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『アンドロイド:ネットランナー』ローテ落ち(スタン落ちみたいなもの)の対象カード一覧。日本語環境でもこれらのカードは使わないようにしませんか

ローテーションとは

アンドロイド:ネットランナーでは、健全な環境の維持と新規プレイヤーの参入促進のため、古くなった製品に封入されているカードを一定期間ごとに全部あるいは一部使用できなくしています。ローテ落ちしたカードをサポートするフォーマットはありません(2018 年 6 月 3 日現在)。なお、最初にローテーションが行われたのは、2017 年 10 月 1 日のことです。
www.fantasyflightgames.com

これから、日本語カードのうち、ローテ落ちしたものをリストアップします。それらのカードは、せーのでみんなが自分のコレクションの一番奥にしまいこんだほうが幸せになれると思います。それがなぜかは、後述します。

日本語版ローテ落ちリスト:旧基本セット

アナーク

  • 《ノイズ:非凡なるハッカー/Noise: Hacker Extraordinaire》
  • 《既視感/Déjà Vu》
  • 《パラサイト/Parasite》
  • 《ヨグ.0/Yog.0》
  • グリモア/Grumoire》
  • 《コローダー/Corroder》
  • 《ワーム/Wyrm》
  • メディウム/Medium》
  • 《ワイルドサイド/Wyldside》
  • 《ジン/Djinn》

クリミナル

  • デスペラード/Desperado》
  • 《ニンジャ/Ninja》
  • 《口座の吸い上げ/Account Siphon》
  • 《データ売人/Data Dealer》
  • 《レムリア・コードクラッカー/Lemuria Codecracker》
  • 《囮/Decoy》

シェイパー

  • 《ケイト・"マック"・マキャフリー:デジタル修繕屋/Kate "Mac" McCaffrey: Digital Tinker 》
  • 《ザ・ツールボックス/The Toolbox》
  • 《ネット・シールド/Net Shield》
  • アカマツ・メモリーチップ/Akamatsu Mem Chip》

中立ランナー

  • 《グローバルセックへのアクセス/Access to Globalsec》

HB

  • 《ハース=バイオロイド:未来を設計/Haas-Bioroid: Engineering the Future》
  • 《促進βテスト/Accelerated Beta Test》
  • 《企業のトラブルシューター/Corporate Trableshooter》
  • 《経験的データ/Experiential Data》

ジンテキ

  • 《セル・ポータル/Cell Portal
  • 《データ・マイン/Data Mine》
  • 《財閥の忠誠/Zaibatsu Loyalty》
  • 《チャム/Chum》
  • 《アキタロー・ワタナベ/Akitaro Watanabe》
  • 《予知/Precognition》

NBN

  • 《臨時ニュース/Breaking News》
  • 《衛星広告の試行/Astroscript Pilot Program》
  • 《サンサン・シティーグリッド/SanSan City Grid》
  • 《マトリクス・アナライザー/Matrix Analyzer》

ウェイランド

  • 《賞金の提示/Posted Bounty》
  • 《焦土/Scorched Earth》
  • 《保安下請け/Security Subcontract》
  • 《強引な交渉/Aggressive Negotiation》
  • 《研究本部/Research Station》

日本語版ローテ落ちリスト:WC2015コーポデッキ「未来工学」

この他、計画書の《世界食料構想/Global Food Initiative》が制限入り(MWL 2.1)

計画書

  • 《促進βテスト/Accelerated Beta Test》
  • 《ニューアンゼルス警察との契約/NAPD Contract 》

資財

  • 《イブキャンペーン/Eve Campaign》
  • 《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard 》

強化

アイス

  • 《イーライ1.0/Eli 1.0》

日本語版ローテ落ちリスト:WC2015ランナーデッキ「バレンシア

この他、アイスブレイカーの《ファウスト/Faust》が禁止入り(MWL 2.1)

イベント

  • 《口座の吸い上げ/Account Siphon》
  • 《脅迫状/Blackmail 》
  • 《クイーンズ・ギャンビット/Queen's Gambit》

リソース

  • 《データ漏洩逆流/Data Leak Reversal》
  • 《ジョシュア B./Joshua B.》

日本語版ローテ落ちリスト:WC2016コーポデッキ「メッセージの支配」

この他、計画書の《世界食料構想/Global Food Initiative》が制限入り、資財の《感応放画俳優協会/Sensie Actors Union》が禁止入り(MWL 2.1)

計画書

  • 《衛星広告の試行/AstroScript Pilot Program》
  • 《臨時ニュース/Breaking News》

資財

  • 《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard》

強化

  • 《サンサン・シティーグリッド/SanSan City Grid》

任務

  • 《視聴率調査週間/Sweeps Week》

日本語版ローテ落ちリスト:WC2016ランナーデッキ「フィザード」

この他、《従業員のストライキ/Employee Strike》が制限入り、《テムジンとの契約/Temüjin Contract》が禁止入り(MWL 2.1)

ID

  • 《フィザード:マスターゲーマー/Whizzard: Master Gamer》

イベント

  • 《既視感/Déjà Vu》

ハードウェア

  • 《プラスクレート外殻/Plascrete Carapace》

プログラム

そもそもサイクルやローテーションとは

「レッドサンド・サイクル」「キタラ・サイクル」のようなサイクルとは、テーマに沿った小拡張 6 パックの組のことです。小拡張は基本的に 20 種類のカード 3 枚からなるため、ひとつのサイクルはおおむね合計 120 種類のカードからなります。

ローテーションのルールは次のように定められています。同時に 5~7 つまでのサイクルが使用可能で、 8 つ目のサイクルの小拡張が 1 パック世に出るとともに、古い 2 つのサイクルがまとめて使用できなくなるというものです。

実例として、最初のローテーションが起こるまでは、

  1. Genesis サイクル
  2. Spin サイクル
  3. Lunar サイクル
  4. SanSan サイクル
  5. Mumbad サイクル
  6. Flash Point サイクル
  7. Red Sand サイクル

この 7 サイクル、合計42の拡張から約840種類のカード全てが使えました。しかし、ここにキタラ・サイクルが加わったことでローテーションが発生します。

  1. Lunar サイクル
  2. SanSan サイクル
  3. Mumbad サイクル
  4. Flash Point サイクル
  5. Red Sand サイクル
  6. Kitara の 1 パック目の小拡張

この合計 31 の拡張から、約 620 種類のカードだけが使用できるということになりました。現在の Kitara は最後となる 6 パック目の拡張が出ているので、拡張は36個、カードは約720種類がリーガルということになります(なお、ローテ落ちが予告されていない基本セットと大拡張、およびキャンペーン拡張はこの計算から省いています)。

日本語環境もローテーションさせましょう!

SNS などで、多くの日本語環境プレイヤーが、ローテーションを度外視してこのゲームを遊んでいることを確認しています。この仕組みはあまり浸透していないようです。

現在使用可能なネットランナー製品(基本と拡張)は44個ありますが、日本語化されているのは16個だけです。そんな狭いカードプールからさらにカードを削るローテーションを採用することにネガティブな感情を抱くのは無理もありませんし、そもそも、お金を出して買ったものが遊べなくなることには誰しも抵抗を抱いて当然です。

基本セットのカードが予告なしにローテ落ちした時は、わたしも相当キレました。基本セットと大拡張はローテ落ちしないって言ってたから基本セットを 3 つ買ったのに!

にもかかわらず、わたしは日本語環境においてもローテーションを取り入れ、先述の日本語カードを使用できないようにするべきだと考えます。

なぜか。キタラ・サイクルは、ポスト・ローテーションを強く意識したサイクルであると開発者が公言しています。「キタラのこのカードは、ローテ落ちしたあのカードのリニューアルだな」とすぐにわかるカードがたくさんあります。そんなキタラのカードをすでにローテ落ちしたはずのカードと共存させることは、極めて不健全な環境を生む可能性が高いのです。

例えば

  • 《口座の吸い上げ》と《予算の流用》が 3 枚ずつ、合計 6 枚入っている上、《デスペラード》を採用したデッキ
  • 《パラサイト》と《トリパノ》が 3 枚ずつ、合計 6 枚入っている上、《コンパイル》に《グリモア》も採用したデッキ。やがて《Hivemind》も日本語化される
  • 《ムティ・ムウェクンドゥ》と《カプリース・ニセイ》のコンボで、サイゲームに 2 連勝しないとランが成功しないデッキ
  • キタラ・サイクルで各社に印刷された強力な 5/3 の計画書やコーポだけが計画書に変換できる資財のおかげで、計画書が HQ にあふれることが少なくなり、かつ「ランナーは最低でも 3 つの計画書を盗まないと勝てないが、コーポは計画書 2 つの得点と、一方的な資財 1 つの計画書への変換で勝利できる」という状況ができており、要するに計画書にまつわるコーポの悩みはかなり解消されたにもかかわらず、《ジャクソン・ハワード》が採用される

健全な環境を守るためのMWLによるサポートも日本にはないのに、このうえ開発陣の想定していないデッキやコンボが使われ続けると、日本のネットランナーにみんなうんざりしてしまうと思います。ローテーションの概念は、なんとしても日本にも浸透させるべきです。

おまけ:2017 年 10 月 1 日にローテ落ちしたサイクルとその拡張

第 2 版基本セット(Revised Core)に再録されたものを除き、これら拡張のカードはもはやサポート対象外で使用できません。英語版を購入する際はご注意ください。

  • Core(旧基本セット)
  • Genesis サイクル
    • What Lies Ahead
    • Trace Amount
    • Cyber Exodus
    • A Study in Static
    • Humanity's Shadow
    • Future Proof
  • Spin サイクル
    • Opening Moves
    • Second Thoughts
    • Mala Tempora
    • True Colors
    • Fear and Loathing
    • Double Time

次のサイクルの拡張パックが全て発売された直後が最もカードプールが広い時期となりますが、次の次のサイクルの拡張パックが 1 つ発売されると、第 2 のローテーションが発生。 Lunar サイクルと SanSan サイクルがローテ落ちします。

英語版をご購入の際は、 Lunar と SanSan のローテ落ちがそれほど遠くないということも考慮したほうがいいかもしれません。大拡張も考えて、次のローテは 1 年半後、2019 年末くらいでしょうか。Lunar と SanSan のパックは以下となります。

  • Lunar サイクル
    • Upstalk
    • The Spaces Between
    • First Contact
    • Up and Over
    • All That Remains
    • The Source
  • SanSan サイクル
    • The Valley
    • Breaker Bay
    • Chrome City
    • The Underway
    • Old Hollywood
    • The Universe of Tomorrow

『アンドロイド:ネットランナー』新大拡張 Reign and Reverie のカードが先行公開(公開完了につき更新終了)

ネタバレ注意!

参照元

2018年5月6日付記事

www.fantasyflightgames.com

2018年5月30日付記事

www.fantasyflightgames.com

2018年6月5日付記事

www.fantasyflightgames.com

2018年6月18日付記事

www.fantasyflightgames.com

2018年6月28日付記事

www.fantasyflightgames.com
より。

収録カード

◆Algernon(アルジャーノン)

コスト: 0
f:id:fobby:20180504113151p:plain: 1
プログラム

君のターン開始時、 2f:id:fobby:20180521144018p:plain を支払うことで、f:id:fobby:20180521144012p:plainを得てよい。そうした場合、君のターン終了時、このターンに君がランを成功させていない場合、 Algernon をトラッシュする。
「いっしょになれば、なんでもできそう!」

Adam :5

  • if you do, do A when X if Y の珍しい書式。

Office Supplies(事務用品)

コスト: 4
イベント

君のリンク強度 1 につき Office Supplies のプレイコストは 1 減る。

4f:id:fobby:20180521144018p:plain 得るかカードを 4 枚引く。

「ねえミリアム、最近いいことあった?」

Sunny: 3

Reboot (再起動)

コスト: 1
イベント:ラン

アーカイブへランを行う。成功した場合、カード群にアクセスするかわりに、ヒープのカードを 5 枚まで裏向きにインストールする。 Reboot をトラッシュするかわりにゲームから取り除く。

Apex: 5

  • Apex は裏向きにカードをインストールできるランナーです。裏向きにインストールされたランナーのカードは表側の情報すべてを失っているので、他のランナーは、たとえば《イソップ質店 / Aesop's Pawnshop》でそれらをトラッシュしてクレジットを稼ぐくらいにしか Reboot を利用できないのですが、 Apex はインストール状態のカードをトラッシュすることをコストとして発動するカードをたくさん持っています。

Sportsmetal: Go Big or Go Home (スポーツメタル:やるならとことん)

ID:子会社

計画書が得点されるか盗まれるたび、 2f:id:fobby:20180521144018p:plain を得るか、カードを 2 枚引く。

もっと欲しい。

最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15
HB

Hyperloop Extension(ハイパーループ拡張)

計画書:拡張

Hyperloop Extension が得点されるか盗まれた時、コーポは 3f:id:fobby:20180521144018p:plain を得る。

「我々の分析は公共と民間、両部門からの強力な支持を示す。」

アドバンス要求: 3 / 計画ポイント: 1
HB

Meridian(メリディアン)

コスト: 3
アイス:バリア

f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーが Meridian を -1 計画ポイントの計画書として自分の得点エリアに加えないかぎり、コーポは 4f:id:fobby:20180521144018p:plain を得てランの終了。
あなたはこれを通り抜けられない―これがあなたを通り抜ける。

強度: 4
HB: 3

  • もしかしたら「f:id:fobby:20180504113638p:plain4f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。そしてランナーは-1点の計画書としてこれを自分の得点エリアに加えないかぎり、ランの終了。」が正しいのかもしれませんが、プロモーションページの紹介に従って訳しています。ただ実際のカードの機能がプロモーションと異なることはちょくちょくあるので、裁定待ち。原文は以下。

f:id:fobby:20180504113638p:plainGain 4f:id:fobby:20180521144018p:plain and end the run unless the Runner adds Meridian to his or her score area as an agenda worth -1 agenda point.

Fast Break(ファストブレイク)

コスト: 4
任務

Xf:id:fobby:20180521144018p:plain を得る。 X 枚までカードを引く。 X 枚までのカードを 1 つの遠隔サーバーの中やそれを守る位置にインストールする(全てのインストールコストは払う)。 X はランナーの得点エリアにある計画書の数である。
「なんということ!ノッている!」

HB: 3

  • これで『アンドロイド:ネットランナー』製品が公式に先行公開されるのも最後。


《Liza Talking Thunder: Prominent Legislator》リーザ・トーキング・サンダー:著名な国会議員

ID:G-モード

各ターン、最初に中央サーバーへのランが成功した時、カードを2枚引きタグを1つ受ける。
「ついてこられているつもり?」

リンク強度: 0 / 最小デッキ枚数: 50 / 影響値上限: 15 / クリミナル

2枚ドローとタグを受けるのはどちらも強制。
2枚ドローは強力なのだが、50枚デッキという弱点があるなら能力にあまり意味がないような?タグ対策カードがない序盤、せっかく無防備な中央サーバーにランしづらいのも難しいところ。

《Hot Pursuit》緊急追跡

イベント:ラン

HQにランを行う。成功した場合、9f:id:fobby:20180521144018p:plainを得てタグを1つ受ける。
「貴様を包囲した!今度こそ、マジで。」

コスト: 2 / 派閥: クリミナル / 影響: 2

《Citadel Sanctuary》があればベストですが、タグをアクションで取り除いたとしても、普通にHQにアクセスできて差し引き5f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、実質ダブルはまあまあ?《Zealous Judge》が怖いかも。

《◆Paragon》パラゴン

ハードウェア:コンソール

+1f:id:fobby:20180504113151p:plain
各ターン、最初にランが成功した時、「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、スタックの一番上のカードを見る」をしてよい。そうした場合、スタックの一番下にそのカードを加えてよい。
各プレイヤーのコンソールは1つまで。

コスト: 3 / 派閥: クリミナル / 影響: 2

You may do A and do B. If you do, you may do C. という珍しい書き方。
デスペラード / Desperado》を1ターンに1回にして、代わりにスタック操作能力をつけたコンソール。

《Broad Daylight》白昼堂々

計画書:保安

Broad Daylightを得点した時、悪名を1つ受けてよい。Broad Daylightの上に、君の所有する悪名1つにつき計画カウンターを1つ載せる。
f:id:fobby:20180521144012p:plain, 搭載されている計画カウンター1つ:2ミートダメージを与える。この能力は1ターンに1度のみ使える。

アドバンス要求: 4 / 計画ポイント: 2 / 派閥: ウェイランド

悪名利用カードでは比較的実用的?2枚得点したら大幅有利、3枚得点したら、ランナーにミートダメージへの対策がなければ勝ち。

《Under the Bus》裏切り

任務:触法 - Illict

ランナーが直前のターンに1枚でもカードにアクセスした場合のみプレイする。
コネのリソースを1つトラッシュして悪名を1つ受ける。

コスト: 1 / 派閥: ウェイランド / 影響: 3

Trash 1 connection resource and take 1 bad publicity. つまり "do A and do B" の
書き方なので、コネがないときにプレイして、単に悪名を1つ受けるのにも使えそうですね。
《Film Critic》の上にまだ計画書が載っているあいだにこれでトラッシュして、計画書をアーカイブに戻すのもよさそう?

《Drudge Work》単純作業

資財

Drudge Workをレゾした時、その上にパワーカウンターを3つ置く。Drudge Workの上にパワーカウンターが残っていない時、それをトラッシュする。
f:id:fobby:20180521144012p:plain, 搭載されているパワーカウンター1つ:HQかアーカイブの中の計画書を1つ公開する。その計画ポイントに等しいクレジットを得て、R&Dに加えてシャッフルする。

コスト: 2 / トラッシュ: 3 / 派閥: ウェイランド / 影響: 2

計画書事故を解決します。放棄するための計画書カードをたくさんデッキに入れなければいけないウェイランドにおあつらえ向き。

《◆Miss Bones》◆ミス・ボーンズ

リソース:コネ

Miss Bonesをインストールした時、彼女の上に12f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。Miss Bonesの上にクレジットが残っていない時、彼女をトラッシュする。
このクレジットはインストール状態のカードをトラッシュするのに使用する。
「殺せないなら、アテがある」

コスト: 2 / 派閥: クリミナル / 影響: 不明

《フィザード / Whizzard》《掃除屋 / Scrubber》と違って、アンインストール状態のカードのトラッシュは不可能。


《◆Mind's Eye》◆マインド・アイ

ハードウェア:コンソール

+1f:id:fobby:20180504113151p:plain

R&D へのランが成功するたび、これにパワーカウンターを 1 つ置いてよい。

f:id:fobby:20180521144012p:plain, 搭載されているパワーカウンター 3 つ:R&D の一番上のカードにアクセスする。

各プレイヤーのコンソールは 1 つまで。

コスト: 3 / 派閥: シェイパー / 影響: 3

  • 《eXer》《Nyashia》とのコンボが可能。
  • 《Top Hat》《Equivocation》《The Turning Wheel》とはコンボになりません。

Psyche Mike》プシュケー・マイク

リソース:コネ

各ターン、成功したR&D へのランが最初に終了した時、アクセスされたR&Dのカード 1 枚につき 1f:id:fobby:20180521144018p:plain を得てよい。

「落ち着いて。ねえ、落ち着いて。」アキコが涙をぬぐうと、マイクがぼんやり見えてきた。「何を見たの?」
「私…」アキコは口ごもった。「すべてを見た。」

コスト: 1 / 派閥: シェイパー / 影響: 4

《Insight》洞察

イベント:ダブル

このイベントをプレイする追加コストとしてf:id:fobby:20180521144012p:plainを消費する。

コーポは「R&D の一番上から 4 枚のカードを見て、それらを望む順番で組み替える」をしてよい。

R&Dの一番上から 4 枚のカードを公開する。

コスト: 0 / 派閥: シェイパー / 影響: 2

《Saraswati Mnemonics: Endless Exploration》サラスヴァティ・ニーモニック:終わりなき探求

ID:部署

f:id:fobby:20180521144012p:plain, 1f:id:fobby:20180521144018p:plain:HQ のカード 1 枚を遠隔サーバー内にインストールし、その上にアドバンストークンを 1 つ置く。次の君のターンが始まるまで、そのカードは得点もレゾもできない。

最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15 / 派閥: ジンテキ

《Jumon》じゅもん

計画書:調査

君のターン終了時、いずれかのサーバー内のカード 1 枚にアドバンストークンを 2 つ置く。

「じゅもん、あまりにじゅもん…」

アドバンス要求: 6 / 計画ポイント: 2 / 派閥: ジンテキ

  • mayがないので、この能力は遠隔サーバー内にカードがある限り強制です。
  • ターンのタイミング構成[3.4]で発動するので、この能力がトークンを置いたことで計画書のアドバンス要求が満されたとしても、コーポがそれを得点できるタイミングは直後のランナーのターン終了を待ってからということになります。

《◆API-S Keeper Isobel》◆蜜蜂管理者イソベル

資財:人物

君のターン開始時、インストール状態のカードの上からアドバンストークンを 1 つ取り除くことで、 3 f:id:fobby:20180521144018p:plain を得てよい。

「適者生存こそが私たちの定期メンテナンスのすべて。」

コスト: 2 / トラッシュコスト: 4 / 派閥: ジンテキ / 影響: 2

《Neurostasis》神経症

※このカードのほんの一部ですがテキストが隠されているため、推測を含んだ訳になります。

資財:待ち伏せ

Neurostasisはアドバンス可能。

ランナーがNeurostasisにアクセスした時、君が 3f:id:fobby:20180521144018p:plain 支払った場合、Neurostasisの上のアドバンストークン 1 つにつきインストール状態のランナーのカードを 1 つ選ぶ。ランナーは選ばれたカードをスタックに加えてシャッフルしなければならない。

コスト: 0 / トラッシュコスト: 不明 / 派閥: ジンテキ / 影響: 2


《Akiko Nisei: Head Case》アキコ・ニセイ:狂人

ID:クローン

R&D のカード群にアクセスするたび、君とコーポは 0f:id:fobby:20180521144018p:plainか 1f:id:fobby:20180521144018p:plainか 2f:id:fobby:20180521144018p:plainを秘密裏に支払う。支払ったクレジットを公開する。君とコーポが同一の額のクレジットを支払っていた場合、 R&D のカードに追加で 1 枚アクセスする。

リンク強度: 1 / 最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 12 / 派閥: シェイパー

  • ついにランナーがサイゲームを仕掛ける日が来ましたね。ただ、支払ったクレジットの額が同一であった場合に発動する点が通常と異なります。ランナーが決め打ちで 0f:id:fobby:20180521144018p:plain支払い続けているだけでも厄介かも?

《◆Patchwork》パッチワーク

ハードウェア:コンソール

+1f:id:fobby:20180504113151p:plain

1 ターンに 1 度、君がカードをプレイしようとするかインストールしようとする時、グリップのカードを 1 枚トラッシュすることで、そのプレイコストかインストールコストを 2 下げてよい。

各プレイヤーのコンソールは 1 つまで。

コスト: 4 / 派閥: アナーク / 影響: 3

  • これ自体のインストールコストはこれの能力によって下げられそうにないですね。

《◆Dj Fenris》Dj フェンリス

リソース:コネ

Dj Fenris がインストールされた時、君の ID と派閥が異なる G - モードの ID を彼の上に搭載する。 Dj Fenris がアンインストールされた場合、搭載されていた ID をゲームから取り除く。

Dj Fenris は搭載されている ID のテキストを得る。

デッキに 1 枚制限。

コスト: 3 / 派閥: 中立 / 影響: 1

  • ID を他のものと交換するカードはこれまでにもありましたが、これは ID を 2 つにします。
  • 未発売だがこれから日本語化されるであろう ID も含め、日本語環境の G - モードをリストアップしたものが以下です。
派閥 名前 能力(マウスオーバー)
アナーク MaxX ターン開始時、スタックのミルとドロー *1
アナーク レイナ・ローハ 最初のアイスのレゾコスト +1。 *2
シェイパー カボネサ・ウー クリック消費でプログラムをサーチ *3
シェイパー Hayley Kaplan 最初にインストールしたら同タイプをインストール *4
シェイパー ケイオス・セオリー +1 f:id:fobby:20180504113151p:plain *5

《The Outfit: Family Owned and Operated》ジ・アウトフィット:家族経営

ID:子会社

悪名を1つ以上受けるたび、3f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。

我らの手段で事をなす。

最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15 / 派閥: ウェイランド

バレンシアエステヴェス / Valencia Estevez》の能力でコーポが悪名を「受ける」ことはなく、これは発動しません。

《Too Big to Fail》大きすぎて潰せない

任務:取引 - Illicit

君が 10f:id:fobby:20180521144018p:plain 未満しか所有していない場合にのみプレイする。

7f:id:fobby:20180521144018p:plain を得て悪名を 1 つ受ける。
「これは脅迫状です!」
「いや、タカリだな」

コスト: 0 / トラッシュ: 5 / 派閥: ウェイランド / 影響: 4

《Hangeki》はんげき

任務:報復 - 触法

ランナーが直前のターンにコーポのカードをトラッシュしていた場合にのみプレイする。

インストール状態のコーポのカードを 1 つ選ぶ。ランナーはそのカードにアクセスしてよい。そのランナーがそうした場合、 Hangeki をトラッシュする代わりにゲームから取り除き、そうでない場合、 Hangeki を -1 点の計画書としてランナーの得点エリアに加える。

コスト: 0 / 派閥: ジンテキ / 影響: 2

  • インストール済みの《アークエンジェル / Archangel》にアクセスしたらやはりエンカウントが発生する?
  • R&D のルートに1枚だけある強化にこれでアクセスさせたら、さっきの《Akiko Nisei》の能力は発動する?そうだとするなら、 Akiko が勝ったらどうなる?
  • いくつか疑問の湧くカード。 UFAQ 待ち。


Nathaniel "Gnat" Hall: One-of-a-King》ナサニエル "ナット" ホール:唯一無二

ID:ナチュラ

君のターン開始時、グリップにカードが2枚以下しかない場合、1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。

「やっべ、俺つえー。」

リンク強度: 0 / 最小デッキ枚数: 40 / 影響値上限: 15 / 派閥: アナーク

  • フレーバーの "Damn, I'm good." は古い(といっても割と最近の?)ミームとのこと。

《Guinea Pig》モルモット

イベント

グリップをトラッシュする。

10f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。

「いいじゃない。」

コスト: 4 / 派閥: アナーク / 影響: 3

  • グリップにトラッシュ可能なカードがない場合(《Guinea Pig》しかグリップにない場合)でもプレイ可能です。

《Cradle》クレイド

プログラム:アイスブレイカー - デコーダ

グリップのカード 1 枚につき Cradle は強度 -1 。
2f:id:fobby:20180521144018p:plain: コードゲートのサブルーチンを任意の数だけブレイクする。

コスト: 4 / 強度: 5 / メモリ: 1 / 派閥: アナーク / 影響: 3

Acme Consulting: The Truth You Need》アクメ・コンサルティング:あなたに必要な真実

ID:支社

サーバーを守っている最外殻のアイスにエンカウント中にランナーは追加のタグを 1 つ所有しているものと見なされる(0 タグ所有の場合でも)。

最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15 / 派閥: NBN

  • 「追加のタグを 1 つ所有していると見なされている状態になる」という常時効果をこのカードがランナーへ与え続けるので、この追加のタグは誰にも取り除けないものと考えられます。
  • アイスとのエンカウント中に他のカードをレゾするタイミングがないため、これで《Zealous Judge》をレゾするには工夫がいります。
    • Reddit では《テュールの手 / Tyr's Hand》と《Surat City Grid》を組み合わせて、「サブルーチンのブレイク直前に《テュールの手 / Tyr's Hand》をレゾして、それにより発動する《Surat City Grid》で《Zealous Judge》をレゾする」というコンボが考察されていました。

《Hydra》ハイドラ

アイス:セントリー - 対人

f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーがタグされている場合に 3 ネットダメージを与え、そうでない場合、ランナーにタグを 1 つ与える。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーがタグされている場合に君は 5f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、そうでない場合、ランナーにタグを 1 つ与える。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーがタグされている場合にランの終了、そうでない場合、ランナーにタグを 1 つ与える。

コスト: 10 / 強度: 6 / 派閥: NBN / 影響: 4

《Eavesdrop》盗聴

任務:触法 - 条件

Eavesdrop を「ランナーがホストのアイスにエンカウントするたび、トレース3 - 成功した場合、ランナーにタグを 1 つ与える。」のテキストを持ちアイスの上に搭載されている条件カウンターとしてインストールする。

「いや、音声は大丈夫。オフじゃない。」

コスト: 1 / 派閥: NBN / 影響: 2

  • ホストのアイスがそもそも「エンカウント時」の能力を持っているなら、コーポのプレイヤーが《Eavesdrop》とホストのアイスをどの順番で発動させるか選びます。
  • 1 つのアイスに複数の《Eavesdrop》を搭載することもできます。

*1:君のターン開始時、スタックの一番上のカード 2 枚をトラッシュする。カードを 1 枚引く。

*2:各ターン、最初にレゾされるアイスのレゾコストは 1 増える。

*3:クリック: スタックからウィルスでないプログラムを探し、インストールコストを 1 下げてそれをインストールしたら、スタックをシャッフルする。君のターン終了時、まだそのプログラムがインストールされているなら、それをゲームから取り除く。

*4:各ターン、最初にカードをインストールした時、グリップから同一のタイプのカードを 1 枚インストールしてよい(インストールコストは払う)。

*5:モリーユニット +1 。

アンドロイド:ネットランナー『カンパラの支配 / Kampala Ascendant』私的ルーリング解説(非公式 FAQ ではありません)

追記(2018/08/02)
非公式FAQ(実質公式FAQ)が更新されました。このエントリも無駄にはなりませんが、裁定の変更もあったため、UFAQも併せてご覧ください。
removeanddiscard.hatenablog.com

はじめに

通常であれば各拡張の販売に伴い各カードの裁定を示す非公式 FAQ (といっても実質公式 FAQ )が公開されるのですが、前サイクル同様、サイクルの最後の拡張である『カンパラの支配』は日本のみ先行発売となります。

このことから、『カンパラの支配』に収録されているカードは、あるカードの特定状況下での作用から、そもそもどういった意味を持つカードなのかといったものまでを含む裁定が、未発表の状態で日本語版の発売を迎える可能性があります。事実、レッドサンド・サイクルの最終拡張はそのようになり、特に《修復》の扱いに苦労させられました。

マジな話、このゲームは裁定を参照しないと遊べないゲームなので、わたしたち日本勢は、正確でないルールでネットランナーをプレイさせられる恐れがあるということになります。

とはいえ、この拡張のカードにはさほど複雑な記述もないことから、現状のルール理解だけで問題なく遊べると思われます。それでも、第 2 版から参入されたプレイヤーの方々にはちょっと紛らわしいかなと思われるところもあります。そこでわたし(Fobby @RemoveNDiscard)が解説させていただきます。念のため質問箱のアドレスも付記しますので、不明点やこの記事へのツッコミなどございましたらお願いします。
Fobbyの質問箱です | Peing -質問箱-

後に非公式FAQが公開されたなら、別途それを訳したり、補足する記事を書く予定です。

《◆ゼロ/◆Zer0》

ハードウェア

f:id:fobby:20180521144012p:plain, 1ネットダメージを受ける:1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得てカードを2枚引く。この能力は1ターンに1度だけ使える。

コスト:1 アナーク影響: 3

《◆Zer0》ルール解説

このダメージはコストなので妨害してはダメ

1ネットダメージを受けることは、《Zer0》の消費型能力を発動させるためのコストです。そのため、このネットダメージを妨害した場合、ランナーは《Zer0》からの効果を得られません。

ダメージを受けることは、ダメージを与えることではない

《トーリ・ハンゾー / Tori Hanzo》は《Zer0》のネットダメージをブレインダメージに置換することができません。「コーポがダメージを与える/do」ことで発動する条件節能力は、「ランナーがダメージを受ける/suffer, take」ことでは発動しません。

2枚目以降の《◆Zer0》にも意味がある

《Zer0》が持つのは1ターンに1度のみ発動できる消費型能力ですが、「1ターンに1度のみ」の制限は、別の《Zer0》という名前のカードの能力には適用されません。

そのため

  • 1クリック目で《Zer0》を発動したあと、
  • 2クリック目で別の《Zer0》をグリップからインストールすることで最初の《Zer0》をトラッシュ(このトラッシュは妨害できません)、
  • 3クリック目で2枚目の《Zer0》を発動させる。

といったことが可能です。

ユニークカードは場に2枚存在できません。2枚目の《Zer0》がインストールされると、1枚目の《Zer0》はただちにトラッシュされます(妨害できません)。

なお、「新しいものがインストールされるとただちに古いものがトラッシュされる」というルールは、コンソールには当てはまりません。コンソールで同じことをしようとすると、新しいコンソールのほうがトラッシュされます(妨害不可)。

《アミーナ/Amina》

プログラム:アイスブレイカー-デコーダ

2 f:id:fobby:20180521144018p:plainコードゲートのサブルーチンを 3 つまでブレイクする。
2 f:id:fobby:20180521144018p:plain:強度 +3。
各ターン、これで全てのサブルーチンをブレイクしたアイスとのエンカウントが最初に終了した時、コーポは 1 f:id:fobby:20180521144018p:plainを失う。

コスト:7 モリー: 1 強度: 3 クリミナル影響: 4

《Amina》ルール解説

失えないなら、失いません

コーポのクレジットプールが空である場合には、条件が満たされても《Amina》は何もしません。コーポの所有クレジット額はマイナスになりません。

たとえば《NBN: ニュースを生み出す/NBN: Making News》や《アドニスキャンペーン/Adonis Campaign》のようなコーポのカードに搭載されているクレジットには、何も影響しません。

《予算の流用 / Diversion of Funds》

イベント:ダブル-ラン-破壊活動

このイベントをプレイするための追加コストとして、f:id:fobby:20180521144012p:plainを消費する。
HQ にランを行う。成功した場合、カード群にアクセスする代わりに、コーポに 5 f:id:fobby:20180521144018p:plainまで失わせ、そして君は失われた 1 クレジットにつき 1 f:id:fobby:20180521144018p:plainを得てよい。

コスト:1 クリミナル影響: 5

《予算の流用 / Diversion of Funds》ルール解説

発動させなくともよい

このゲームのプレイヤーは、その所有クレジットがマイナスになることはありません。そのため、 《予算の流用/Diversion of Funds》は、5f:id:fobby:20180521144018p:plain未満しか所有していないコーポに5f:id:fobby:20180521144018p:plainを失わせることができません。その場合でもランナーはコーポのクレジットプールを空にすることはできますが、もうひとつの効果によってランナーが5f:id:fobby:20180521144018p:plain満額を得ることは不可能になります。

そのため、これをプレイしたはいいが、ランの最中にコーポのクレジットが想定外に消費されるなどして、ランは成功したもののクレジットを失わせることがあまり効果的でないと判断することもあるでしょう。

《予算の流用/Diversion of Funds》は任意の能力(してよい / may)であるため、そのような場合にランナーはHQのカード群へ通常どおりアクセスすることを選択できます。

当然ながらその場合も《予算の流用 / Diversion of Funds》はトラッシュされます。

最高で 5 f:id:fobby:20180521144018p:plainまで失わせる能力

これを発動させた場合、ランナーはコーポから0~5f:id:fobby:20180521144018p:plainまでの任意の額を失わせることができ、その後、失われた額と同額のクレジットをそのランナーは得ます。そのためコーポが3f:id:fobby:20180521144018p:plainしか持っていないような場合にもこれは使用でき、その場合はランナーは0~3f:id:fobby:20180521144018p:plainのうち任意の額を失わせ、その後、そのランナーは失われた額と同額の0~3f:id:fobby:20180521144018p:plainを得ることができます。

《PADコネクタ/PAD Tap》

リソース

各ターン、コーポがカードの能力によってクレジットを最初に得た時、君は 1 f:id:fobby:20180521144018p:plainを得てよい。
f:id:fobby:20180521144012p:plain, 3f:id:fobby:20180521144018p:plain:これをトラッシュする。コーポのみがこの能力を使える。

コスト:0 クリミナル影響: 1

《PADコネクタ/PAD Tap》ルール解説

日本語版の大規模エラッタが必要

ネットランナーでは、クレジットを「得る / gain」ことと「受け取る / take」ことは別のキーワードとして処理されます。そして《PAD Tap》は「得る / gain」ことによってのみ発動します。

しかしながら、ネットランナー日本語版では、 "gain" と "take" いずれのキーワードも、「得る」に統一して翻訳しています。そのため、このカードは日本語環境では正しく機能しません。

基本セット第2版収録のカードのみが一応の対応を受けており、それまで「得る」と翻訳されていた "take" はすべて「受け取る」に訂正されました。そのため同名のカードでありながら、旧版と第 2 版でテキストの記述が異なるカードが存在します。しかし、現在も使用可能な旧版のカードはエラッタされていません。

なお悪いことには、それ以降に発売された拡張を見る限り、 "gain" と "take" の混同は現在も続いており、それらは修正もエラッタもされていません。アークライトからは何のアナウンスもありません。わたしたちはクレジットを「得た」のか「受け取った」のか、テキストからは判別ができないのです。

さいわい、後述する手段を用いてテキストに依存することなく「得る」と「受け取る」のどちらが発生したかを見分けることができます。くれぐれも、クレジットを「受け取った」時に《PAD Tap》を発動させないでください。

さいわい「得る / gain」と「受け取る / take」の見分け方は簡単

アドニスキャンペーン / Adonis Campaign》《デイリーキャスト / Daily Casts》のように、インストール済みのカードの上に搭載されているクレジットは、条件が満たされた時にプレイヤーが「受け取る / take」ものです。

それら以外はすべて「得る / gain」クレジットです。任務からのクレジットはすべて「得る / gain」ものです。また、《PAD キャンペーン/PAD Campaign》のようにインストール済みのカードの効果であっても、その効果がバンクから直にプールへとクレジットを供給するのなら、それは「得る / gain」ものです。《PAD Tap》はこれらによってのみ発動します。

"take f:id:fobby:20180521144018p:plain from X" は「X からf:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」と訳されている

それでも「受け取る」か「得る」かわからなくなった場合は、テキストに「このカードから 2 f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」と書かれているかどうかチェックしてみてください。それは "Take 2 f:id:fobby:20180504113642j:plain from this card." のなごりで、すなわち「このカードから 2 f:id:fobby:20180521144018p:plainを受け取る」と訳されるべき記述だったと思われます。「(カード名)から得る」と記されているクレジットでは、《PAD Tap》は発動しないと見ていいでしょう。

これをトラッシュする能力のコストはコーポが払う

ネットランナーの黄金律に、相手の所有物をコストとして支払うことができないというものがあります。このカードをトラッシュする能力を発動させるためのコスト「f:id:fobby:20180521144012p:plain, 3 f:id:fobby:20180521144018p:plain」は、コーポのターンに、コーポのプレイヤーが払うものです。

《奪還/Reclaim》

リソース

f:id:fobby:20180521144012p:plain, f:id:fobby:20180504113636p:plain, グリップのカードを 1 枚トラッシュする:ヒープから、プログラムかハードウェアか仮想のリソースを 1 つ、インストールコストを払ってインストールする。

コスト:0 シェイパー影響: 2

《奪還/Reclaim》ルール解説

ネットランナーの基本ルール

ランナーのカードに「グリップのカードを 1 枚トラッシュする」との指示があれば、どのカードをトラッシュするかは常にランナーが選びます。トラッシュされたランナーのカードは、表向きにヒープに置かれます。

《暴動の鎮圧 / Riot Suppression》

任務:報復-触法

ランナーが直前のターンにコーポのカードを1枚以上トラッシュしていた場合にのみプレイする。
ランナーは次のターンに消費するf:id:fobby:20180521144012p:plainが3少なくなる。ランナーはただちに 1 ブレインダメージを受けることで、これを妨害してよい。暴動の鎮圧をトラッシュするかわりにゲームから取り除く。

コスト:2 HB 影響: 4

《暴動の鎮圧 / Riot Suppression》ルール解説

ブレインダメージを受けるのはこの任務を突きつけられたその時です

原文には「immediately(ここでは、「ただちに」としました)」と書かれているのですが、日本語版にはこれに相当する語がないので、どのタイミングでランナーがブレインダメージを受けるのか微妙にわかりづらくなっています。

実際には、このカードをプレイされたその場で、ランナーはブレインダメージを受けます(それをそのランナーが望んだのであれば)。次のランナーのクリックが補充されるターンのタイミング構成[1.1]時点でランナーがブレインダメージを受けることはありません。

このブレインダメージを妨害したら、クリックは失われてしまう

「ランナーはただちに 1 ブレインダメージを受けることで、これを妨害してよい。 / The Runner may immediately suffer 1 brain damage to prevent this. 」は「A することで、 B してよい / do A to do B」の書式であることに注意してください。

この書式が示すように、ここでのブレインダメージは《暴動の鎮圧》を妨害するために支払うコストです。もしこのダメージを妨害してしまうと、ランナーは次のターンで消費できるクリックが 3 少なくなります。

《ムティ・ムクウェンドゥ:生命の改良/Mti Mwekundu: Life Improved》(Mti Mwekundu = red wood)

ID:部署

1 ターンに 1 度、ランナーがサーバーにアプローチした時、そのサーバーを守る最内殻の位置に、すべてのコストを無視してアイスを 1 つインストールしてよい。ランナーはそのアイスへのアプローチになる。

ジンテキ 最小デッキ枚数: 45 影響値上限: 15

《Mti Mwekundu: Life Improved》ルール解説

これが裸のサーバーにアイスを置いたら、ジャックアウトできません

アイスに守られていないサーバーへランナーがアプローチしているとき、《Mti Mwekundu》がそのサーバーにアイスをインストールしたことで、ランナーがそのアイスへのアプローチをせまられた場合、それはこのラン中の最初のアイスへのアプローチとなります。

ランごとの最初のアイスへのアプローチではジャックアウトができないので、コーポがそのアイスのレゾコストを払ってレゾできるなら、ランナーはコーポが「後出し」したアイスとのエンカウントを強制されます。

《ムリンジ/Mlinzi》(Mlinzi= protector)

アイス:セントリー-対人

f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーがスタックの一番上から 2 枚のカードをトラッシュしない限り、 1 ネットダメージを与える。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーがスタックの一番上から 3 枚のカードをトラッシュしない限り、 2 ネットダメージを与える。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーがスタックの一番上から 4 枚のカードをトラッシュしない限り、 3 ネットダメージを与える。

コスト: 7 強度: 5 ジンテキ影響: 3

《ムリンジ/Mlinzi》ルール解説

スタックが空なら、ネットダメージが確定します

各サブルーチンが要求するだけの枚数のカードがスタックにない場合にそれらサブルーチンを解決したら、ランナーはネットダメージを受けなければいけません。
これは、《ロキ / Loki》のサブルーチンが要求する「ランナーがグリップのカードすべてをスタックへ加えてシャッフルしない限り~」の条件を、グリップが 0 枚の時に満たすことができないという裁定にならっています。

追記(2018/08/02)
《ロキ》の裁定が変更されました。これによりスタックに1枚でもカードがあれば、《ムリンジ》のどのサブルーチンからのネットダメージであろうと、それを拒否するためにスタックのトラッシュを選べることになりました(スタックに1枚でもカードがあれば)。詳しくは
removeanddiscard.hatenablog.com

おわりに

ルールはそんなに難しくないんですが、 "gain" と "take"の区別についてはかなりどうしようもないですね。

  • コストとしてのダメージを妨害したら、効果を受けられなくなる
  • 「ダメージを与える / do damage」とは、「ダメージを受ける / suffer damage / take damage」とは異なる事象を指している
  • ネットランナーにはクレジットを「受け取る / take」ことと「得る / gain」ことがある
    • 日本語版では、両者の訳しわけがなされていないので、正しく遊べない
  • 《暴動の鎮圧》でダメージを受けるのは、その場ですぐ
    • これも日本語版だけで生じうる疑問
  • ジンテキに最初のアプローチを強制された場合、ランナーはジャックアウトできない

こんな感じ。いずれにせよ、非公式 FAQ が出たらそちらをきちんと訳します。

質問箱

Fobbyの質問箱です | Peing -質問箱-
アンドロイド:ネットランナーのルールについてご相談なさりたいことがあればお気軽にお願いします。また、このブログのエラーなどお気づきの際はお教えいただけるとたいへん助かります。


読み方

  • このブログは、Fantasy Flight Games社および株式会社アークライトと一切関係がありません。筆者(Fobby @RemoveNDiscard)がすべての文責を負います。
  • このエントリ中の引用タグ内の日本語カードテキストはすべて拙訳であり、株式会社アークライトとは一切関係がありません。ただし、書式のみ、その製品を参考にしています。
  • このエントリ中の《》内は、公式カード名です。公式に和名のあるものは《確実なギャンブル/Sure Gamble》と併記します。
    • 和名がわからないものは、拙訳したものをカッコ外に書きます。
      • 例:《Sure Gamble》勝ち確のバクチ