない(山札をサーチしたら、記述がなくても残りの効果解決前にただちにシャッフルする)。
こんな感じでしょうか。
元記事
ナルバーレの囁き:ルーリング
《フリーダム・クマーロ:クリプト・アナーキスト / Freedom Khumalo: Crypto-Anarchist》
ID:サイボーグ • リンク:0 • 山札下限:45 • 影響上限:15 • アナーク
1ターンに1度、君の任意の数のインストール状態のカードの上からX個のウィルスカウンターを取り除くことで、アクセスしているカードをコストなしでトラッシュしてよい(通常トラッシュできないものでも)。Xはそのカードのレゾコストかプレイコストである。
《フリーダム・クマーロ / Freedom Khumalo》はアクセス中の計画書をトラッシュできますか?
いいえ。計画書はレゾコストもしくはプレイコストを持ちません。
ウィルスカウンターがまったくない、あるいはインストール状態のカードがまったくない場合、ランナーはレゾコストもしくはプレイコストが0のカードを、《フリーダム・クマーロ / Freedom Khumalo》でトラッシュすることはできますか?
はい。
Twitter裁定からの追記:ランナーが《ブレイカーベイ・グリッド / Breaker Bay Grid》によってレゾコストが負の値になっているカードにアクセスしている場合、《フリーダム・クマーロ / Freedom Khumalo》はそれをトラッシュできますか?
はい。コストが負の値であるカードを《フリーダム・クマーロ / Freedom Khumalo》でトラッシュする場合、ランナーはウィルスカウンターを0個取り除きます。《フリーダム・クマーロ / Freedom Khumalo》は「Xすることで、Yしてよい/do X to do Y」との書き方から、実際にはコストを支払うことで発動する能力です。
Freedom is indeed a cost - check out nested costs on page 10 of the Rules Reference. Anything in the form “do X *to* Y” (to being the operative word) means that X is a cost to get effect Y.
— Project ANCUR (@ANR_RulesWiki) 2018年5月10日
《雑菌混入 / Contaminate》
イベント • コスト:1 • アナーク:1
ウィルスカウンターを搭載していないインストール状態のランナーのカード1枚の上に、ウィルスカウンターを3つ置く。
ランナーのインストール状態のカードがウィルスのプログラムしかなく、さらに《Hivemind》の上にウィルスカウンターが載っている場合に、ランナーは《雑菌混入 / Contaminate》をプレイできますか?
いいえ。
《スリップストリーム / Slipstream》
リソース:仮想・コスト:0 • クリミナル:2
レゾ状態のアイスを通過するたび、スリップストリームをトラッシュしてよい。そうした場合、通過したアイスと同じ位置にある、中央サーバーを守っているアイスを1つ選ぶ。君はそのアイスへのアプローチになる。
エンカウント中にアイスがアンインストールされた場合、《スリップストリーム / Slipstream》は機能しますか?
いいえ。エンカウント中のアイスがデレゾかアンインストールされると、そのアイスはただちに通過されますが、それはもはやレゾ状態のアイスではないので、《スリップストリーム / Slipstream》の発動条件は満たされません。
《スリップストリーム / Slipstream》はアイスの位置をどのように決めますか?
アイスの位置は常に最内殻から最外殻に向けてカウントされます。
では、3つのアイスがある遠隔サーバーの最外殻をランナーが通過した場合、そのランナーは単独でHQを守っているアイスへアプローチできないのですか?
その通りです。その場合、最低3つのアイスが中央サーバーを守っていないと、ランナーは《スリップストリーム / Slipstream》を使用できません。
*Twitter裁定を追記:《インバーシフィケイター / Inversificator》と《スリップストリーム / Slipstream》でアイスを通過したら、そのアイスを最内殻に移動させ、《スリップストリーム / Slipstream》で他のサーバーの 1 枚目の位置に行けますか?
いえ。《スリップストリーム / Slipstream》は通過されたアイスを具体的に参照します。そのためランナーの現在位置にあるアイスが《スリップストリーム / Slipstream》の解決前に代わったら、参照されるのはその新しいアイスです。
訳注:難解ですが、《インバーシフィケイター / Inversificator》で中央サーバーの最外殻のアイスを最内殻のものと交換したあと、《スリップストリーム / Slipstream》でその最内殻のアイスにアプローチになることはできないということを理屈抜きで覚えてしまえばよさそうです。
Nope. Slipstream specifically references the passed piece of ice, so if the ice in the runner’s current position changes before Slipstream resolves, then the new ice is the one it refers to.
— Project ANCUR (@ANR_RulesWiki) 2018年5月31日
《ラーンブ / Laamb》
プログラム:アイスブレイカー-フラクター • コスト:4 • 強度:2 • MU:2 • シェイパー:2
アイスとエンカウントした時、2を払うことで、エンカウント終了までそれにバリアを得させてよい。この能力は1ターンに1度だけ使える。
2:バリアのサブルーチンを任意の数だけブレイクする。
3:強度+6。
《ラーンブ / Laamb》がエンカウント中のアイスにバリアを与えるためには、《ラーンブ / Laamb》の強度がそのアイスと一致していなければいけませんか?
いいえ。ちょうど《ファム・ファタル/Femme Fatale》のアイス迂回と同様、《ラーンブ / Laamb》の「エンカウント時」の能力はアイスの強度にかかわらず使用可能です。
《ラーンブ / Laamb》でアイスにバリアを付与したあと、ランナーは《ペーパークリップ/Paperclip》をヒープからインストールできますか?
いいえ。そのアイスは、《ペーパークリップ / Paperclip》の能力の発動条件が満たされかける時点でバリアではありません。
《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》
ハードウェア:改良 • コスト:1 • シェイパー:4
: インストール済みのAIでないアイスブレイカーの上に《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》を搭載する。
ホストのアイスブレイカーは各エンカウントでなく、各ターンの終了に際しその基本強度に戻る。
《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》は、正しくはホストのアイスブレイカーにどのように作用しますか?
《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》はエンカウント終了と共にアイスブレイカーが基本強度へとリセットされるという出来事を、ターン終了と共にリセットされることへと置換します。これは、基本ルールの適用される持続時間が指定されていない強度上昇や、エンカウント終了までと明示されている強度上昇(《Takobi》のような)を含みます。
常時的な強度修整の能力(《ナノテク/Na'Not'K》のような)や、通常とは異なる持続時間を指定するホストのアイスブレイカーの強度修整能力に対しては、《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》はいかなる効果も持ちません。
では《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》と《Dean Lister》のようなカードはどのように作用しますか?
《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》は《Dean Lister》との相互作用を持ちません。ランナーが《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》を搭載しているアイスブレイカーを《Dean Lister》の効果対象に選択した場合、《Dean Lister》の効果はランの終了まで維持され(必要に応じて再計算はされます)、そして他のあらゆる通常の強度上昇は《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》の効果が適用されます。
例:《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》は《ペーパークリップ/Paperclip》に搭載され、ランナーはグリップに5枚の状態でDean Listerを《ペーパークリップ/Paperclip》に使用した。ランナーは2を《ハドリアンズ・ウォール/Hadrian's Wall》突破のために支払わなければならない。《ハドリアンズ・ウォール/Hadrian's Wall》とのエンカウント終了後、《ペーパークリップ/Paperclip》は強度8を残す。この内訳は、基本強度の1+《Dean Lister》の強度5(ランの終了まで)+自身の能力による強度2(エンカウント終了までではなく、代わりにターン終了までと修整ずみ)、である。ランの終了後、《ペーパークリップ/Paperclip》は強度3に戻る。この内訳は、基本強度の1+自身の能力による強度2、であり、《Dean Lister》の5は効果時間が切れて無効となる。
《コンパイル / Compile》
イベント:ラン • コスト:2 • シェイパー:3
ランを行う。このラン中に最初にアイスにエンカウントした時、スタックかヒープからプログラムを1つ探し、全てのコストを無視してインストールしてよい。このランの終了時、そのプログラムがまだインストールされている場合、それをスタックの一番下に加える。
《コンパイル / Compile》によってカードをサーチした(探した)あと、ランナーはスタックをシャッフルしなければいけませんか?
山札のカードを探すルールによれば、サーチが実行されたのち、残りの効果が開始される直前に、その山札はシャッフルされなければいけません。
《論理爆弾 / Logic Bomb》
リソース:仮想 • コスト:0 • Adam: 5
:現在エンカウント中のアイスを迂回する。残りのクリックを全て失う。
ランナーは残りのを所有していない場合に《Logic Bomb》を使用できますか?
はい。残りのを失うことは効果の一部であり、コストの一部ではありません。
《ジャックポット! / Jackpot!》
リソース • コスト:0 • 中立:0
君のターン開始時、ジャックポット!の上に1を置いてよい。
計画書が君の得点エリアに加えられるたび、任意の数のクレジットをジャックポット!から受け取ってよい。そうした場合、ジャックポット!をトラッシュする。
《評判 / Notoriety》や《Director Haas》ハース取締役のような、盗むことを介さずにランナーの得点エリアに加えられるようなカードによって、《ジャックポット! / Jackpot!》は発動しますか?
はい。
《ジャックポット! / Jackpot!》は《情報交換 / Exchange of Information》で発動しますか?
いいえ。
《遠隔執行 / Remote Enforcement》
計画書:保安・アドバンス要求:4・計画ポイント:2・HB
遠隔執行を得点した時、「R&Dからアイスを1つ探し、それを遠隔サーバー1つを守るようにインストールし(インストールコストは払う)、そしてそのレゾコストを無視してそれをレゾしたら、R&Dをシャッフルする」をしてよい。
《遠隔執行 / Remote Enforcement》は、計画書の放棄なしで《アーチャー/Archer》をレゾできますか。
いいえ。《遠隔執行 / Remote Enforcement》で《アーチャー/Archer》をインストールして計画書を放棄しなかった場合、それは非レゾ状態を維持します。
《ファトゥマ管理人 / Warden Fatuma》
資財:人物 • コスト:1 • トラッシュ:5 • HB: 2
レゾ状態のバイオロイドの各アイスは、他の全てのサブルーチンの前に「可能なら、ランナーはを失う。」を得る。
《ファトゥマ管理人 / Warden Fatuma》がレゾされているあいだ、《ロキ/Loki》が他のバイオロイドからサブルーチンをコピーした場合、《ロキ/Loki》は「可能なら、ランナーはを失う。」のサブルーチンをいくつ持ちますか?
《ロキ/Loki》は2つのサブルーチンを持ちます。1つは《ファトゥマ管理人 / Warden Fatuma》からのもの、もう1つは他のバイオロイドのアイスからコピーされたものです。
《ウィルスの兵器化 / Viral Weaponization》
計画書:調査-保安 • アドバンス要求:4 • 計画ポイント:2 • ジンテキ
《ウィルスの兵器化 / Viral Weponization》を得点したターンの終了時、グリップのカード1枚につき1ネットダメージを与える。
コーポが《Genetics Pavilion》をレゾしている場合にそのコーポが《ウィルスの兵器化 / Viral Weaponization》を得点したら、《まだましな事態/I've Had Worse》のトラッシュによってランナーが引くカードは2枚ですか、3枚ですか?
ランナーは3枚すべてのカードを引きます。《ウィルスの兵器化 / Viral Weaponization》はコーポのディスカードフェイズ、ステップ3.4に発動し、それはまだコーポのターンの一部です。
《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》
強化:領域 • コスト:0 • トラッシュ:5 • ジンテキ:1
HQかR&Dのルートにのみインストールする。
ランナーがこのサーバーのカード群にアクセスするたび、そのランナーは追加で3枚のカードにアクセスする。
アクセス後、アクセスされたカード1枚につき2を得る。
これは、ランナーがこのラン中に《Mwanza City Grid》をトラッシュしても適用される。
領域は各サーバーに1つまで。
ランナーがアクセスしたカードのいずれかをトラッシュした場合、コーポは依然としてトラッシュされたカード1枚につき2を得られますか?
はい。トラッシュされたカードは、もはやそのサーバーに無いにも関わらず、依然としてアクセスされたものです。
《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》へのアクセスを、それの能力で追加でアクセスするカードの1枚とカウントできますか?
いいえ。強化は中央サーバーのルートにインストールされており、中央サーバーの中にはありません。
中央サーバーのカードとしてアクセスされたカード同様、R&DかHQのルートにインストールされた各強化からコーポは2を得られますか?
はい。《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》の第1の能力がそのサーバーそのものへの追加アクセスを供給するあいだ、第2の能力はそのアクセスフェイズ中にアクセスされたカードすべて、すなわち《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》そのものや、そのサーバーのルート内の他の強化をカウントします。
《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》の能力は《NASX》の発動条件を何度満たしますか?
一度です。《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》はアクセスをカウントし、そして適切な額のクレジットすべてを一度に、アクセスフェイズの完結後にコーポに供給します。
例えば《Metamorph》などで、《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》がアーカイブのルートにインストールされることになった場合は何が起こりますか?
ランナーはもともとアーカイブのカードすべてにアクセスしますから、追加のカードにアクセスする能力は何も付与しません。しかし、ランナーがアクセスしたアーカイブとそのルートにあるカード1枚につき、コーポは2を得ます。
では《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》が遠隔サーバーにインストールされることになった場合はどうなりますか?
アーカイブ同様、ランナーはもともと遠隔サーバーにインストールされているカードすべてにアクセスします。
追加アクセスは起こりませんが、そのサーバーのアクセスされたカード1枚につきコーポは2を得ます。
なるほど、でもコーポが《Gagarin Deep Space: Expanding the Horizon》でプレイしていたら?
《Gagarin》は《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》の機能を変えることはありません。ランナーは1を遠隔サーバー内のアクセスしたいカード1枚につき払う必要があります。アクセスの終了後、ランナーが支払いによってアクセスしたカード1枚につきコーポは2を得ます。
《通常の手順 / Standard Procedure》
任務 • コスト:0 • NBN: 2
ランナーが直前のターンにランを成功させた場合のみプレイする。
カードタイプを指定して、グリップを公開する。指定したカードタイプを持つグリップのカード1つにつき2を得る。
《通常の手順 / Standard Procedure》のために、コーポはゲーム内に存在しないカードタイプを指定できますか?
いいえ、ですがコーポのカードタイプを指定することはできます。
《マズビンゴ / Masvingo》
アイス:バリア • コスト:3 • 強度:3 • ウェイランド:2
マズビンゴはアドバンス可能。
マズビンゴのレゾ時、その上にアドバンストークンを1つ置く。
マズビンゴはその上のアドバンストークン1つにつき「ランの終了。」を1つ得る。
《Hernando Cortez》が課す、《マズビンゴ / Masvingo》をレゾするための追加コストはどうなりますか?
《マズビンゴ / Masvingo》の上にどれだけアドバンストークンが載っているかに関係なく、《Hernando Cortez》はいかなる追加コストも課すことはありません。《マズビンゴ / Masvingo》の能力は、レゾされるまではアクティブではありません。
終わりに
いくつか補足(文責:筆者):
《フリーダム・クマーロ:クリプト・アナーキスト / Freedom Khumalo: Crypto-Anarchist》
- コストが負の値である場合、プレイヤーが実際に支払うコストは一律で0になるというルールがあります。そのため、コストがマイナスになっているカードにアクセスしそれを《フリーダム・クマーロ/Freedom Khumalo》でトラッシュする場合、ランナーはコストとして0個のウィルスカウンターを取り除けばよい、ということになります。
- ただし、そのカードのコストは依然として負の値であるため、《RNGキー/RNG Key》で数字あてをする際は、0でなく、正しい数字を宣言する必要があります。
- コストがXであるカードはプレイされる時のみ変化し、そうでない時はコスト0のカードとして扱います。ですから、コストがXであるアクセス中のカードを、《フリーダム・クマーロ/Freedom Khumalo》は0個のウィルスカウンターを取り除くことでトラッシュできます。
《雑菌混入 / Contaminate》
- 《Hivemind》とその上のウィルスカウンターが存在する場合、他のウィルスのプログラムは「《Hivemind》の上のウィルスカウンターをそのプログラムが搭載しているものと見なす」の効果から逃れられないということでしょう。
《スリップストリーム / Slipstream》
- 《カクゴ / Kakugo》について、微妙に正確ではないものと思われます。
- 《カクゴ / Kakugo》を通過したはしたが、そのネットダメージ能力の発動のタイミング到達より先に、ランのタイミング構成が「アイスへのアプローチ」の時点へと到達していることにより、《カクゴ / Kakugo》は発動できないと考えるべきでしょう。
《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》
《論理爆弾 / Logic Bomb》
- エンカウント時能力を解決したあと、アイスブレイカーを使用可能になるタイミングで使用可能です。なので、例えば《トールブース/Tollbooth》に3払う効果を無視できません。
《コンパイル / Compile》
- ヒープからカードをインストールしたのならば、スタックをシャッフルしません。
《ジャックポット! / Jackpot!》
- リファレンスガイドによれば「盗むとは、ランナーがアクセスした計画書を自分の得点エリアに加える行為です。」とあるので、計画書を盗むことでも発動できます。
《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》
- 2番めの質問の意図が分かりにくいのですが、「追加でアクセスする3枚のカード」のうちこの強化を「追加でアクセス」とカウントして逃げることはできないという意味であると思われます。
《通常の手順 / Standard Procedure》
- なぜこのような質問が出たかというと
- 《Panchatantra》というプログラムが「セントリーでもコードゲートでもバリアでもないサブタイプをアイスに1つ付与する」という効果を持ち、それが「これまでこのゲームに登場していないサブタイプでも付与可能」というルールであったことから(エルフでもマーフォークでも)、《通常の手順 / Standard Procedure》にもそのような効果が期待されたというのがひとつ。
- コーポは余分なクレジットを得ると損をする場合があるので、クレジットを得ずにグリップだけ確認したいという場合に使用したいという需要があるのがもうひとつ。
とにかく《ゲブレセラシェ / Gebrselassie》が長かった…。
次のパックでキタラ・サイクルも一段落です。日本語版は先行発売なので、最後のパックの裁定が出るのは後回しになると思われますが、現在判明している限り最後のパックのカードは分かりやすいものばかりなので、まあだいじょうぶだと思われます。
質問箱
Fobbyの質問箱です | Peing -質問箱-
アンドロイド:ネットランナーのルールについてご相談なさりたいことがあればお気軽にお願いします。また、このブログのエラーなどお気づきの際はお教えいただけるとたいへん助かります。
読み方
- このブログは、Fantasy Flight Games社および株式会社アークライトと一切関係がありません。筆者(Fobby @RemoveNDiscard)がすべての文責を負います。
- カード画像はすべて、以下の考えのもと引用したものです。
- 『アンドロイド:ネットランナー』のプレイには、FAQおよび非公式FAQと呼ばれるサポートが欠かせませんが、いずれのサポートも日本語で行われる様子がありません。このため、英語環境でプレイしている人間による草の根の周知活動が必要です。
- ですが悪いことに、カードの和名が非購入者に公開されていないという問題があります。これが次のような障壁を生みます。
- 例:筆者は《Scavenge》のルール説明を行うが、日本語環境プレイヤーには《Scavenge》と言われても何のことかわからない。《Scavenge》の日本語名は公式に公開されていないので、筆者としてもこのカードを何と呼べば日本語環境プレイヤーに通じるのかわからない。
- こういった齟齬を埋める唯一の解決策は、カードを引用画像で紹介することです。これによって言語に依存せずカードを特定して解説可能です。
- 日本語環境プレイヤーが「購入したゲームを正しいルールで遊ぶ」というあるべき権利を行使できるようにとの、いわば公益を目的としているため、カード画像の引用は適正と考えます。
- このエントリ中の引用タグ内の日本語カードテキストはすべて拙訳であり、株式会社アークライトとは一切関係がありません。ただし、書式のみ、その製品を参考にしています。
- このエントリ中の《》内は、公式カード名です。公式に和名のあるものは《確実なギャンブル/Sure Gamble》と併記します。
- 和名がわからないものは、拙訳したものをカッコ外に書きます。
- 例:《Sure Gamble》勝ち確のバクチ
- 和名がわからないものは、拙訳したものをカッコ外に書きます。
アンドロイド:ネットランナー『創造と支配/Creation and Control』特集-後編-エラッタ-カードごとのルール説明と補足
ネットランナー大拡張『創造と支配/Creation and Control』特集、後編です。前編はこちら。
removeanddiscard.hatenablog.com
お願い
もし日本語版『創造と支配』を購入されたかたで、このエントリで紹介したカードの日本語名をTwitter(@RemoveNDiscard)もしくは質問箱などで教えてくださる方がいらっしゃったら、ぜひお願いします…。
裁定(各カードのルール説明)
《Awakening Center》覚醒センター:ルーリング
強化
《Awakening Center》はバイオロイドのアイスのホストとなることができる(各アイスは裏向きに、すべてのインストールコストを無視してインストールされる)。
ランナーがこのサーバーを守っているアイスすべてを通過するたび、《Awakening Center》の上のアイス1つを、レゾコストを7下げてレゾすることで、ランナーをそれにエンカウントさせてよい。ランの完結後、そのアイスをトラッシュする。
FFG公式FAQ
- 《Awakening Center》の上に搭載されているアイスは、他のカードの効果によりレゾ可能です。しかし《Awakening Center》によってレゾされていない限り、アイスはエンカウントされることがありません。
- 1度のランにつきエンカウントされる《Awakening Center》の上のアイスは1つのみです。
- 《Awakening Center》の上のアイスはすべてサーバーの中にあり、サーバーを守っているアイスとはカウントされません。
補足(文責:筆者)
そのサーバーを守っているアイスがない時も、これの能力は発動可。
- 他のカードのホストとなれるコーポのカードは珍しく、またこのカードの能力も独特なので、補足します。
- コーポはレゾ状態の《Awakening Center》の上にバイオロイドのアイスをインストールできます。
- インストールを行うには、を消費してのインストールアクション、もしくは何らかの効果を介します。これはサーバーを守っているアイスではないので、何枚インストールしてもインストールコストは要求されません。
- コーポはレゾ状態の《Awakening Center》の上にバイオロイドのアイスをインストールできます。
- 「ランナーがこのサーバーを守っているアイスをすべて通過した時」の発動条件は、そのサーバーを守っているアイスがない場合にも満たされます。
- 詳しくはリファレンスガイドのランのタイミング構成をご覧ください。
- 「ランナーがこのサーバーのアイスをすべて通過した時」、すなわちランのタイミング構成[4]に到達したとき、コーポは、これの上に予め搭載しておいたアイス1つを「コストを7下げてレゾすることで」ランナーに強制エンカウントさせます。
- 「Xすることで、Yしてよい/You may do X to Y」の書式が使われています。このタイミングでレゾすることはエンカウントさせるためのコスト扱いなので、公式FAQにあるように、このタイミングに到達する前にすでにそのアイスがレゾされていたのであれば(《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》の効果などで)、このカードによるエンカウントもトラッシュも発生しません。これは、このさきずっとです。
- そのアイスはその先もなにもしません。コーポの手でアイスをトラッシュしたければ、その《Awakening Center》のあるサーバー内かルートに何かインストールすることでインストールアクションを起こし、そのアクションで《Awakening Center》の上のアイスをトラッシュするしかありません。
- ただしそのサーバーを守っているアイスをインストールすることでは、《Awakening Center》の上のアイスをトラッシュすることができません。
- そのアイスはその先もなにもしません。コーポの手でアイスをトラッシュしたければ、その《Awakening Center》のあるサーバー内かルートに何かインストールすることでインストールアクションを起こし、そのアクションで《Awakening Center》の上のアイスをトラッシュするしかありません。
- 「Xすることで、Yしてよい/You may do X to Y」の書式が使われています。このタイミングでレゾすることはエンカウントさせるためのコスト扱いなので、公式FAQにあるように、このタイミングに到達する前にすでにそのアイスがレゾされていたのであれば(《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》の効果などで)、このカードによるエンカウントもトラッシュも発生しません。これは、このさきずっとです。
- 発生するのはアプローチでなくエンカウントなので、ランナーは《Awakening Center》のアイスからジャックアウトして逃げることができません。ただし、エンカウントしてからのジャックアウトを可能にするようなカード効果を使用した場合を除きます。
- ランナーが《Awakening Center》にアクセスした場合、その上のアイスにエンカウントすることはありません(アクセスはエンカウントではありません)。ランナーがトラッシュコストを支払い《Awakening Center》をトラッシュしたら、その上に搭載されていたアイスすべてもトラッシュされます(搭載されていたアイスのトラッシュは妨害できません)。
《ゴミあさり/Scavenge》:ルーリング
イベント
このカードをプレイするための追加コストとして、インストール状態のプログラムを1つトラッシュする。
グリップかヒープからプログラムを1つ、トラッシュされたプログラムのコストぶんだけインストールコストを下げてインストールする。
FFG公式FAQ
- インストールアクションの一環として、ランナーはインストール状態のプログラムをトラッシュできます。
- ランナーは追加コストとしてプログラムをトラッシュでき、その後、同一のプログラムを再インストール可能です。
補足(文責:筆者)
インストールアクションが発生する。その他、追加コストとしてトラッシュしたプログラムを、もう一度インストールすることができる。
- インストールアクションについて。通常のアクションフェイズ中にを消費して発生させるインストールアクションのほかにも、《ゴミあさり/Scavenge》のように、効果がインストールアクションをもたらすことがあります。アクションによるものであれ効果によるものであれ、プログラムのインストールアクションが発生したならば、ランナーは新たなプログラムをインストールする前に、既にインストール済みのプログラムを望む数だけトラッシュする機会を得ます(たとえメモリー制限を超えていない場合であっても)。
- プログラムを一度トラッシュし、それを再びインストールすることで何が起こるかは、前編をご覧ください。
- このカードにはエラッタがあります。後述します。
《お決まりのヤツ/Same Old Thing》:ルーリング
リソース
, , : ヒープからイベントを1つプレイする(プレイコストは払う)
FFG公式FAQ
- ランナーは《お決まりのヤツ/Same Old Thing》を先行/priorityのイベントに使えません。
補足(文責:筆者)
- イベントに追加コストが設定されているなら、それも払う必要があります(ダブルのためのなど)。
《Director Haas》ハース取締役:ルーリング
資財:幹部
各ターン、君は追加で消費するを1つ所有する。
《Director Haas》がアクセスされている間にトラッシュされた場合、彼女を2点の計画ポイントを持つ計画書としてランナーの得点エリアに加える。
補足(文責:筆者)
インストール済みであるなら、裏向きでトラッシュされてもランナーに2点をもたらす
- コーポのインストール可能なカードの能力は、原則としてレゾ状態である間のみアクティブです。
- 例えば《アーキテクト/Architect》は「このアイスはインストールされている間、トラッシュされない。」と書かれていますが、このテキストもまたレゾされている間のみアクティブです。ですから、インストール状態であってもレゾされていない《アーキテクト/Architect》はトラッシュ可能です。
- しかし、《Director Haas》はインストールされてはいるが非レゾ状態であるときにアクセスされトラッシュされても、2点の計画書に変換されます。
- この裁定は、コーポのカードの能力の中でも「アクセス時」の能力は例外で、そのカードがレゾされていなくても発動する(例:《罠!/Snare!》)というルールが根拠になっています。
- 《Director Haas》が、「これがアクセスされている間」にトラッシュされることもまた、非レゾ状態でも発動する能力と見なすというわけです。
- が増える能力は、ランナーの得点エリア、コーポの得点エリア、どちらに《Director Haas》がいても非アクティブです。
- 「このカードを計画書として得点エリアに加える」という効果は、カードを計画書に変換/conversionしています。変換されたカードは、それ以前の情報はカード名を除き全て失い、新たに指定された要素のみを得ます。
- つまり、アクセス中にトラッシュされたこのカードは、以降「カード名: Director Haas • カードタイプ: 計画書 • 計画ポイント: 2点」という情報しか持たないのです。
- なお、ランナーの得点エリアにある間、計画書の能力は原則として非アクティブです。
- 「このカードを計画書として得点エリアに加える」という効果は、カードを計画書に変換/conversionしています。変換されたカードは、それ以前の情報はカード名を除き全て失い、新たに指定された要素のみを得ます。
- ルーリングではないのですが、《アーキテクト/Architect》に彼女を守らせることで、《Director Haas》を計画書に変換されることを防げるかもしれません。《アーキテクト/Architect》のサブルーチンをランナーに解決させれば、コーポはカードをインストールする機会を得ます。そこでそのカードを《Director Haas》のあるサーバー内にインストールすることで《Director Haas》はトラッシュできます。アーカイブにある《Director Haas》はもはやトラッシュできないので、ランナーは彼女を計画書に変換することができなくなります。
- このカードにはエラッタがあります。後述します。
《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》:ルーリング-質問箱
任務:条件
バイオロイドのアイスを1つ、すべてのコストを無視してレゾし、そしてバイオロイド効率調査を「ホストのアイスが1度のエンカウントでそのサブルーチンすべてをブレイクされた場合、バイオロイド効率調査をトラッシュし、ホストのアイスをデレゾする。」のテキストを持つ、そのアイスの上に搭載されている条件カウンターとしてインストールする。
補足(文責:筆者)
ホストのカードが裏向きになっても、それに搭載されている物件への影響はない。
- 質問箱で頂いた《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》への質問およびそれへの回答より。
- 《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》を搭載しているバイオロイドのアイスがデレゾされた場合、そのアイスは《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》を搭載したままとなります。再びそのアイスがレゾされたとしても両者の搭載関係は変化しません。よってそのアイスは不利な状況を維持し続けます。
- 条件カウンターに変換された《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》を取り除く方法は現在のところありません。どうしても嫌ならホストのアイスをトラッシュするしかないでしょう。そうした場合、《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》は再びカードに戻り、コーポのアーカイブに加わります。
- なお、カードを搭載できないアイスや、他のアイスに搭載されているカードを自分の上へと動かすアイスはありますが、いずれのアイスも条件カウンターには干渉できません。条件カウンターとなった《バイオロイド効率調査/Bioroid Efficiency Reserch》はトークンであり、カードではなくなっています。
《テュールの手/Tyr's Hand》:ルーリング-質問箱
強化:敵対
ランナーがこのサーバーを守っているバイオロイドのアイスのサブルーチン1つをブレイクしようとした場合、テュールの手をレゾしてよい。
:このサーバーを守っているバイオロイドのサブルーチン1つがブレイクされることから妨害する。
補足(文責:筆者)
1回だけ妨害できるが、それだけ。
- 質問箱で頂いた《テュールの手/Tyr's Hand》への質問およびそれへの回答より。
- 「このターンの残りの間、ランナーはそのサブルーチンをブレイクできない。」…などとは書かれていません。エンカウントも継続しているので、ランナーはブレイクのためのコストを、1なりアイスブレイカーへその場で再び払えば、問題なくそのサブルーチンをブレイクできます。
- ランナーがバイオロイドのサブルーチンをでブレイクするのを妨害しろということなのでしょう。
- 「このターンの残りの間、ランナーはそのサブルーチンをブレイクできない。」…などとは書かれていません。エンカウントも継続しているので、ランナーはブレイクのためのコストを、1なりアイスブレイカーへその場で再び払えば、問題なくそのサブルーチンをブレイクできます。
《Omni-Drive》オムニドライブ
ハードウェア:装具
《Omni-Drive》は1以下のプログラム1つのホストとなることができる。搭載されているプログラムのメモリーコストは君のメモリー上限に数えない。1
このクレジットは搭載されているプログラムを使用するための支払いに使う。
補足(文責:筆者)
この再生クレジットはプログラムの能力を使うことに対してのみ使用可能。
- 基本セット第2版《サイバーフィーダー/Cyberfeeder》のおさらいです。
- 搭載関係は後から変更できません。既にリグにインストールされているプログラムを、後からインストールされた《Omni-Drive》の上に搭載することはできません。一度そのプログラムをトラッシュするなど工夫が必要です。
- 《ゴミあさり/Scavenge》で説明したとおり、プログラムのインストールアクションを起こせば、《Omni-Drive》の上のプログラムもトラッシュできます。
エラッタ
《Director Haas》ハース取締役:エラッタ
資財:幹部
各ターン、君は追加で消費するを1つ所有する。
《Director Haas》がアクセスされている間にトラッシュされた場合、彼女を2点の計画ポイントを持つ計画書としてランナーの得点エリアに加える。
エラッタ適用後
資財:幹部
君のターン中、君は追加で消費するを1つ所有する。
《Director Haas》がアクセスされている間にトラッシュされた場合、彼女を2点の計画ポイントを持つ計画書としてランナーの得点エリアに加える。
説明
- 「各ターン」というワードは、コーポのターンとランナーのターンの両方それぞれを指します。なのでエラッタ前の記述では、ランナーのターン中にコーポがを得てしまうことになります。
《ゴミあさり/Scavenge》スカベンジ:エラッタ
イベント
このカードをプレイするための追加コストとして、インストール状態のプログラムを1つトラッシュする。
グリップかヒープからプログラムを1つ、トラッシュされたプログラムのコストぶんだけインストールコストを下げてインストールする。
エラッタ適用後
イベント
プログラムを1つトラッシュする。
そうした場合、グリップかヒープからプログラムを1つ、トラッシュされたプログラムのコストぶんだけインストールコストを下げてインストールする。
説明
前編で触れたように、《ゴミあさり/Scavenge》を用いることで、《テストラン/Test Run》でサーチしたプログラムをスタックに戻さずともよくなったり、《ファム・ファタル/Femme Fatale》で迂回対象のアイスを選び直したりできます。
しかし、ネットランナーには、ユーザーからあまり好まれていないルールがあります。いわゆる空撃ちの禁止です。もう少し詳しくリファレンスガイドから引用すると、こうなります。
(アクションや能力の)発動
プレイヤーがアクションや能力を発動できるのは、その効果がゲームの状況を変える可能性がある場合のみです。この可能性は、プレイやインストールやレゾのコストの支払いや、以降の能力の発動による結果を勘案しません。
例:アーカイブにカードが無い場合、コーポは《保管済みメモリ》をプレイできない。
このルールの例は、次のことをも示しているのではないかとユーザーから声があがりました。「ヒープやグリップにプログラムがない場合、ランナーは《ゴミあさり/Scavenge》をプレイできない。」
やがて開発陣から、この指摘を是とするとの声明が出ました。追加コストを払うことは能力ではありませんから、《ゴミあさり/Scavenge》の追加コストを払う前に、すでにグリップかヒープにプログラムがなければ、《ゴミあさり/Scavenge》の能力は発動できないというのです。これにより、《テストラン/Test Run》や《ファム・ファタル/Femme Fatale》とのコンボが非常にやりづらくなりました。
問題をさらにややこしくしたのが、「グリップにプログラムがあるならヒープが空でも《ゴミあさり/Scavenge》を使えて、そして追加コストとしてトラッシュしたプログラムをインストールできる」という裁定です。グリップは秘匿領域であり、アンドロイド:ネットランナーでは、意図的に手札を相手に見せる行為は禁じられています。そのためジャッジを呼んで、グリップにプログラムがあることを証明してもらえば、《ゴミあさり/Scavenge》を今まで通りコンボパーツとして使用できるというのです。
この裁定は多くの非難を浴び、「ゲーム状況が変化する可能性のないことはできない」という、あいまいな基準と厳しい強制力を併せ持つルールへのユーザーからの不信感が高まっていきました。
その騒動から1年ほどして、ようやくエラッタが発表されました。先述のように《ゴミあさり/Scavenge》の能力は「プログラムを1つトラッシュする。」となり、ヒープやグリップの状態をチェックすることはなくなりました。そうしてから今まで通りに、さっきトラッシュしたプログラムを再インストールできるようになったのです。
これにより《ゴミあさり/Scavenge》は復権、2017世界チャンプデッキに採用されるほどのカードとして力を取り戻しました。しかし、「ゲーム状況が変化する可能性のないことはできない」という、あいまいな基準と厳しい強制力を併せ持つルールへのユーザーからの不信感は依然として変わらないようです。
ルール補足(文責:筆者)
- 「そうした場合/if you do」の前に書かれている指示は、コストではありません。にも関わらずこの指示を《犠牲用装置/Sacrificial Construct》などで妨害した場合、残りの効果は解決されなくなります。
まとめ
アイスがレゾされてからも自己複製コードを使えることと、《ゴミあさり/Scavenge》でトラッシュしたカードをまたインストールできるということ、そして《Director Haas》がレゾされていなくてもトラッシュされたら計画書に変換されることあたりはネットで調べないとわからない、という感じですが、あとは大丈夫だと思います。
エラッタについては、どちらもゲームのルールが変わるわけではないので、あまり気にしなくてもいいでしょう。ただ「ゲーム状況が変化する可能性のない能力やアクションの禁止」というネットランナーの厳しいルールは覚えておいてください。常につきまとうので。
質問箱
Fobbyの質問箱です | Peing -質問箱-
アンドロイド:ネットランナーのルールについてご相談なさりたいことがあればお気軽にお願いします。また、このブログのエラーなどお気づきの際はお教えいただけるとたいへん助かります。
読み方
- このブログは、Fantasy Flight Games社および株式会社アークライトと一切関係がありません。筆者(Fobby @RemoveNDiscard)がすべての文責を負います。
- カード画像はすべて、以下の考えのもと引用したものです。
- 『アンドロイド:ネットランナー』のプレイには、FAQおよび非公式FAQと呼ばれるサポートが欠かせませんが、いずれのサポートも日本語で行われる様子がありません。このため、英語環境でプレイしている人間による草の根の周知活動が必要です。
- ですが悪いことに、カードの和名が非購入者に公開されていないという問題があります。これが次のような障壁を生みます。
- 例:筆者は《Scavenge》のルール説明を行うが、日本語環境プレイヤーには《Scavenge》と言われても何のことかわからない。《Scavenge》の日本語名は公式に公開されていないので、筆者としてもこのカードを何と呼べば日本語環境プレイヤーに通じるのかわからない。
- こういった齟齬を埋める唯一の解決策は、カードを引用画像で紹介することです。これによって言語に依存せずカードを特定して解説可能です。
- 日本語環境プレイヤーが「購入したゲームを正しいルールで遊ぶ」というあるべき権利を行使できるようにとの、いわば公益を目的としているため、カード画像の引用は適正と考えます。
- このエントリ中の引用タグ内の日本語カードテキストはすべて拙訳であり、株式会社アークライトとは一切関係がありません。ただし、書式のみ、その製品を参考にしています。
- このエントリ中の《》内は、公式カード名です。公式に和名のあるものは《確実なギャンブル/Sure Gamble》と併記します。
- 和名がわからないものは、拙訳したものをカッコ外に書きます。
- 例:《Sure Gamble》勝ち確のバクチ
- 和名がわからないものは、拙訳したものをカッコ外に書きます。