『アンドロイド:ネットランナー』最新拡張「名誉と利潤 / Honor and Profit」特集:使用率の高いカード、裁定、エラッタ - 試験に出る!セキュリティ試験
はじめに
2つ目の大拡張「名誉と利潤」はジンテキとクリミナルに的を絞ったラインナップとなっています。この拡張のおかげで、日本語環境におけるジンテキはかなり強力な派閥になったのではないでしょうか。格闘ゲームの『Marvel vs. Capcom』シリーズについて「カプコンは忖度してマーベル側のキャラを強く調整している」と噂されることがありましたが(カプコンはこの噂について言及し、否定しています)、FFGは日本展開にあたって日本企業のジンテキを強くしたのではないかなどというくだらない冗談が思い浮かびます。
リファレンスガイドへのリンク
採用率の高いカード: コーポ編
早期着工 / Fast Track
任務
R&Dから計画書を1つ探し、それを公開してHQに加える。R&Dをシャッフルする。
コスト: 0 / 派閥: 中立 / 影響: 0
計画書のサーチカード。コーポは原則としてリグが不完全な序盤有利でなのですから、早いうちに得点するためにデッキにたくさん計画書を入れたくなったりもする?かもしれませんが、そんなことをすると計画書をランナーに盗まれるリスクのほうが大きくなります。得点を急ぐなら、ランナーにアクセスされても問題ないサーチの任務で補いましょう。
《ナイフの家 / House of Knives》や《AR強化セキュリティ / AR-Enhanced Security》のように、序盤に得点できれば有利になる計画書を探すのもいいでしょう。
《早期着工 / Fast Track》の使用直後は、計画書の位置を推測する大きな手がかりをランナーに与えてしまうことになりますが、サーチしたのが《未来完了 / The Future Perfect》のような計画書であればあまり気にならないかもしれません。直後に《無心の心 / Mushin No Shin》をプレイするのもおもしろいでしょう。
ジンテキの拡張で中立の任務にもかかわらずR&Dサーチというウェイランドらしい効果で、アートやフレーバーに描かれているのもウェイランドのエリザベス・ミルズ女史です。
フィロティック網 / Philotic Entanglement
計画書:保安
フィロティック網の得点時、ランナーの得点エリアにある計画書1つにつき1ネットダメージを与える。
フィロティック網はデッキに1枚制限。アドバンス要求: 3 / 計画ポイント: 2 / 派閥: ジンテキ
《専門顧問 / Braintrust》とあわせ、ジンテキは現環境で唯一3/2の計画書(アドバンス要求が3 / 計画ポイントが2 である計画書をこう書きます)を4枚デッキに入れられます。変則的ですが《飛躍的医療技術 / Medical Breakthrough》も3/2に(下手をすれば2/2にも)なり得ます。《光の錯覚 / Trick of Light》や《テンニンからの出荷 / Shipment from Tennin》を使えば、3/2の計画書は1ターンで得点可能です。
得点時効果については、デッキに1枚制限のカードでフラットラインを狙うのは難しいでしょうが、《早期着工 / Fast Track》で狙ってみるのもあり?それなら《ナイフの家 / House of Knives》をわざとたくさん得点させるのも手でしょう。
ちなみに、ランナーの得点エリアにある《評判 / Notority》や《四点九 / Shi.Kyū》のような、効果によって計画書に変換されたカードも、《フィロティック網 / Philotic Entanglement》からは計画書の1つとカウントされます。
未来完了 / The Future Perfect
計画書:構想 - サイ
ランナーが未来完了にアクセスした時、君とランナーは秘密裏に0か1か2を支払う。支払ったクレジットを公開する。君とランナーが異なる額のクレジットを支払っていた場合、未来完了が盗まれることを妨害する。この能力は、ランナーがインストール状態の未来完了にアクセスした場合は無視する。
アドバンス要求: 5 / 計画ポイント: 3 / 派閥: ジンテキ
アクセスしても3/2の確率で盗むことができない計画書。アーカイブにしのばせておいてもその高い自衛能力でなかなか盗まれませんが、サイゲームに勝つにはクレジットを払わないといけないため、うっかりしているとどんどんプールが枯れていきます。また、これをアドバンスするためにインストール状態にしてしまうと、一切の能力を失うことにも注意が必要。
日本語環境でも《世界食料構想 / Global Food Initiative》《オボカタ・プロトコル / Obokata Protocol》《Bacterial Programming》《SSL Endorsement》と様々な選択肢があるため、ジンテキは5/3の計画書に困りません。
コマイヌ / Komainu
アイス:セントリー - 対人
ランナーがコマイヌにエンカウントした時、これはこのランの残りの間、ランナーのグリップのカード1枚につき「1ネットダメージを与える。」を1つ得る。
コスト: 5 / 強度: 1 / 派閥: ジンテキ / 影響: 4
《カクゴ / Kakugo》や《オボカタ・プロトコル / Obokata Protocol》の待つジンテキのサーバーに対しては、グリップにたくさんのカードを抱え込んでランしたいもの。そんなランナーを狙い撃つアイスです。
これ単体でフラットラインさせることこそできませんが、1ターン目からレゾ可能なレゾコストを持つため、ランナーはキラーなしでのジンテキ相手へのランを躊躇せざるを得ません。
ガード / Guard
アイス:セントリー
ガードは迂回できない。
ランの終了。コスト: 4 / 強度: 2 / 派閥: 中立 / 影響: 0
いわゆる「銀の弾丸」であり、相手が迂回をしないランナーであれば意味のないカードですが、迂回を得意とするクリミナルが強い環境では選択肢に入りえます。
採用率の高いカード: ランナー編
地道な作業 / Legwork
イベント:ラン
HQへランを行う。成功した場合、HQのカードに追加で2枚アクセスする。
コスト: 2 / 派閥: クリミナル / 影響: 2
《造物主の目 / The Maker's Eye》のHQ版であり、「名誉と利潤」を購入したくなる最大の理由のひとつ。《HQインターフェース / HQ Interface》でもいいんですが、あれはちょっとインストールコストが高いんですよね…。
フェイント / Feint
イベント:ラン
HQへランを行う。このラン中にエンカウントした最初の2つのアイスを迂回する。成功した場合、カード群には一切アクセスできない。
コスト : 2 / 派閥: クリミナル / 影響:
迂回が2回、ただしアクセス不可。主に「ランの成功」に伴う効果だけ得たい場合に使えます。
このカードの使用率が上がってきたのは《GPI Net Tap》という日本語環境にないカードとのコンボのためと思われるので、日本語環境で使いこなすには工夫がいるかもしれません。
セキュリティ試験 / Security Testing
リソース:仕事
君のターン開始時、サーバーを1つ選ぶ。このターン、最初にそのサーバーへのランが成功した時、カード群にアクセスする代わりに、2を得る。
コスト: 0 / 派閥: クリミナル / 影響: 3
裸のサーバーを毎ターン選ぶことができれば「1:2」という最高クラスの効率でクレジットを得られますし、《身内の恥 / Dirty Laundry》とのコンボも可能です。
シンプルなように見えて、裁定が最も難解なカードのひとつ。ルールに影響しませんが公式エラッタもあります。後述。
パスポート / Passport
1: コードゲートのサブルーチンを1つブレイクする。
2: 強度+2。
パスポートは遠隔サーバーを守っているアイスに使用できない。コスト: 1 / 強度: 2 / メモリ: 1 / 派閥: クリミナル / 影響: 2
デコーダーとしてのコストパフォーマンスに優れており、遠隔サーバーを攻撃することに使えないデメリットを持つにもかかわらず採用されます。
オーバーマインド / Overmind
プログラム:アイスブレイカー - AI
オーバーマインドのインストール時、未使用のMUひとつにつきパワーカウンターを1つそれの上に置く。
搭載されているパワーカウンター1つ:アイスのサブルーチンを1つブレイクする。
1: 強度+1。コスト: 4 / 強度: 0 / メモリ: 1 / 派閥: 中立 / 影響: 0
AIは、いかなるサブタイプのアイスでもブレイク可能なアイスブレイカーです(セントリー、コードゲート、バリア、トラップ…すべてブレイクできます)。《ウォール・オブ・スタティック / Wall of Static》や《エニグマ / Enigma》のような序盤からレゾ可能なアイスをブレイクするのに便利です。
序盤はとても効果的ですが、ある程度ゲームが進んでから引いてくると持て余すかもしれません。
個人的に語りたいカード
無心の心 / Mushin No Shin
任務:ダブル
この任務をプレイする追加コストとしてを消費する。
HQから資財か計画書か強化を1つ、新たなサーバー1つの中にインストールする。そのカードにアドバンストークンを3つ置く。次の君のターン開始まで、そのカードを得点もレゾもできない。コスト: 0 / 派閥: ジンテキ / 影響: 2
「ムシンのシン」と発音します。要するにアイスや強化に守られていない無防備な遠隔サーバーを作ってアドバンストークンを3つ置き、直後のターン、ランナーへそれにアクセスするかしないかを迫ることができるわけです。コーポがインストールしたのは計画書かもしれませんし、あるいは《ジューンバグ計画 / Project Junebug》《Cerebral Overwriter》 のような待ち伏せ/ambushの資財かもしれません。アンドロイド:ネットランナーの原点とも言える読みあいとブラフを生むカードですね。
一か八かのカードでしたが、キタラ・サイクルのカード《ムティ・ムウェクンドゥ / Mti Mwekundu》なら、後からもう1つアイスを出してサーバーを守ることもできます。そりゃないよ。《データ・ループ / Data Loop》にエンカウントさせられてからの《ジューンバグ計画》だったらグリップのカードが7枚でもフラットラインですね。
トライ=マフとの接触 / Tri-maf Contact
リソース:コネ
トライ=マフとの接触は1ターンに1回を超えて使用できない。
: 2を得る。
トライ=マフとの接触がトラッシュされた時、3ミートダメージを受ける。コスト: 2 / 派閥: クリミナル / 影響: 1
1: 2という高効率を誇りますが、トラッシュされた時のデメリットが大きすぎます。タグされたランナーに追い打ちするカードがHQにない場合か、デッキにも特に持たないコーポ(《イチ1.0 / Ichi 1.0》を入れているHBのような)を相手にしている場合でも、そのコーポはタグされたランナーのリソースをトラッシュすることならできます。《MCAの密告者 / MCA Informant》を搭載できるのも辛い。英語環境には「タグされているランナーのリソースをすべてトラッシュする」というエゲツない任務もありますから、これを並べていると即フラットラインもありえます。「英語版あり」の大会に出る時は気をつけましょう。
ルーリングとしては
- 「トライ=マフとの接触は1ターンに1回を超えて使用できない。」における自己参照は、その《トライ=マフとの接触》のみを指す。
- つまり、2枚の《トライ=マフとの接触》を1ターンにそれぞれ1回ずつ発動させ、合計4得ることは問題ない
- 「使用」とは任意の能力を指すため、「被トラッシュ時」にダメージを受けることはこれを使用することではない
- グリップにある《トライ=マフとの接触》がダメージでトラッシュされても、3ミートダメージを受けることはない
- グリップのカードの能力はアクティブではないため
- 《まだましな事態 / I've Had Worse》はグリップにあるにもかかわらず能力がアクティブという例外なのだが、使用頻度の高さから《まだましな事態》が基準になりがちでややこしい
裁定
テンニン学会:内なる秘密 / Tennin Institute: The Secrets Within
ID:部署
君のターン開始時、ランナーが直前のターンにランを成功させていない場合、カード1枚の上にアドバンストークンを1つ置いてよい。
最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15 / 派閥: ジンテキ
公式裁定
ハーモニー医療技術 / Harmony Medtech
ID:部署
各プレイヤーはゲームの勝利に要する計画ポイントが1少なくなる。
最小デッキ枚数: 40 / 影響値上限: 12 / 派閥: ジンテキ
ナイフの家 / House of Knives
計画書:保安
ナイフの家を得点した時、その上に計画カウンターを3つ置く。
搭載されている計画カウンター1つ:1ネットダメージを与える。この能力は1度のランの間に1度だけ使える。アドバンス要求: 3 / 計画ポイント: 1 / 派閥: ジンテキ
個人的解説(文責:筆者)
- 「この能力は」という断りは、他の《ナイフの家 / House of Knives》の能力に言及していません。3枚の《ナイフの家 / House of Knives》がコーポの得点エリアにあれば、1度のランの間に3ネットダメージまでランナーに与えることができます。
- 具体的にいつ使えるかは、リファレンスガイドの「ランのタイミング構成」の消費型能力使用可能ウィンドウを参照のこと。
コマイヌ / Komainu
アイス:セントリー - 対人
ランナーがコマイヌにエンカウントした時、これはこのランの残りの間、ランナーのグリップのカード1枚につき「1ネットダメージを与える。」を1つ得る。
コスト: 5 / 強度: 1 / 派閥: ジンテキ / 影響: 4
個人的解説(文責:筆者)
- エンカウント時までサブルーチンを持ちません。そのため、《ファム・ファタル / Femme Fatale》で《コマイヌ》を迂回するさいランナーが支払うべきクレジットは0です。
- エンカウント時はランナーのカードである《ファム・ファタル》が先に処理されるためです。
- グリップにカードが0枚の状態であれば《コマイヌ》はサブルーチンを持たないので、そういう場合にランナーは、エンカウントした《コマイヌ》を即座に通過できます。そして、そのランナーは「コマイヌの合計0個のサブルーチンすべてをブレイクした」と見なされます(アイスブレイカーの有無にかかわらず)。
- これにより「サブルーチンをすべてブレイクした時」の条件を満たすことができます。
- 何らかの効果が、同一のラン中にひとつの《コマイヌ》へ 2 回以上のエンカウントを生じさせたなら、《コマイヌ》はそのラン中に既に得たサブルーチンに追加するかたちでサブルーチンを得ます。
- 例えば、グリップにカード 5 枚あるランナーが《コマイヌ》にエンカウントしその《コマイヌ》に 5 個のサブルーチンを得させ、それらをアイスブレイカーで全てブレイクしたとします。そうしたのち、そのランナーが《コード複製システム/Code Replicator》でもう一度その《コマイヌ》にエンカウントしたのなら、そのエンカウント中にランナーがブレイク/解決する《コマイヌ》のサブルーチンの数は 10 個です。
シロ / Shiro
アイス:コードゲート
R&Dの一番上から3枚を見て、それらを望む順に並び替える。
コーポが1を払わない限り、ランナーはR&Dの一番上のカードにアクセスする。コスト: 6 / 強度: 5 / 派閥: ジンテキ / 影響: 4
個人的解説(文責:筆者)
- R&D内のカード群へのアクセスが発生します。
- 《イクサー / eXer》がインストールされているなら、ランナーはR&Dの一番上から2枚目のカードにも追加でアクセスしなければいけません。
- 《ムワンザ・シティーグリッド / Mwanza City Grid》がR&Dのルートにインストールされているなら、ランナーは一番上から順番に、合計4枚のカードにアクセスします。
- 《シロ》が強制するのはR&D内のカード群へのアクセスなので、R&Dのルートにある強化には追加アクセス効果でもアクセスできません。
◆トーリ・ハンゾー / ◆Tori Hanzō
強化:シスオペ
このサーバーへの各ラン中、最初に1点以上のネットダメージを与えようとした時、代わりに2支払うことで1ブレインダメージを与えてよい。
コスト: 3 / トラッシュコスト: 2 / 派閥: ジンテキ / 影響: 4
公式裁定
- 最初のネットダメージは《トーリ・ハンゾー》の置換能力が解決される前に妨害/回避が可能です。
- 最初のネットダメージという事象が、他の効果によって妨害されるか《トーリ・ハンゾー》自身の効果によって置換された場合、そのランの残りの間、《トーリ・ハンゾー》は発動できません。
個人的解説(文責:筆者)
- 《トーリ・ハンゾー》のブレインダメージは、「ネットダメージを妨害するカード」でも「ブレインダメージを妨害するカード」でもどちらでも防がれてしまう、というわけです。
- 《トーリ・ハンゾー》を発動させる「ラン中に最初に与えたネットダメージ」は、妨害や置換によって、以降解決されることがなくなります。しかし、打ち消されたネットダメージは依然として「ラン中に与えた『最初』のネットダメージ」と見なされつづけます。そのため、そのラン中の以降のネットダメージが、《トーリ・ハンゾー》を発動させることはないのです。
- リファレンスガイドの「序数事象」も参照のこと。
- ランナーが、《オボカタ・プロトコル / Obokata Protocol》などによりネットダメージを受けるとき、《トーリ・ハンゾー》は発動できません。
- ダメージを「受ける/suffer, take」ことはダメージを「与える/do damage」ことによる結果の1つですが、同一の事象ではありません。
裁定と関係ないんですが、《カクゴ》で簡単にネットダメージを与えられる割にあまり見ないカードですね。
イアン・スターリング / Iain Sirling
ID:ナチュラル
君のターン開始時、コーポが君の所有する計画ポイントを超えて得点している場合、2得る。
リンク強度: 1 / 最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 10 / 派閥: クリミナル
公式裁定
- 《イアン・スターリング / Iain Sirling》の所有する合計ポイントが負の値である場合、0点以上の計画ポイントを所有するコーポよりも計画ポイントが少なくなります。
個人的解説(文責:筆者)
- この裁定は言わずもがなという感じがしますが、これの以前から「コストが負の値である場合、そのコストは0に等しい」というアンドロイド:ネットランナーの原則が存在していたため、計画ポイントも同様に考えるのかという質問に答える必要があったのでしょう。
- ちなみに「得点している」と書かれていますが、得点以外の手段でコーポの得点エリアに加わった計画書の計画ポイントもカウントされると思われます。
セキュリティ試験 / Security Testing
リソース:仕事
君のターン開始時、サーバーを1つ選ぶ。このターン、最初にそのサーバーへのランが成功した時、カード群にアクセスする代わりに、2を得る。
コスト: 0 / 派閥: クリミナル / 影響: 3
公式裁定
- 《セキュリティ試験 / Security Testing》がサーバーを選んだあとアンインストールされた場合、その能力は、選んだサーバーへのランが成功した場合のカード群へのアクセスを置換することはできません。カードがアクティブでない以上、能力はもはやアクティブでありません。
エラッタ
エラッタ前
君のターン開始時、サーバーを1つ選ぶ。このターン、最初にそのサーバーへのランが成功した時、カード群にアクセスする代わりに、2を得る。
エラッタ後
君のターン開始時、サーバーを1つ選んでよい。このターン、最初にそのサーバーへのランが成功した時、カード群にアクセスする代わりに、2を得る。
サーバーを選ぶことは任意となりました。うっかり選び忘れても揉めないように、発動忘れへの配慮とのこと。詳しくはこちらも参照。
removeanddiscard.hatenablog.com
個人的解説(文責:筆者)
- まず公式裁定について。アンドロイド:ネットランナーのカードの能力は、カードから独立して存在していることが多いので、この裁定は珍しい例といえます。
- 例えば、《スニークドアβ / Sneakdoor Beta》によるラン中、その《スニークドアβ》がトラッシュされた場合にも、アーカイブへのランの成功をそのかわりにHQへのランの成功として扱う効果は残ります。
- 「サーバーを選ぶ能力」と「選ばれたサーバーへのターンごとの最初のランが成功した時の能力」が個別に存在し、トラッシュされると後者がアクティブでなくなるということでしょうか。
基本的な作用としては
- ターン開始時、サーバーを選んでよい。
- インストール時やインストールしたターンにおいては、これは一切機能しない。
- そのサーバーへのランがそのターン中、最初に成功したら、「カード群にアクセスする」ことを「2得る」ことへと置換する。
- よって、選んだサーバーのカード群には、1度目のランの成功時に一切アクセスできない。
- この置換効果は強制発動。
- アクセスが存在しなくなるため、《アウマクア / Aumakua》のような「カードにアクセスするたび」の効果もなくなる
そこまでややこしくないのですが、別の《セキュリティ試験》を始めとした、数多くのカードとのややこしい相互作用が存在します。これがやっかいです。ゆっくり読んでいきましょう。
2つの《セキュリティ試験》が同一のサーバーを選んだら
《セキュリティ試験》が2つ以上インストールされていて、その両方が同一のサーバーを選んだあとにそのサーバーへのランが成功した場合、発動する《セキュリティ試験》は1つだけです。得られるのは4でなく2です。《セキュリティ試験》は「カード群にアクセスすること」を「2得ること」に置換する能力であり、このゲームの置換効果は、1つの事象を2つ以上の事象に置換することができません。さらに、「このターンの最初のそのサーバーへのランの成功」という事象は、置換されたとはいえ確かに起こったものとしてカウントされます。そのため、そのターン中にもう一度そのサーバーへのランが成功したとしても、2つめの《セキュリティ試験》は発動できません(というより、このターンにもはや発動することはない)。リファレンスガイドの「序数事象」「置換効果」も参照のこと。
《ハデスの欠片 / Hades Shard》
《セキュリティ試験》がアーカイブを選んだあと、アーカイブへのランが成功したとき、アクセスを置換してグリップの《ハデスの欠片》をインストールした場合、置換できる事象は1つだけであるため、《セキュリティ試験》はそのターン発動しなくなります。
《銀行作業 / Bank Job》
《セキュリティ試験》が遠隔サーバーを選んだあと、そのサーバーへのランが成功したとき、《銀行作業》とは同時に発動条件が満たされます。前述のように、1つの事象の置換は1つの効果にしか置換できませんが、どちらも同じ条件で発動する条件節能力であるので、どちらを発動させるかはランナーの任意です。前述した《ハデスの欠片》についても同じことが言えます。ランナーは同じ条件によって発動したカードのうちどれを解決するか選びます。そして残されたカードには、もはや置換できる事象である「カード群へのアクセス」がありません。
《スニークドアβ / Sneakdoor Beta》
《セキュリティ試験》でHQを選んだあと、《スニークドアβ》を使用すると、《スニークドアβ》の常時効果によって「アーカイブへのランの成功」は「HQへのランの成功」に置換されます。その「HQへのランの成功」を置換することでランナーは2を得て、そしてHQのいかなるカードにもアクセスしません。
《セキュリティ試験》でアーカイブを選んだあと、《スニークドアβ》を使用すると、《スニークドアβ》の常時効果によって「アーカイブへのランの成功」は「HQへのランの成功」に強制的に置換されるため、《セキュリティ試験》は発動に失敗します(通常どおり《スニークドアβ》の処理を行います)。《スニークドアβ》は常時効果であり、条件節能力である《セキュリティ試験》に優先されます(リファレンスガイド「同時効果」参照)。そのターンの残りの間、ふたたびアーカイブへのランが成功したとしても、それは「このターンの最初のアーカイブへのランの成功」ではないため、《セキュリティ試験》は発動しません。
《セキュリティ試験》でHQを選んだあと、《スニークドアβ》を使用すると、《スニークドアβ》の常時効果によって「アーカイブへのランの成功」は「HQへのランの成功」に置換されます。これによりランナーは《ガブリエル・サンチャゴ / Gabriel Santiago》から2を得て、次いで《セキュリティ試験》から2を得、HQのいかなるカードにもアクセスしません。
《スニークドアβ》に関しては、「最終的にたどり着くサーバーへのランとして扱われる」と覚えるといいかもしれません。リファレンスガイド「成功した場合、~」も参照のこと。
《予算の流用 / Diversion of Funds》と《口座の吸い上げ / Account Siphone》
《セキュリティ試験》がHQを選んだあと、《予算の流用 / Diversion of Funds》や《口座の吸い上げ / Account Siphone》によるランが成功した場合、《セキュリティ試験》だけが発動し、HQへのアクセスを2獲得に置換して終わります。《セキュリティ試験》はランのタイミング構成[5.4]に相当する、「ランが成功した時」にアクセスを置換して発動します。一方、《予算の流用》や《口座の吸い上げ》は、「ランが成功していた場合に、カード群にアクセスする代わりに」発動する能力なので、ランのタイミング構成[5.5] で発動です。《セキュリティ試験》と併用されると、《予算の流用》や《口座の吸い上げ》は発動時点ですでに置換できるアクセスを失っているため、これらのカードは何もしません。リファレンスガイド「ランのタイミング構成」も参照してください。
◆ドーナツ・タガーネス / ◆Donut Taganes
リソース:コネ
任務とイベントのプレイコストは1増加する。
コスト: 3 / 派閥: 中立 / 影響: 2
個人的解説(文責:筆者)
コストがXであるカードのコストが1増加した場合、その1はXに含まれます。
どういうことか。《精神心理学 / Psychographics》を例に取ります。
《精神心理学 / Psychographics》プレイコスト: X
Xはランナーの所有するタグの数以下である。
アドバンス可能なカード1枚にX個のアドバンストークンを置く。任務 / NBN
問:
ランナーが3タグ所有していて《ドーナツ・タガーネス》を1枚インストールしていたとします。仮にコーポがクレジットをいくらでも出せるとして、《精神心理学》をプレイします。最高でいくらまで払えて、どれだけの効果がありますか?
当時のリードデザイナーLukasの答え:
カードの制限により、《精神心理学》には3クレジットまでしか払えません。ですからドーナツがインストールされているなら、3クレジット(2+ドーナツ1)払えて、カードにアドバンストークンを3個まで置けます。
ネットランナーにおいては以下の式が成立します。
X = X + 1
Lukasが「アンドロイド:ネットランナーで一番納得いかない裁定は?」とTwitterでユーザーに訪ねたところ、Redditの反応では「ネットランナー最悪の裁定」としてこれが多くのupvoteを受けました。
www.reddit.com
オーバーマインド / Overmind
プログラム:アイスブレイカー - AI
オーバーマインドのインストール時、未使用のMUひとつにつきパワーカウンターを1つそれの上に置く。
搭載されているパワーカウンター1つ:アイスのサブルーチンを1つブレイクする。
1: 強度+1。コスト: 4 / 強度: 0 / メモリ: 1 / 派閥: 中立 / 影響: 0
公式裁定
- 《オーバーマインド / Overmind》がインストールされるとそれ自体のMUもランナーのメモリ上限に数え、それのインストール時にパワーカウンターを得ます。
個人的解説(文責:筆者)
- 公式裁定は、それ自体をカウントするのかしないのかという、あるあるな質問ですね。
- 答えとしては単純にカウントすると。他にメモリコストを持つプログラムか、あるいはMUを増やすカードが存在しないなら、インストール時に載るパワーカウンターは3つということですね。
おわりに
《セキュリティ試験》と《ドーナツ・タガーネス》の各裁定、覚えていただけたでしょうか?
- 1つの事象の置換によって得られる効果は1つだけ
- 「ターンごと、最初に」がチェックする事象が何かに置換されたあとも、依然として1回目の事象としてカウントはされている
- 別のサーバーに移動する系は、最後にたどり着いたところへのランが成功したと考える
- 条件節能力と常時効果は、常時効果を先に解決
- X=X+1
これだけ覚えてしまえばいろんなカードの処理に困らないですし、というか、あの全然ビギナー向けじゃないビギナーズガイドを乗り越えて、拡張まで購入しているあなたならこんなの楽勝でしょう。他におわかりにならないことがあれば、Twitter(Fobby @RemoveNDiscard)や後述の質問箱からぜひ。
アンドロイド:ネットランナー終了については言及しませんでしたが…もう少しお待ちを…
質問箱
Fobbyの質問箱です | Peing -質問箱-
アンドロイド:ネットランナーのルールについてご相談なさりたいことがあればお気軽にお願いします。また、このブログのエラーなどお気づきの際はお教えいただけるとたいへん助かります。
読み方
- このブログは、Fantasy Flight Games社および株式会社アークライトと一切関係がありません。筆者(Fobby @RemoveNDiscard)がすべての文責を負います。
- このエントリ中の引用タグ内の日本語カードテキストはすべて拙訳であり、株式会社アークライトとは一切関係がありません。ただし、書式のみ、その製品を参考にしています。
- このエントリ中の《》内は、公式カード名です。公式に和名のあるものは《確実なギャンブル/Sure Gamble》のように併記します。
- 和名がわからないものは、拙訳したものをカッコ外に書きます。
- 例:《Sure Gamble》勝ち確のバクチ
- 和名がわからないものは、拙訳したものをカッコ外に書きます。
『アンドロイド:ネットランナー』ローテ落ち(スタン落ちみたいなもの)の対象カード一覧。日本語環境でもこれらのカードは使わないようにしませんか
ローテーションとは
アンドロイド:ネットランナーでは、健全な環境の維持と新規プレイヤーの参入促進のため、古くなった製品に封入されているカードを一定期間ごとに全部あるいは一部使用できなくしています。ローテ落ちしたカードをサポートするフォーマットはありません(2018 年 6 月 3 日現在)。なお、最初にローテーションが行われたのは、2017 年 10 月 1 日のことです。
www.fantasyflightgames.com
これから、日本語カードのうち、ローテ落ちしたものをリストアップします。それらのカードは、せーのでみんなが自分のコレクションの一番奥にしまいこんだほうが幸せになれると思います。それがなぜかは、後述します。
日本語版ローテ落ちリスト:旧基本セット
アナーク
- 《ノイズ:非凡なるハッカー/Noise: Hacker Extraordinaire》
- 《既視感/Déjà Vu》
- 《パラサイト/Parasite》
- 《ヨグ.0/Yog.0》
- 《グリモア/Grumoire》
- 《コローダー/Corroder》
- 《ワーム/Wyrm》
- 《メディウム/Medium》
- 《ワイルドサイド/Wyldside》
- 《ジン/Djinn》
クリミナル
- 《デスペラード/Desperado》
- 《ニンジャ/Ninja》
- 《口座の吸い上げ/Account Siphon》
- 《データ売人/Data Dealer》
- 《レムリア・コードクラッカー/Lemuria Codecracker》
- 《囮/Decoy》
シェイパー
- 《ケイト・"マック"・マキャフリー:デジタル修繕屋/Kate "Mac" McCaffrey: Digital Tinker 》
- 《ザ・ツールボックス/The Toolbox》
- 《ネット・シールド/Net Shield》
- 《アカマツ・メモリーチップ/Akamatsu Mem Chip》
中立ランナー
- 《グローバルセックへのアクセス/Access to Globalsec》
HB
- 《ハース=バイオロイド:未来を設計/Haas-Bioroid: Engineering the Future》
- 《促進βテスト/Accelerated Beta Test》
- 《企業のトラブルシューター/Corporate Trableshooter》
- 《経験的データ/Experiential Data》
ジンテキ
- 《セル・ポータル/Cell Portal》
- 《データ・マイン/Data Mine》
- 《財閥の忠誠/Zaibatsu Loyalty》
- 《チャム/Chum》
- 《アキタロー・ワタナベ/Akitaro Watanabe》
- 《予知/Precognition》
NBN
- 《臨時ニュース/Breaking News》
- 《衛星広告の試行/Astroscript Pilot Program》
- 《サンサン・シティーグリッド/SanSan City Grid》
- 《マトリクス・アナライザー/Matrix Analyzer》
ウェイランド
- 《賞金の提示/Posted Bounty》
- 《焦土/Scorched Earth》
- 《保安下請け/Security Subcontract》
- 《強引な交渉/Aggressive Negotiation》
- 《研究本部/Research Station》
日本語版ローテ落ちリスト:WC2015コーポデッキ「未来工学」
この他、計画書の《世界食料構想/Global Food Initiative》が制限入り(MWL 2.1)
計画書
- 《促進βテスト/Accelerated Beta Test》
- 《ニューアンゼルス警察との契約/NAPD Contract 》
資財
- 《イブキャンペーン/Eve Campaign》
- 《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard 》
強化
- 《カプリース・ニセイ/Caprice Nisei》
アイス
- 《イーライ1.0/Eli 1.0》
日本語版ローテ落ちリスト:WC2015ランナーデッキ「バレンシア」
この他、アイスブレイカーの《ファウスト/Faust》が禁止入り(MWL 2.1)
イベント
- 《口座の吸い上げ/Account Siphon》
- 《脅迫状/Blackmail 》
- 《クイーンズ・ギャンビット/Queen's Gambit》
リソース
- 《データ漏洩逆流/Data Leak Reversal》
- 《ジョシュア B./Joshua B.》
日本語版ローテ落ちリスト:WC2016コーポデッキ「メッセージの支配」
この他、計画書の《世界食料構想/Global Food Initiative》が制限入り、資財の《感応放画俳優協会/Sensie Actors Union》が禁止入り(MWL 2.1)
計画書
- 《衛星広告の試行/AstroScript Pilot Program》
- 《臨時ニュース/Breaking News》
資財
- 《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard》
強化
- 《サンサン・シティーグリッド/SanSan City Grid》
任務
- 《視聴率調査週間/Sweeps Week》
日本語版ローテ落ちリスト:WC2016ランナーデッキ「フィザード」
この他、《従業員のストライキ/Employee Strike》が制限入り、《テムジンとの契約/Temüjin Contract》が禁止入り(MWL 2.1)
ID
- 《フィザード:マスターゲーマー/Whizzard: Master Gamer》
イベント
- 《既視感/Déjà Vu》
ハードウェア
- 《プラスクレート外殻/Plascrete Carapace》
プログラム
- 《メディウム/Medium》
- 《パラサイト/Parasite》
そもそもサイクルやローテーションとは
「レッドサンド・サイクル」「キタラ・サイクル」のようなサイクルとは、テーマに沿った小拡張 6 パックの組のことです。小拡張は基本的に 20 種類のカード 3 枚からなるため、ひとつのサイクルはおおむね合計 120 種類のカードからなります。
ローテーションのルールは次のように定められています。同時に 5~7 つまでのサイクルが使用可能で、 8 つ目のサイクルの小拡張が 1 パック世に出るとともに、古い 2 つのサイクルがまとめて使用できなくなるというものです。
実例として、最初のローテーションが起こるまでは、
この 7 サイクル、合計42の拡張から約840種類のカード全てが使えました。しかし、ここにキタラ・サイクルが加わったことでローテーションが発生します。
この合計 31 の拡張から、約 620 種類のカードだけが使用できるということになりました。現在の Kitara は最後となる 6 パック目の拡張が出ているので、拡張は36個、カードは約720種類がリーガルということになります(なお、ローテ落ちが予告されていない基本セットと大拡張、およびキャンペーン拡張はこの計算から省いています)。
日本語環境もローテーションさせましょう!
SNS などで、多くの日本語環境プレイヤーが、ローテーションを度外視してこのゲームを遊んでいることを確認しています。この仕組みはあまり浸透していないようです。
現在使用可能なネットランナー製品(基本と拡張)は44個ありますが、日本語化されているのは16個だけです。そんな狭いカードプールからさらにカードを削るローテーションを採用することにネガティブな感情を抱くのは無理もありませんし、そもそも、お金を出して買ったものが遊べなくなることには誰しも抵抗を抱いて当然です。
基本セットのカードが予告なしにローテ落ちした時は、わたしも相当キレました。基本セットと大拡張はローテ落ちしないって言ってたから基本セットを 3 つ買ったのに!
にもかかわらず、わたしは日本語環境においてもローテーションを取り入れ、先述の日本語カードを使用できないようにするべきだと考えます。
なぜか。キタラ・サイクルは、ポスト・ローテーションを強く意識したサイクルであると開発者が公言しています。「キタラのこのカードは、ローテ落ちしたあのカードのリニューアルだな」とすぐにわかるカードがたくさんあります。そんなキタラのカードをすでにローテ落ちしたはずのカードと共存させることは、極めて不健全な環境を生む可能性が高いのです。
例えば
- 《口座の吸い上げ》と《予算の流用》が 3 枚ずつ、合計 6 枚入っている上、《デスペラード》を採用したデッキ
- 《パラサイト》と《トリパノ》が 3 枚ずつ、合計 6 枚入っている上、《コンパイル》に《グリモア》も採用したデッキ。やがて《Hivemind》も日本語化される
- 《ムティ・ムウェクンドゥ》と《カプリース・ニセイ》のコンボで、サイゲームに 2 連勝しないとランが成功しないデッキ
- キタラ・サイクルで各社に印刷された強力な 5/3 の計画書やコーポだけが計画書に変換できる資財のおかげで、計画書が HQ にあふれることが少なくなり、かつ「ランナーは最低でも 3 つの計画書を盗まないと勝てないが、コーポは計画書 2 つの得点と、一方的な資財 1 つの計画書への変換で勝利できる」という状況ができており、要するに計画書にまつわるコーポの悩みはかなり解消されたにもかかわらず、《ジャクソン・ハワード》が採用される
健全な環境を守るためのMWLによるサポートも日本にはないのに、このうえ開発陣の想定していないデッキやコンボが使われ続けると、日本のネットランナーにみんなうんざりしてしまうと思います。ローテーションの概念は、なんとしても日本にも浸透させるべきです。
おまけ:2017 年 10 月 1 日にローテ落ちしたサイクルとその拡張
第 2 版基本セット(Revised Core)に再録されたものを除き、これら拡張のカードはもはやサポート対象外で使用できません。英語版を購入する際はご注意ください。
- Core(旧基本セット)
- Genesis サイクル
- What Lies Ahead
- Trace Amount
- Cyber Exodus
- A Study in Static
- Humanity's Shadow
- Future Proof
- Spin サイクル
- Opening Moves
- Second Thoughts
- Mala Tempora
- True Colors
- Fear and Loathing
- Double Time
次のサイクルの拡張パックが全て発売された直後が最もカードプールが広い時期となりますが、次の次のサイクルの拡張パックが 1 つ発売されると、第 2 のローテーションが発生。 Lunar サイクルと SanSan サイクルがローテ落ちします。
英語版をご購入の際は、 Lunar と SanSan のローテ落ちがそれほど遠くないということも考慮したほうがいいかもしれません。大拡張も考えて、次のローテは 1 年半後、2019 年末くらいでしょうか。Lunar と SanSan のパックは以下となります。
『アンドロイド:ネットランナー』新大拡張 Reign and Reverie のカードが先行公開(公開完了につき更新終了)
ネタバレ注意!
収録カード
◆Algernon(アルジャーノン)
コスト: 0
: 1
プログラム君のターン開始時、 2 を支払うことで、を得てよい。そうした場合、君のターン終了時、このターンに君がランを成功させていない場合、 Algernon をトラッシュする。
「いっしょになれば、なんでもできそう!」Adam :5
- if you do, do A when X if Y の珍しい書式。
Office Supplies(事務用品)
コスト: 4
イベント君のリンク強度 1 につき Office Supplies のプレイコストは 1 減る。
4 得るかカードを 4 枚引く。
「ねえミリアム、最近いいことあった?」
Sunny: 3
Reboot (再起動)
コスト: 1
イベント:ランアーカイブへランを行う。成功した場合、カード群にアクセスするかわりに、ヒープのカードを 5 枚まで裏向きにインストールする。 Reboot をトラッシュするかわりにゲームから取り除く。
Apex: 5
- Apex は裏向きにカードをインストールできるランナーです。裏向きにインストールされたランナーのカードは表側の情報すべてを失っているので、他のランナーは、たとえば《イソップ質店 / Aesop's Pawnshop》でそれらをトラッシュしてクレジットを稼ぐくらいにしか Reboot を利用できないのですが、 Apex はインストール状態のカードをトラッシュすることをコストとして発動するカードをたくさん持っています。
Sportsmetal: Go Big or Go Home (スポーツメタル:やるならとことん)
ID:子会社
計画書が得点されるか盗まれるたび、 2 を得るか、カードを 2 枚引く。
もっと欲しい。
最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15
HB
Hyperloop Extension(ハイパーループ拡張)
計画書:拡張
Hyperloop Extension が得点されるか盗まれた時、コーポは 3 を得る。
「我々の分析は公共と民間、両部門からの強力な支持を示す。」
アドバンス要求: 3 / 計画ポイント: 1
HB
Meridian(メリディアン)
コスト: 3
アイス:バリアランナーが Meridian を -1 計画ポイントの計画書として自分の得点エリアに加えないかぎり、コーポは 4 を得てランの終了。
あなたはこれを通り抜けられない―これがあなたを通り抜ける。強度: 4
HB: 3
- もしかしたら「4を得る。そしてランナーは-1点の計画書としてこれを自分の得点エリアに加えないかぎり、ランの終了。」が正しいのかもしれませんが、プロモーションページの紹介に従って訳しています。ただ実際のカードの機能がプロモーションと異なることはちょくちょくあるので、裁定待ち。原文は以下。
Gain 4 and end the run unless the Runner adds Meridian to his or her score area as an agenda worth -1 agenda point.
Fast Break(ファストブレイク)
コスト: 4
任務X を得る。 X 枚までカードを引く。 X 枚までのカードを 1 つの遠隔サーバーの中やそれを守る位置にインストールする(全てのインストールコストは払う)。 X はランナーの得点エリアにある計画書の数である。
「なんということ!ノッている!」HB: 3
- これで『アンドロイド:ネットランナー』製品が公式に先行公開されるのも最後。
《Liza Talking Thunder: Prominent Legislator》リーザ・トーキング・サンダー:著名な国会議員
ID:G-モード
各ターン、最初に中央サーバーへのランが成功した時、カードを2枚引きタグを1つ受ける。
「ついてこられているつもり?」リンク強度: 0 / 最小デッキ枚数: 50 / 影響値上限: 15 / クリミナル
2枚ドローとタグを受けるのはどちらも強制。
2枚ドローは強力なのだが、50枚デッキという弱点があるなら能力にあまり意味がないような?タグ対策カードがない序盤、せっかく無防備な中央サーバーにランしづらいのも難しいところ。
《Hot Pursuit》緊急追跡
イベント:ラン
HQにランを行う。成功した場合、9を得てタグを1つ受ける。
「貴様を包囲した!今度こそ、マジで。」コスト: 2 / 派閥: クリミナル / 影響: 2
《Citadel Sanctuary》があればベストですが、タグをアクションで取り除いたとしても、普通にHQにアクセスできて差し引き5を得て、実質ダブルはまあまあ?《Zealous Judge》が怖いかも。
《◆Paragon》パラゴン
ハードウェア:コンソール
+1
各ターン、最初にランが成功した時、「1を得て、スタックの一番上のカードを見る」をしてよい。そうした場合、スタックの一番下にそのカードを加えてよい。
各プレイヤーのコンソールは1つまで。コスト: 3 / 派閥: クリミナル / 影響: 2
You may do A and do B. If you do, you may do C. という珍しい書き方。
《デスペラード / Desperado》を1ターンに1回にして、代わりにスタック操作能力をつけたコンソール。
《Broad Daylight》白昼堂々
計画書:保安
Broad Daylightを得点した時、悪名を1つ受けてよい。Broad Daylightの上に、君の所有する悪名1つにつき計画カウンターを1つ載せる。
, 搭載されている計画カウンター1つ:2ミートダメージを与える。この能力は1ターンに1度のみ使える。アドバンス要求: 4 / 計画ポイント: 2 / 派閥: ウェイランド
悪名利用カードでは比較的実用的?2枚得点したら大幅有利、3枚得点したら、ランナーにミートダメージへの対策がなければ勝ち。
《Under the Bus》裏切り
任務:触法 - Illict
ランナーが直前のターンに1枚でもカードにアクセスした場合のみプレイする。
コネのリソースを1つトラッシュして悪名を1つ受ける。コスト: 1 / 派閥: ウェイランド / 影響: 3
Trash 1 connection resource and take 1 bad publicity. つまり "do A and do B" の
書き方なので、コネがないときにプレイして、単に悪名を1つ受けるのにも使えそうですね。
《Film Critic》の上にまだ計画書が載っているあいだにこれでトラッシュして、計画書をアーカイブに戻すのもよさそう?
《Drudge Work》単純作業
資財
Drudge Workをレゾした時、その上にパワーカウンターを3つ置く。Drudge Workの上にパワーカウンターが残っていない時、それをトラッシュする。
, 搭載されているパワーカウンター1つ:HQかアーカイブの中の計画書を1つ公開する。その計画ポイントに等しいクレジットを得て、R&Dに加えてシャッフルする。コスト: 2 / トラッシュ: 3 / 派閥: ウェイランド / 影響: 2
計画書事故を解決します。放棄するための計画書カードをたくさんデッキに入れなければいけないウェイランドにおあつらえ向き。
《◆Miss Bones》◆ミス・ボーンズ
リソース:コネ
Miss Bonesをインストールした時、彼女の上に12を置く。Miss Bonesの上にクレジットが残っていない時、彼女をトラッシュする。
このクレジットはインストール状態のカードをトラッシュするのに使用する。
「殺せないなら、アテがある」コスト: 2 / 派閥: クリミナル / 影響: 不明
《フィザード / Whizzard》《掃除屋 / Scrubber》と違って、アンインストール状態のカードのトラッシュは不可能。
《◆Mind's Eye》◆マインド・アイ
ハードウェア:コンソール
+1
R&D へのランが成功するたび、これにパワーカウンターを 1 つ置いてよい。
, 搭載されているパワーカウンター 3 つ:R&D の一番上のカードにアクセスする。
各プレイヤーのコンソールは 1 つまで。
コスト: 3 / 派閥: シェイパー / 影響: 3
- 《eXer》《Nyashia》とのコンボが可能。
- 《Top Hat》《Equivocation》《The Turning Wheel》とはコンボになりません。
《Psyche Mike》プシュケー・マイク
リソース:コネ
各ターン、成功したR&D へのランが最初に終了した時、アクセスされたR&Dのカード 1 枚につき 1 を得てよい。
「落ち着いて。ねえ、落ち着いて。」アキコが涙をぬぐうと、マイクがぼんやり見えてきた。「何を見たの?」
「私…」アキコは口ごもった。「すべてを見た。」コスト: 1 / 派閥: シェイパー / 影響: 4
《Insight》洞察
イベント:ダブル
このイベントをプレイする追加コストとしてを消費する。
コーポは「R&D の一番上から 4 枚のカードを見て、それらを望む順番で組み替える」をしてよい。
R&Dの一番上から 4 枚のカードを公開する。
コスト: 0 / 派閥: シェイパー / 影響: 2
《Saraswati Mnemonics: Endless Exploration》サラスヴァティ・ニーモニック:終わりなき探求
ID:部署
, 1:HQ のカード 1 枚を遠隔サーバー内にインストールし、その上にアドバンストークンを 1 つ置く。次の君のターンが始まるまで、そのカードは得点もレゾもできない。
最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15 / 派閥: ジンテキ
《Jumon》じゅもん
計画書:調査
君のターン終了時、いずれかのサーバー内のカード 1 枚にアドバンストークンを 2 つ置く。
「じゅもん、あまりにじゅもん…」
アドバンス要求: 6 / 計画ポイント: 2 / 派閥: ジンテキ
- mayがないので、この能力は遠隔サーバー内にカードがある限り強制です。
- ターンのタイミング構成[3.4]で発動するので、この能力がトークンを置いたことで計画書のアドバンス要求が満されたとしても、コーポがそれを得点できるタイミングは直後のランナーのターン終了を待ってからということになります。
《◆API-S Keeper Isobel》◆蜜蜂管理者イソベル
資財:人物
君のターン開始時、インストール状態のカードの上からアドバンストークンを 1 つ取り除くことで、 3 を得てよい。
「適者生存こそが私たちの定期メンテナンスのすべて。」
コスト: 2 / トラッシュコスト: 4 / 派閥: ジンテキ / 影響: 2
《Neurostasis》神経症
※このカードのほんの一部ですがテキストが隠されているため、推測を含んだ訳になります。
資財:待ち伏せ
Neurostasisはアドバンス可能。
ランナーがNeurostasisにアクセスした時、君が 3 支払った場合、Neurostasisの上のアドバンストークン 1 つにつきインストール状態のランナーのカードを 1 つ選ぶ。ランナーは選ばれたカードをスタックに加えてシャッフルしなければならない。
コスト: 0 / トラッシュコスト: 不明 / 派閥: ジンテキ / 影響: 2
《Akiko Nisei: Head Case》アキコ・ニセイ:狂人
ID:クローン
R&D のカード群にアクセスするたび、君とコーポは 0か 1か 2を秘密裏に支払う。支払ったクレジットを公開する。君とコーポが同一の額のクレジットを支払っていた場合、 R&D のカードに追加で 1 枚アクセスする。
リンク強度: 1 / 最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 12 / 派閥: シェイパー
- ついにランナーがサイゲームを仕掛ける日が来ましたね。ただ、支払ったクレジットの額が同一であった場合に発動する点が通常と異なります。ランナーが決め打ちで 0支払い続けているだけでも厄介かも?
《◆Patchwork》パッチワーク
ハードウェア:コンソール
+1
1 ターンに 1 度、君がカードをプレイしようとするかインストールしようとする時、グリップのカードを 1 枚トラッシュすることで、そのプレイコストかインストールコストを 2 下げてよい。
各プレイヤーのコンソールは 1 つまで。
コスト: 4 / 派閥: アナーク / 影響: 3
- これ自体のインストールコストはこれの能力によって下げられそうにないですね。
《◆Dj Fenris》Dj フェンリス
リソース:コネ
Dj Fenris がインストールされた時、君の ID と派閥が異なる G - モードの ID を彼の上に搭載する。 Dj Fenris がアンインストールされた場合、搭載されていた ID をゲームから取り除く。
Dj Fenris は搭載されている ID のテキストを得る。
デッキに 1 枚制限。
コスト: 3 / 派閥: 中立 / 影響: 1
- ID を他のものと交換するカードはこれまでにもありましたが、これは ID を 2 つにします。
- 未発売だがこれから日本語化されるであろう ID も含め、日本語環境の G - モードをリストアップしたものが以下です。
派閥 | 名前 | 能力(マウスオーバー) |
---|---|---|
アナーク | MaxX | ターン開始時、スタックのミルとドロー *1 |
アナーク | レイナ・ローハ | 最初のアイスのレゾコスト +1。 *2 |
シェイパー | カボネサ・ウー | クリック消費でプログラムをサーチ *3 |
シェイパー | Hayley Kaplan | 最初にインストールしたら同タイプをインストール *4 |
シェイパー | ケイオス・セオリー | +1 *5 |
《The Outfit: Family Owned and Operated》ジ・アウトフィット:家族経営
ID:子会社
悪名を1つ以上受けるたび、3を得る。
我らの手段で事をなす。
最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15 / 派閥: ウェイランド
《バレンシア・エステヴェス / Valencia Estevez》の能力でコーポが悪名を「受ける」ことはなく、これは発動しません。
《Too Big to Fail》大きすぎて潰せない
任務:取引 - Illicit
君が 10 未満しか所有していない場合にのみプレイする。
7 を得て悪名を 1 つ受ける。
「これは脅迫状です!」
「いや、タカリだな」コスト: 0 / トラッシュ: 5 / 派閥: ウェイランド / 影響: 4
《Hangeki》はんげき
任務:報復 - 触法
ランナーが直前のターンにコーポのカードをトラッシュしていた場合にのみプレイする。
インストール状態のコーポのカードを 1 つ選ぶ。ランナーはそのカードにアクセスしてよい。そのランナーがそうした場合、 Hangeki をトラッシュする代わりにゲームから取り除き、そうでない場合、 Hangeki を -1 点の計画書としてランナーの得点エリアに加える。
コスト: 0 / 派閥: ジンテキ / 影響: 2
- インストール済みの《アークエンジェル / Archangel》にアクセスしたらやはりエンカウントが発生する?
- R&D のルートに1枚だけある強化にこれでアクセスさせたら、さっきの《Akiko Nisei》の能力は発動する?そうだとするなら、 Akiko が勝ったらどうなる?
- いくつか疑問の湧くカード。 UFAQ 待ち。
《Nathaniel "Gnat" Hall: One-of-a-King》ナサニエル "ナット" ホール:唯一無二
ID:ナチュラル
君のターン開始時、グリップにカードが2枚以下しかない場合、1を得る。
「やっべ、俺つえー。」
リンク強度: 0 / 最小デッキ枚数: 40 / 影響値上限: 15 / 派閥: アナーク
- フレーバーの "Damn, I'm good." は古い(といっても割と最近の?)ミームとのこと。
omfg this classic meme made it onto the latest ID's flavor text 😂😂 https://t.co/WhBHIQAnT9 pic.twitter.com/SrRAVadA1D
— Fetal.AI (@2netdamage) 2018年5月30日
《Guinea Pig》モルモット
イベント
グリップをトラッシュする。
10を得る。
「いいじゃない。」
コスト: 4 / 派閥: アナーク / 影響: 3
- グリップにトラッシュ可能なカードがない場合(《Guinea Pig》しかグリップにない場合)でもプレイ可能です。
《Cradle》クレイドル
グリップのカード 1 枚につき Cradle は強度 -1 。
2: コードゲートのサブルーチンを任意の数だけブレイクする。コスト: 4 / 強度: 5 / メモリ: 1 / 派閥: アナーク / 影響: 3
《Acme Consulting: The Truth You Need》アクメ・コンサルティング:あなたに必要な真実
ID:支社
サーバーを守っている最外殻のアイスにエンカウント中にランナーは追加のタグを 1 つ所有しているものと見なされる(0 タグ所有の場合でも)。
最小デッキ枚数: 45 / 影響値上限: 15 / 派閥: NBN
- 「追加のタグを 1 つ所有していると見なされている状態になる」という常時効果をこのカードがランナーへ与え続けるので、この追加のタグは誰にも取り除けないものと考えられます。
- アイスとのエンカウント中に他のカードをレゾするタイミングがないため、これで《Zealous Judge》をレゾするには工夫がいります。
《Hydra》ハイドラ
アイス:セントリー - 対人
ランナーがタグされている場合に 3 ネットダメージを与え、そうでない場合、ランナーにタグを 1 つ与える。
ランナーがタグされている場合に君は 5を得て、そうでない場合、ランナーにタグを 1 つ与える。
ランナーがタグされている場合にランの終了、そうでない場合、ランナーにタグを 1 つ与える。コスト: 10 / 強度: 6 / 派閥: NBN / 影響: 4
《Eavesdrop》盗聴
任務:触法 - 条件
Eavesdrop を「ランナーがホストのアイスにエンカウントするたび、トレース3 - 成功した場合、ランナーにタグを 1 つ与える。」のテキストを持ちアイスの上に搭載されている条件カウンターとしてインストールする。
「いや、音声は大丈夫。オフじゃない。」
コスト: 1 / 派閥: NBN / 影響: 2
- ホストのアイスがそもそも「エンカウント時」の能力を持っているなら、コーポのプレイヤーが《Eavesdrop》とホストのアイスをどの順番で発動させるか選びます。
- 1 つのアイスに複数の《Eavesdrop》を搭載することもできます。