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Android: Netrunner fan site

NISEI初の拡張、「ダウンフォール/Downfall」日本語版非公式リリースノート:コーポ編

『アンドロイド:ネットランナー』ファン拡張、日本語版も公開

FFG社は『アンドロイド:ネットランナー/Android: Netrunner』の展開を公式に終了させましたが、私も協力している非営利団体「NISEI」が非公式にカードを製作しています。今回、NISEIの初の拡張となる「ダウンフォール」の日本語版を公開することができました。無料で遊べます。

NISEI - ダウンフォール (Downfall) - 日本語

上記リンクから飛んで、「プリント&プレイPDF…」のところにある「A4 paper size, 3x copy」もしくは「A4 paper size, 1x copy」のハイパーリンクからPDFファイルをダウンロードしてください。この拡張は、全部で65種類のカードから成ります(ちなみに『創造と支配』は全55種類)。

プリント&プレイでカードゲームを遊ぶ場合、別途、不要なトレーディングカードなどの裏紙と不透明スリーブが必要となります。この記事も参照してみてください。
removeanddiscard.hatenablog.com


翻訳を担当した人間のけじめとして、非公式エラッタと新テンプレートの解説をさせていただきます。

アンドロイド:ネットランナーのサポートを継続する非営利団体、NISEIの初の拡張がダウンフォール/Downfallです。翻訳を担当した人間のけじめとして、特にややこしいと感じたカードを挙動や裁定を説明します。

ランナーのカードにつづいてコーポのカードを解説します。翻訳そのものの解説については日を改めます。ランナー編はこちら。
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エラッタとテンプレート解説はこちら。
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質問がございましたらTwitter@RemovenDiscardか、マシュマロへお願いします。
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ダウンフォール:コーポのカード

《ミラーモーフ:永遠の反復/MirrorMorph: Endless Iteration》

f:id:fobby:20190601132851p:plain

ID:部署



君のターンの第三のアクションの完了時、君が第一と第二と第三でそれぞれ異なるアクションを行っていたなら、「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」か「さらに異なるアクションを1つ、支払いを1f:id:fobby:20180521144012p:plain減らして行う」をしてよい。

Identity: Division



If the first, second, and third actions you take on your turn are different from each other, when the third completes, you may gain 1f:id:fobby:20180521144018p:plain or take another different action, paying 1f:id:fobby:20180521144012p:plain less.

もう少し詳しく

コーポが自身のターン中に第一のアクションと第二のアクションと第三のアクションでそれぞれ異なることを行っていたなら、その第三のアクションの完了時に「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」か、「さらに異なるアクションを1つ、消費クリックを1f:id:fobby:20180521144012p:plain減らして行う」のいずれかをしてよい。

裁定

非常に難解な能力です。

  • 最初の3アクションでそれぞれ別のことをしたら、第3アクションの完了時、1クレジット得るか、消費を1クリック下げて第四アクションを行うかのいずれかを選びます。
    • 《Jeeves Model Bioroids》の逆、と説明するとわかりやすいのですが、Jeevesは日本語化されていません。
  • アクションとは、アクションフェイズ中にクリックを消費してとる行動のことです。具体的には以下がコーポのアクションです。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:カードを1枚引く。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:アイスか資財か強化か計画書を1枚インストールする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:任務をプレイする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:カードを1回アドバンスする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:タグされているランナーのリソースをトラッシュする。
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:ウィルスカウンターをすべて破棄する。(パージ)
    • f:id:fobby:20180521144012p:plain:アクティブなカードが持つ「f:id:fobby:20180521144012p:plain能力」を使用する。
      • レゾや計画書の得点、コストにクリックシンボルのない消費型能力の使用などはアクションではありません。
    • アクションをカウントしているので、クリックが増えている状況なら、1つのターンで「ウィルスカウンターをすべて破棄(パージ)する」→「ダブルの任務をプレイする」→「カードを1枚引く」というふうにアクションを進めても発動します。
  • 同一ターンにAという任務をプレイし、次にBという任務をプレイした場合、「それぞれ別のアクション」と見なされません。
    • 例えば第一アクションで《ヘッジファンド/Hedge Fund》を、第二アクションで《レッドレベル・クリアランス/Red Level Clearance》を使ったら、それらは「任務のプレイ」という同一のアクションを行ったとみなされます。
  • 1ターンに同じ資財の同じ能力を繰り返し使うことは、「それぞれ別のアクション」と見なされません。
    • 例えば第一アクションで《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard》を使いカードを2枚引き、第二アクションでも同じ《ジャクソン・ハワード》からカードを2枚引いたら、同一のアクションを2度行ったと見なされます。
  • 1ターンに同名でありながら別のカードの能力をそれぞれ1度ずつ使った場合、「それぞれ別のアクション」と見なされます。
    • 例えば第一アクションで1枚目の《ナノ微細加工マトリクス/Nanoetching Matrix》を、第二アクションで2枚目の《ナノ微細加工マトリクス》を使ったら、それらは別々の能力を使用するという別々のアクションを行ったと見なされます。
  • 同じ資財でも、違う能力を同一ターンにそれぞれ1度ずつ使ったら、「それぞれ別のアクション」と見なされます。
    • 例えば、第一アクションで《MCA緊縮政策/MCA Austerity Policy》の第一の能力を使い、第二アクションで同じ《MCA緊縮政策》の第二の能力を使ったら、それらは別々のアクションを行ったと見なされます。
  • 第三アクションと第四アクションの間には、カードのレゾや計画書の得点、消費型能力の使用が可能となるウィンドウがありません
    • 第三アクションで《MCA緊縮政策/MCA Austerity Policy》をインストールしたなら、第四アクションの開始時点までにそれをレゾするチャンスがないため、それの能力を使えません。注意。
    • 第三アクションをコーポが行ったあと、第四アクションまでの間に《自己変形コード/Self-modifying Code》で《Clot》を探すことはできません。
  • 最終/terminalの任務を使うことで《ミラーモーフ》が発動した場合、第四アクションを行えませんが、1クレジットを得ることは選べます(2019/5/9より有効な、暫定の裁定です。なぜそうなるのかは不明なので、このルールは将来的に置き換わる可能性があります)

《フル稼働/Fully Operational》

f:id:fobby:20190603212753p:plain

任務



2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得るか、カードを2枚引く。最低1枚のカードが中にありかつ最低1つのアイスに守られている遠隔サーバー1つにつき1回、この手順を繰り返す。

ハースのサーバーの脆弱性は襲撃の直前に対策された。バイオロイドのオラクル連中はそれほど腕がいいのか、それともタレコミがあったのか?

Operation



Gain 2f:id:fobby:20180521144018p:plain or draw 2 cards. Repeat this process for each remote server with at least 1 card in it and at least 1 piece of ice protecting it.

Haas' unsecured servers were fortified just before the storm. Are their bioroid oracles that good, or were they tipped off?

もう少し詳しく

「『2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る』か、『カードを2枚引く』のいずれかを選ぶ。」を1+X回だけ解決する。Xは「中にカードがインストールされている状態でありつつ、アイスに守られている状態にもなっている遠隔サーバー」の数である。

解説

  • アイスだけで中身のない遠隔サーバーか、中身だけでアイスに守られていない遠隔サーバーは、いずれもこのカードに影響しません。
  • 文章の読み方について。条件を満たす遠隔サーバーが1つである場合、まず「2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得るか、カードを2枚引く。」を解決して、それを1回繰り返します。つまり、「2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得るか、カードを2枚引く。」を2回解決するのです。

裁定

  • このカード1枚の手順の繰り返しでクレジットを得るごとに、《NASX》は何度も発動できます。

《レッドレベル・クリアランス》

f:id:fobby:20190609124227p:plain

任務:取引



以下より2つを任意の順序で解決する。

  • カードを2枚引く。
  • 2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
  • 計画書でないカードを1枚までインストールする。
  • f:id:fobby:20180521144012p:plainを得る。



金庫にすべての秘密が隠されているとは限らない。

Operation: Transaction



Resolve two of the following in any order:

  • Draw 2 cards.
  • Gain 2f:id:fobby:20180521144018p:plain.
  • Install up to 1 non-agenda card.
  • Gain f:id:fobby:20180521144012p:plain.



Not all secrets lie in vaults.

裁定

これは、いわゆる「モード」のカードです。アンドロイド:ネットランナーの箇条書きモードは《Deuces Wild》が元祖で、それと同様のルールが適用されると思われます。

  • コーポは最初に解決する効果を選んで、その結果を見てから二番目の効果を解決します。
    • たとえば、まずカードを2枚引くことを選び、それにより《ヘッジファンド/Hedge Fund》を引けたので、この任務をプレイした当初は「2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る」をやろうかと思っていたけど変更する、といったことが起こりえます。
  • 同じ効果を2回選ぶことはできません。

モード以外について。

  • 「計画書でないカードを1枚までインストールする」、とは「最高で1枚まで」という意味です。コーポは0枚のカードをインストールすることを選べます。
    • コーポはカードを引いたりクレジットを得ることにリスクがあるので、それらを選びたくない場合に行います。レアケースですが。
    • その場合はカードは実際にはインストールされていないので、「カードをインストールするたび」とか「サーバーを作るたび」といった条件を満たしません。
    • 従来のテンプレートと違って「すべてのコストは支払う」と書いてありませんが、NISEIのテンプレートでは、このようにコストに言及がない場合は支払う必要があります。

《ヒョウブ学会:絶対的明快》

f:id:fobby:20190605073543p:plain

ID:部署



各ターン、君が最初にカードを公開した時、1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:グリップのランダムなカード1枚か、スタックの一番上のカードを公開する。

根掘り葉掘り。

Identity: Division



The first time each turn you reveal a card, gain 1f:id:fobby:20180521144018p:plain.

f:id:fobby:20180521144012p:plain: Reveal a card from the grip at random or the top card of the stack.



No Stone Unturned.

もう少し詳しく

君がカードを公開した時、コーポのターンであれランナーのターンであれ、それがそのターンで初めての「コーポによるカードの公開」であったなら、君は1f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:「グリップのランダムなカード1枚を、コーポが公開する」か、「スタックの一番上のカードをコーポが公開する」のいずれかを解決する。

裁定

  • 「君が公開した時」であることにご注意。ランナーがR&Dの《罠!/Snare!》を公開しても《ヒョウブ学会》には影響しません。
  • 公開とは、アンインストール状態、つまり山札、手札、捨て札置き場のいずれかにある裏向きのカードの表側を、一時的に両プレイヤーが見えるようにすることです。

《ヤギ・ウダ計画/Project Yagi-Uda》

f:id:fobby:20190605073628p:plain

計画書:研究



この計画書を得点した時、これに3個より多く置かれたアドバンストークン1個につき、計画カウンターを1個これに置く。
搭載されている計画カウンター1個:HQの中のカード1枚を、「攻撃されているサーバーを守っているカード1枚」か、「攻撃されているサーバーの中のカード1枚」と入れ替える。ランナーはジャックアウトしてよい。この能力の使用はラン中にのみ。

Agenda: Research



When you score this agenda, place 1 agenda counter on it for each advancement token on it over 3.

Hosted agenda counter: Swap a card in HQ with a card in or protecting the attacked server. The Runner may jack out. Use this ability only during a run.

もう少し詳しく

この計画書を君が得点した時、この計画書の上にX個のカウンターを置く。Xはこの計画書が得点された時に、この計画書に搭載されていたアドバンストークンの数-3である。そのカウンターを計画カウンターと呼ぶ。(もしくは、得点したこの計画書から3個のアドバンストークンを取り除いた後、残ったアドバンストークンを計画カウンターと呼び替えてもよい。)
ラン中に、これに搭載されている計画カウンター1個を取り除いてトークンバンクに戻す:「現在ランされているサーバーを守っているアイスのカード1枚」か、「現在ランされているサーバーの中にインストールされている資財か強化か計画書であるカード1枚」のいずれかを、HQの中(つまり手札)のカード1枚と入れ替える。そうしたなら、ランナーはジャックアウトすることを選んでもよい。そのランナーがそうしなかった場合、通常どおりにランを継続する。

解説

  • 「攻撃されているサーバー」とは「現在ランされているサーバー」のことです。

裁定

  • 各ランの最初のアイスへのアプローチ中に《ヤギ・ウダ計画》が使用され最初のアイスが入れ替わったなら、最初のアイスへのアプローチであるにもかかわらず、《ヤギ・ウダ計画》それ自体の能力によりランナーはジャックアウトを選べます。
  • 「入れ替え」は、インストールのルールを守らなければいけません。
    • たとえば、資財をアイスのように、サーバーを守っている状態でインストールしたり、ひとつのサーバーの中に領域である強化を2枚以上インストールすることはルール上できないので、入れ替えもそうしたルールを破ることはできません(後者については、この拡張が発売されるまではできたので注意)
  • このカードのように、「アンインストール状態のカードと、インストール状態のカードの入れ替え」が起こった場合は、もともとインストール状態だったカードの状態が引き継がれることはありません。。
    • インストール状態だったカードに搭載されていたカードやトークンが、さっきまでアンインストール状態でいま入れ替えられたカードに引き継がれることはなく、搭載されていたカードやトークンはすべてトラッシュされるかバンクに戻ることになります。
    • レゾ状態のカードと入れ替えられた、さっきまでアンインストール状態でHQにあったカードは、非レゾ状態でプレイエリアに出ます。

《イメージの完成/Complete Image》

f:id:fobby:20190605073706p:plain

任務:最終-触法



この任務の解決後、君のアクションフェイズは終わる。
直前のターンにランナーがランを成功させていて、かつそのランナーが3点以上の計画ポイントを持つ場合にのみプレイする。
カード名を1つ指定し、その後に1ネットダメージを与える。指定された名前のカードを君がトラッシュした場合、この手順を繰り返す。

Operation: Terminal



After you resolve this operation, your action phase ends.

Play only if the Runner has 3 or more agenda points and they made a successful run during their last turn.

Name a card, then do 1 net damage. If you trash a copy of the named card, repeat this process.

もう少し詳しく

この任務を解決したら、君のアクションフェイズは終わる。(君は残りのクリックをすべて失う。)
この任務がプレイできるのは、直前のターンにランナーがランを成功させていて、かつそのランナーが3点以上の計画ポイントを持っている場合のみである。
カード名を1つ指定し、その後に1ネットダメージを与える。指定された名前のカードを君がトラッシュした場合、この手順を繰り返す。

裁定

  • 「この手順を繰り返す」の部分も含めて繰り返します。
    • よって、トラッシュされるカードの名前を当てた場合は、1回だけ繰り返し、2ネットダメージを与えて終わり、ではありません。名前を当て続けているかぎり、半永久的に「カード名を1つ指定し、その後に1ネットダメージを与える」を繰り返します。

《ゲーム・オーバー/Game Over》

f:id:fobby:20190603211337p:plain

任務:不正-触法



ランナーが直前のターンに計画書を盗んでいた場合にのみプレイする。
ランナーのカードタイプを1つ選ぶ。アイスブレイカでないそのタイプのインストール状態のカードをすべてトラッシュする。ランナーは3f:id:fobby:20180521144018p:plainずつの支払いをもって、それらカードのうち望むものがトラッシュされることを妨害してよい。悪名を1つ受ける。

まっくらやみた”。トロルにたへ”られてしまうかもしれない。

Operation: Illicit - Gray Ops



Play only if the Runner stole an agenda during their last turn.

Choose a Runner card type. Trash all installed non-icebreaker cards of that type. The Runner may prevent any of those cards from being trashed by paying 3f:id:fobby:20180521144018p:plain each. Take 1 bad publicity.



It is pitch black. You are likely to be eaten by a Troll.

解説

  • これをプレイしたら、コーポが選んだタイプのカードを、アイスブレイカーのサブタイプを持つものを除いてすべてトラッシュします。ランナーは望むカード1枚のトラッシュを、3クレジット支払うことで妨害できます。
  • 悪名を受けるのを忘れがち。ご注意。

裁定

  • 選んで有効なタイプは「プログラム」か「リソース」か「ハードウェア」です。ただしそれらに「アイスブレイカー」のサブタイプがあるとトラッシュされません。「プログラム:アイスブレイカー-フラクター」や「プログラム:アイスブレイカー-AI-ウィルス」などはトラッシュされません。
    • IDとイベントはインストールされないので、選ぶことはできますがトラッシュされません。
  • 現在インストールされていないカードのタイプを指定することも可能です(《Ark Lockdown》の裁定より)。そうした場合、コーポは悪名を1つ受けるのみで終わります。

《ドロップ率上昇/Increased Drop Rate》

f:id:fobby:20190605073240p:plain

強化:待ち伏せ



ランナーがR&Dでこのカードにアクセスしているかぎり、そのランナーはこれを公開しなければならない。
ランナーがこのカードにアクセスした時、そのランナーがタグを1つ受けないかぎり、悪名を1つ取り除く。

ウルトラ神話レアのチャンス↑!↑!↑!ヴォーパル・トミーガン[エピック]と縞模様のスーツ[コスメティック]のドロ率が10倍!今ならもらえる!

Upgrade: Ambush • Rez: 0



While the Runner is accessing this card from R&D, they must reveal it.

When the Runner accesses this card, remove 1 bad publicity unless they take 1 tag.



Ultra-Mythic chance ↑!↑!↑! Free Vorpal Tommy Gun [epic] and pinstripe suit [cosmetic] with 10x buy-in!

裁定

  • ランナーは《ドロップ率上昇》のタグを回避できません。タグを1つ受けるか、タグを受けないでコーポに悪名を取り除かせるのかを決定してください。
    • 「AしないかぎりB」、とは、「Aという内包コストを支払わないかぎり、Bを受ける」という意味を持つよう、本拡張でルールが改定されました。
    • コストとして行うものごとを妨害することはできません。

投資信託の撤退/Divested Trust》

f:id:fobby:20190605073238p:plain

計画書



ランナーが他の計画書を盗むたび、この計画書を放棄することで、「5f:id:fobby:20180521144018p:plainを得て、そして盗まれた計画書をHQに加える」をしてよい。

文書の通り、彼らは8か月ものあいだ完全に独立した財務実体として動いていました。警戒の緩みに言葉もないのは我々も同じです。市役所の調査を全面的に支持します。

Agenda



Whenever the Runner steals another agenda, you may forfeit this agenda to gain 5f:id:fobby:20180521144018p:plain and add the stolen agenda to HQ.

As the documents show, for eight months they have operated as an entirely independent fiscal entity. We are as appalled at the carelessness as you are, and fully support City Hall's investigation.

  • 取り返しても計画書を盗んだ事実は消えないので、《懲罰的反撃/Punitive Counterstrike》のダメージは加算されます。
  • 盗まれた計画書がランナーの得点エリアに置かれてから発動するので、それによってランナーの得点エリア内の計画ポイントの合計が7点以上になったのなら、《投資信託の撤退》が発動する前にランナーが勝利してゲームが終わります。

《SDS無人偵察機配備》

f:id:fobby:20190605073235p:plain

計画書:保安



この計画書を盗むための追加コストとして、ランナーはインストール状態のプログラムを1つトラッシュしなければならない。
この計画書を得点したとき、インストール状態のプログラムを1つトラッシュする。
無人偵察機は精密機器。巻き添えになった連中も何かのターゲットだったんだろ」
──チーフ・“ピンシー”・ウィルソン

Agenda: Security



As an additional cost to steal this agenda, the Runner must trash an installed program.

When you score this agenda, trash an installed program.



"Drones are precision instruments. Collateral damage is merely an undisclosed target." -Chief "Pinchy" Wilson

解説

  • ランナーが盗んだ場合、トラッシュされるプログラムはランナーが決めます。
    • そのトラッシュは妨害できません。
  • コーポが得点した場合、トラッシュされるプログラムはコーポが決めます。
    • そのトラッシュは妨害できます。

《アフシャー/Afshar》

f:id:fobby:20190605073749p:plain

アイス:コードゲート
このアイスがHQを守っているかぎり、各エンカウント中、ランナーはこれの表記サブルーチンを1つより多くブレイクできない。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーは2f:id:fobby:20180521144018p:plainを失う。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランの終了。

解説

  • これがHQを守っているかぎり、ランナーはこれの表記サブルーチンを1つしかブレイクできません。
  • HQ以外では《エニグマ/Enigma》とほとんど同じですが、HQを守っているあいだは、アナークではもっとも人気のデコーダー《Black Orchestra》でこれを通過するのに5f:id:fobby:20180521144018p:plainかかる、「1度のエンカウントでアイスのサブルーチンをすべてブレイクした時」の条件を満たせないなど、さまざまな強みがあります。

《ライム/Rime》

f:id:fobby:20190605073811p:plain

アイス:ミシック



このサーバーへのラン中、アイスでないカードをレゾできうればいつでも、君はこのアイスをレゾできる。
このサーバーを守っている各アイスは強度+1を持つ。
f:id:fobby:20180504113638p:plainランナーは1f:id:fobby:20180521144018p:plainを失う。

ICE: Mythic
During runs on this server, you can rez this ice any time you could rez non-ice cards.

Each piece of ice protecting this server has +1 strength.

f:id:fobby:20180504113638p:plainThe Runner loses 1f:id:fobby:20180521144018p:plain.

  • 「アイスでないカードをレゾできうればいつでも」とは、《ライム》は通常どおりのアイスをレゾ可能な消費型能力ウィンドウのほかにも、資財などをレゾできる消費型能力ウィンドウのたびにいつでもレゾできるということです。
    • 《財閥の忠誠/Zaibatsu Loyalty》や《テュールの手/Tyr's Hand》のような、特別なタイミングでレゾできるカードをレゾしたからといって、そのウィンドウ内で《ライム》をレゾできるという意味ではありません。
  • なお、アイスブレイカーなどアイスに作用できるカードを使用できる消費型能力ウィンドウでは、ルール上いっさいのカードをレゾできません。そのため、《ライム》もレゾできません。
    • 《“バクラン”・ボチキン/"Baklan" Bochkin》のような「エンカウントしているアイスをデレゾする」の能力でこれをデレゾしたランナーを、《ライム》の再レゾですぐに止める、ということはできません。

NISEI初の拡張、「ダウンフォール/Downfall」日本語版非公式リリースノート:ランナー編

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ダウンフォール:ランナーのカード

《チゼル/Chisel》

f:id:fobby:20190529201916p:plain

プログラム:ウィルス



アイス1つの上にのみインストールする。
搭載されているウィルスカウンター1つにつき、ホストのアイスは強度-1を持つ。
ホストのアイスにエンカウントした時、それの強度が0以下である場合、それをトラッシュする。そうでなければ、このプログラムにウィルスカウンターを1つ置く。

(ザクッ)(ザクッ)(ザクッ)

Program: Virus



Install only on a piece of ice.

Host ice has -1 strength for each hosted virus counter.

When you encounter host ice, if its strength is 0 or less, trash it. Otherwise, place 1 virus counter on this program.



_*tap* *tap* *tap*

もう少し詳しく

これは通常のプログラムと違い、いずれかのアイスをランナーが選びその上に搭載するかたちでのみインストールできる。何らかの効果がそれ以外の場所にこのプログラムを移し替えたら、これはトラッシュされる(妨害できない)。
この《チゼル》というプログラムに搭載されているウィルスカウンター1つにつき、ホストであるアイスの強度は-1される。
ランナーがホストのアイスにエンカウントした時に、そのアイスの強度が0以下であったなら、そのアイスはトラッシュされる。そうでなくてアイスの強度が1以上であったなら、このプログラムの上に、トークンバンクから取り出したトークンを1つ置く。以降そのトークンのことを「ウィルスカウンター」と呼ぶ。これによりホストのアイスが強度0以下になったとしても、現時点でそのアイスはトラッシュされない。

解説
  • 旧基本セットの《パラサイト/Parasite》やキタラ・サイクルの《トリパノ/Trypano》のリメイク。
  • 「0以下」なので、0を含みます。アイスの強度が0ならトラッシュです。
裁定
  • 《チゼル》を自身の上にインストールされたアイスは「《チゼル》のホスト/host」となり、《チゼル》は「ホストのアイスに搭載されている状態/hosted」になります。
    • 一見《チゼル》はランナーのリグにインストールされていませんが、メモリーユニット1をしっかり消費します。
  • その後、《チゼル》のホストのアイスにランナーがエンカウントするたび、《チゼル》にウィルスカウンターが1つ乗るか、アイスをトラッシュするかの判定が行われます。
  • 「搭載されているウィルスカウンター1つにつき、ホストのアイスは強度-1を持つ」という記述は、「チゼルに搭載されているウィルスカウンター1つにつき、チゼルのホストのアイスは強度-1を持つ」と読みかえが可能です。
  • 《チゼル》のウィルスカウンター1つにつきホストのアイスの強度が-1されることを利用し、ホストのアイスの強度を0以下にできている状態でエンカウントすることで、そのアイスはトラッシュされます。
  • ホストのアイスの強度がまだ0以下でないなら、《チゼル》にウィルスカウンターが1つ乗ります。
  • 《チゼル》によるアイスのトラッシュ効果は「エンカウントした時」のみに判定されることに気をつけてください。「エンカウントした時」に載ったウィルスカウンターによってホストのアイスの強度が0以下になっても、そのエンカウントではまだアイスをトラッシュできません。
    • また、「エンカウントした時」が終わってからのみ使用できる《データサッカー/Datasucker》で強度を下げても、ホストのアイスのトラッシュに寄与できません。
      • なお、《アイス彫刻家/Ice Carver》は常時能力です。アイスにエンカウントしたら、《アイス彫刻家/Ice Carver》が先にアイスの強度を-1してから《チゼル》を解決するので、コンボが成立します。
    • アイスの強度が最初から0であるなら、《パラサイト》ならインストールした途端にトラッシュできましたが、《チゼル》は一度目のエンカウントでようやくトラッシュされます。
  • ホストのアイスがトラッシュされたなら、《チゼル》もトラッシュされます(妨害できません)。
    • そうしたなら、ホストのアイスはアーカイブへ、《チゼル》はヒープに、それぞれ移動します。
  • 1つのアイスに搭載できる《チゼル》の数に制限はありません。
    • 仮に2枚の《チゼル》を基本強度3のアイスにまとめて搭載したとします。そのアイスに一度エンカウントしたら、それぞれの《チゼル》にウィルスカウンターが1つ乗るので、ホストのアイスの強度は1になります。
      • もう一度そのアイスにエンカウントしたら、1つめの《チゼル》に、2つめのウィルスカウンターが乗ります。これによりホストの強度は0になります。そのエンカウントで2つめの《チゼル》も解決されるため、このエンカウントでホストのアイスはトラッシュされます。

《クライマックスの決戦/Climactic Showdown》

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リソース



君のターンの開始時、このリソースをゲームから取り除く。アイスに守られているサーバーを1つ選ぶ。コーポはそのサーバーを守っているアイスを1つトラッシュしてよい。そのコーポがそうしなかった場合、このターン、R&DかHQのカードに最初にアクセスした時、そのサーバーのカードに追加で2枚アクセスする。

Resource



When your turn begins, remove this resource from the game. Choose a server protected by ice. The Corp may trash a piece of ice protecting that server. If they do not, the first time this turn you access cards from either R&D or HQ, access 2 additional cards from that server.

もう少し詳しく

ランナーのターンの開始時、このリソースをゲームから取り除く。これは強制である。その後、ランナーは「1つ以上のアイスに守られているサーバー」をいずれか1つ選ぶ。そうしたら、コーポはそのサーバーのアイスのいずれか1つを選んでトラッシュしてもよい。コーポが、選ばれたサーバーのいずれのアイスのトラッシュも拒否したなら、このターンにランナーがR&DかもしくはHQかのどちらか1つにアクセスする時、それがそのターン初めてのR&DかもしくはHQかのどちらか1つへのアクセスであるなら、これからアクセスするそのR&DかもしくはそのHQのカードに追加で2枚アクセスする(つまり、他に能力が絡まないなら合計3枚アクセスする)

解説
  • リソースですが、1ターンまたいでから発動するイベントのようなイメージで使います。
  • ランナーのターン開始時に必ずゲームから取り除かれます。なんらかの効果を用いないと止められません。
裁定
  • コーポがアイスのトラッシュを拒否したのなら、ランナーがそのターンにR&DかHQのどちらかに初めてアクセスした時、追加でそのサーバー(R&DのカードにアクセスしているならR&D、HQならHQ)のカードに2枚アクセスします。
    • つまり、他に効果がないなら合計3枚アクセスです。
    • R&DかHQ、どちらかのサーバーにアクセスしたら、効果は終わります。
      • つまり、このカードの効果が作用しているターンに、仮にR&Dにアクセスしたあとは、もうそのターンにHQにアクセスしても《クライマックスの決戦》は影響しません。
  • ランナーのターン開始時に、場にアイスに守られているサーバーが1つもなく、そのランナーが「アイスに守られているサーバーを1つ選ぶ」を解決できないなら、この能力はそこで終了し、残りの効果を解決しません。

《フェンサー・フエノ/Fencer Fueno》

f:id:fobby:20190529204017p:plain

リソース:仲間-仮想



君のターンの開始時か計画書を盗んだ時、このリソースに1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
ランを成功させるたび、そのランの残りの間、君は搭載されているクレジットを消費してよい。
君のターンの終了時、搭載されているクレジットが3以上である場合、「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを支払う」か「このリソースのトラッシュ」をしなければならない。

友達はあなたの壁を破る。

Resource: Companion - Virtual



When your turn begins or you steal an agenda, place 1f:id:fobby:20180521144018p:plain on this resource.

Whenever you make a successful run, you may spend hosted credits for the remainder of that run.

When your turn ends, if there are 3 or more hosted credits, you must pay 1f:id:fobby:20180521144018p:plain or trash this resource.



Friends break your walls.

もう少し詳しく

ランナーのターンの開始時か、ランナーが計画書を盗んだ時、このリソースの上に1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
ランが成功した時は、そのランが終わるまでのあいだ(つまりカードのアクセスに絡む処理)に、ランナーはこのリソースの上のクレジットを好きなだけ使ってよい。
ランナーのターンの終了時にこのリソースに3f:id:fobby:20180521144018p:plain以上あるなら、「1f:id:fobby:20180521144018p:plainを支払う(このリソースの上から支払えないことに注意)」か、「このリソースをトラッシュする」かのどちらかをランナーは選ばなければならない。

解説
  • ターン開始時だけでなく計画書にアクセスした時もクレジットが増えるのですが、非常に処理を忘れやすいので気をつけてください。
  • ターン終了時に3クレジット以上ある場合の処理が《トリックスター・タカ/Trickster Taka》と異なることに注意。
  • ランが成功したら、そのランの残りの間に《フェンサー・フエノ》を使えます。
    • 具体的にはカードのトラッシュコスト支払い、《燻製ニシン/Red Herrings》への追加コスト支払い、《未来完了/The Future Perfect》のサイゲームへの支払いなど。

虚無主義者/The Nihilist》

f:id:fobby:20190529200259p:plain

リソース:コネ-裏世界



各ターン、ウィルスのプログラムを最初にインストールした時、このリソースにウィルスカウンターを2つ置く。
君のターンの開始時、君のインストール状態のカードから望むウィルスカウンターを2つ取り除いてよい。そうした場合、コーポがR&Dの一番上のカードをトラッシュしないかぎり、君はカードを2枚引く。

「……ま、俺は笑ってるぜ」

Resource: Connection - Seedy



The first time each turn you install a virus program, place 2 virus counters on this resource.

When your turn begins, you may remove any 2 virus counters from your installed cards. If you do, draw 2 cards unless the Corp trashes the top card of R&D.



"...well, I'm laughing."

もう少し詳しく

ウィルスというサブタイプを持つプログラム(例えば「プログラム:ウィルス」や、「プログラム:アイスブレイカー-AI-ウィルス」のことである)をランナーがインストールした時、それがそのターン(コーポのターンでもランナーのターンでもよい)の一度目となる「ランナーによる、ウィルスというサブタイプを持つプログラムのインストール」であるなら、この《虚無主義者》というリソースの上に、トークンバンクから取り出したトークンを2つ置く。以降、それらのトークンのことを「ウィルスカウンター」と呼称する。

ランナーのターンの開始時、ランナーは、自身のインストールしたカードの上から、任意のウィルスカウンターをちょうど2つ選んで取り除くことを選んでもよい。もしランナーがそうしたなら、コーポは「R&Dの一番上のカードをトラッシュする」ことを解決するかしないか決定する。コーポが解決を拒否したか、あるいは解決できなかった場合、ランナーはスタックのカードを2枚引く。

解説
  • 旧基本セット収録で現在はスタン落ちしている《ノイズ/Noise》と《ワイルドサイド/Wyldside》をあわせたような能力です。
  • 大雑把に言って、「ウィルスのプログラムをインストールすれば2ドロー」というカードとして機能するでしょう。
    • コーポがR&Dのカードのトラッシュを選んで得することがほとんどないためです。
  • 「各ターン、最初に」という言い回しを「ランナーのターンの1クリック目に」という意味であるかのように誤解しないように注意してください。
    • プログラムは《自己変形コード/Self-modifying Code》などを使えば、たとえばランナーのターンの1クリック目の前の消費型能力ウィンドウでインストールでき、それにより《虚無主義者》にウィルスカウンターを2つ載せた状態で「ランナーのターン開始時」を迎えられます。
    • 「各ターン」という語は常にランナーとコーポの両方のターンを含みます。
      • ですから、コーポのターンに《クローン • チップ/Clone Chip》を使ってウィルスのプログラムをインストールしても、これは発動します。
    • そのターンにウィルスのプログラムをインストールする前に、ウィルスでないプログラムをインストールしていたとしても、これは発動します。
  • 「ウィルスカウンター」として用いるトークンは、基本セットに付属の赤青の汎用トークンでもいいし、ダイスでもいいでしょう。
裁定
  • 2つのウィルスカウンターは、同一のカードから取り除く必要はありません。2枚のカードから1つずつ取り除くこともできます。
  • 「君の」つまりランナーのインストール状態のカードのみが対象となるので、《サンドストーン/Sandstone》の上のウィルスカウンターは取り除けません。
  • R&Dが空で「一番上のカードをトラッシュする」の義務をコーポが果たせない場合、ランナーは必ずカードを2枚引きます。

トリックスター・タカ/Trickster Taka》

f:id:fobby:20190530190614p:plain

リソース:ステルス-仲間-仮想



君のターンの開始時か計画書を盗んだ時、このリソースに1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
搭載されているクレジットはプログラムへ消費する。
君のターンの終了時、搭載されているクレジットが3以上である場合、「タグを1つ受ける」か「このリソースのトラッシュ」をしなければならない。

友達があなたの恐れを覆う。

Resource: Stealth - Companion - Virtual



When your turn begins or you steal an agenda, place 1f:id:fobby:20180521144018p:plain on this resource.

Spend hosted credits to use programs during runs.

When your turn ends, if there are 3 or more hosted credits, you must take 1 tag or trash this resource.



Friends hide your fears.

もう少し詳しく

ランナーのターンの開始時か、ランナーが計画書を盗んだ時、このリソースの上に1f:id:fobby:20180521144018p:plainを置く。
ランをしている間、プログラムの持つ能力を直接使用するためのコスト支払いにこれのクレジットを自由に使ってよい。
ランナーのターンの終了時にこのリソースに3f:id:fobby:20180521144018p:plain以上あるなら、「タグを1つ受ける」か「このリソースをトラッシュする」か、ランナーはどちらかを選ばなければならない。

解説
  • ターン開始時だけでなく計画書にアクセスした時もクレジットが増えるのですが、非常に処理を忘れやすいので気をつけてください。
  • ターン終了時に3クレジット以上ある場合の処理が《フェンサー・フエノ》と異なることに注意。こちらはタグです。
  • ステルスなので、日本語環境であれば《ダガー/Dagger》とシナジーがあります。
    • ステルスデッキユーザーには常識ですが、アイスブレイカーの強度上昇能力は消費型能力ウィンドウが開いていればいつでも使えるので(そうしたら、そのアイスブレイカーは即座に基本強度に戻る)、これの上のクレジットを調節するテクニックとして、無目的にランをして無目的にアイスブレイカーの強度を上げるのもいいでしょう。
裁定
  • このタグを受けることを選んでから、何らかの効果でそのタグを回避することは認められます。そうすれば、トラッシュされることなく次のターンに持ち越すことができます。

《常に二の矢を継げるよう/Always Have a Backup Plan》

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イベント:ラン



望むサーバーにラン。そのランの終了時、それが失敗していた場合、ランのためのあらゆる追加コストを無視してそのサーバーへ再びランしてよい。一度目のランで最後にエンカウントしたアイスに、二度目のラン中にエンカウントした時、それを迂回する。

「ピンチの時ほど彼女は頼れるってみんな言ってた」
──アズ・マキャフリー

Event: Run



Run any server. When that run ends, if it was unsuccessful, you may run that server again, ignoring any additional costs to run. During the second run, when you encounter the last ice you encountered in the first run, bypass it.

"Everyone told me she was reliable in a pinch."
_-Az McCaffrey

もう少し詳しく

ランナーはいずれかのサーバーを選び、そこへランを行う。そのランが失敗して終了した時、そのサーバーにもう一度ランを開始してよい(ランの開始を選択した場合、もし何らかの効果がランに追加コストを要求するならそれは支払わないが、あたかも支払ったかのように扱う。これを「コストを無視する」と呼ぶ)。一度目のランで最後にエンカウントしたアイスに、二度目のランでもう一度エンカウントした時、そのアイスを迂回する。

解説
  • 迂回するアイスをある程度選べる《内部犯行/Inside Job》です。
裁定
  • ランが失敗するとは、成功していないランが、そのサーバーがまだ存在するにもかかわらず終了することです。
    • ジャックアウトする、「ランの終了」の効果を受ける、などはランの失敗です。
    • 《ジャクソン・ハワード/Jackson Howard》あるいは《NGOの最前線/NGO Front》のようなカードがそれの中に1つあるだけのサーバーへのラン中、そうしたカードがコーポに使用され、サーバーが消滅したことでランが終了した場合、そのランは成功とも失敗とも扱われません。
      • ただし、《フリップ・スイッチ/Flip Switch》のジャックアウト能力をその消費能力型ウィンドウで使うことで、そのランを強引に失敗させることはできます。

《フリップ・スイッチ/Flip Switch》

f:id:fobby:20190530193249p:plain

ハードウェア



君はこのハードウェアをコーポのターン中に使用できない。
f:id:fobby:20180504113636p:plain:ジャックアウトする。
f:id:fobby:20180504113636p:plain:タグを1つ取り除く。
君のターン中にトレースが開始するたび、f:id:fobby:20180504113636p:plainすることで、その基本トレース強度を0に減らしてよい。

BMIスイッチは正規の切断を介さずランナーを浮上させてくれる。休憩(それも今すぐ)が必要なときは、便利だ。

Hardware



You cannot use this hardware during the Corp's turn.

f:id:fobby:20180504113636p:plain: Jack out.

f:id:fobby:20180504113636p:plain: Remove 1 tag.

Whenever a trace initiates during your turn, you may f:id:fobby:20180504113636p:plain to reduce the base trace strength to 0.



BMI switches let runners surface without a true disconnect. Handy for a break... immediately.

解説

  • いずれの能力もコーポのターンに使用できません。
  • いずれの能力も空撃ちできません。《Armand "Geist" Walker》と一緒に使う場合は気をつけてください。

裁定

  • トレース強度を0に減らす能力も「a f:id:fobby:20180504113636p:plain ability」として《Armand "Geist" Walker: Tech Lord》の能力を発動させます。
  • トレース強度を0に減らすとは、正確には「基本トレース強度を-Xする。Xはその基本トレース強度」といった意味です。なので、その後の別の修整により、その基本トレース強度が0でなくなることはありえます。
  • 消費型能力による「ランの終了効果」をランナーが受けた場合、消費型能力ウィンドウはそこで閉じます。そのため、そのランで《フリップ・スイッチ》のジャックアウトはもうできません。

《ラッキーチャーム/Lucky Charm》

f:id:fobby:20190530192036p:plain

ハードウェア



このハードウェアをゲームから取り除く:1つのコーポのカードの能力によってランが終了することを妨害する。この能力の使用は、このターンにHQへのランが成功している場合にのみ。

コイントスに勝ちたい?なら、両表のコインを使え。

Hardware



Remove this hardware from the game: Prevent a Corp card ability from ending the run. Use this ability only if you made a successful run on HQ this turn.

Want to win a coinflip? Use a coin with two heads.

裁定

  • たとえば《ニセイ Mk. II/Nisei MK II》の能力や「f:id:fobby:20180504113638p:plainランの終了」のサブルーチン、《データ・レイヴン/Data Raven》のエンカウント時能力などを妨害します。
    • 妨害したら、その能力は履行されコストは支払われるものの、ランは続行されます。
  • カードの中には、正確に「f:id:fobby:20180504113638p:plainランの終了。」のサブルーチンのみを対象にするものもありますが、《ラッキーチャーム》はランの終了をまねく効果すべてを文言にかかわらず妨害します。

《ブガルター/Bukhgalter》

f:id:fobby:20190530194241p:plain

プログラム:アイスブレイカー-キラー
1f:id:fobby:20180521144018p:plain:セントリーのサブルーチンを1つブレイクする。
1f:id:fobby:20180521144018p:plain:強度+1。
各ターン、君がエンカウントしているアイスのサブルーチンを、このプログラムのみ使用して最初にブレイクした時、2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。



「働け。稼げ。私情は無用だ」
──“バクラン”・ボチキン

Program: Icebreaker - Killer



1f:id:fobby:20180521144018p:plain: Break sentry subroutine.

1f:id:fobby:20180521144018p:plain: +1 strength.

The first time each turn that you break all subroutines on a piece of ice you are encountering using only this program, gain 2f:id:fobby:20180521144018p:plain.



"Do the job. Get paid. Leave feelings at the door." -"Baklan" Bochkin

裁定

  • サブルーチンをブレイクしたかどうかだけをチェックします。例えば、アイスやアイスブレイカーの強度調整に違うカードを用いても(《データサッカー/Datasucker》や《ネット接続眼球/Net-Ready Eyes》などで)、《ブガルター》から2クレジットを得られます。

《一流/The Class Act》

f:id:fobby:20190530194540p:plain

リソース:コネ



そのターン中に君がこのリソースをインストールしたターンの終了時、カードを4枚引く。
各ターン、最初に君が引く直前の時、スタックの一番上からX枚のカードを見る。うち1枚をスタックの一番下に加える。Xはこれから引くカードの数+1に等しい。

「……だけど、何者も私に及ばない」

Resource: Connection
When the turn during which you installed this resource ends, draw 4 cards.

Immediately before you draw for the first time each turn, look at the top X cards of your stack. Add 1 of those cards to the bottom of your stack. X is equal to the number of cards you will draw plus 1.



"...but I am without compare."

もう少し詳しく

このリソースをインストールしたターンの終了時に、このリソースがまだインストールされているなら、ランナーはカードを4枚引く。

各ターン、ランナーがカードのドローを行う直前、それがそのターン最初の「ランナーによるカードのドロー」であったなら、ドローしようとした枚数に1枚を加えた数のカードをスタックの一番上から見る。そのうちの1枚をスタックの一番下に加える。

解説

  • 描かれているのは日本語化されなかったクリミナルのID《Andromeda》で、彼女が持っていた「開始手札を9枚引く(マリガンしても9枚引く)」という能力を再現したもの。
  • 原文を尊重したかったのですがわかりにくくなっただけでした。最初の能力を「このリソースをインストールしたターンの終了時、カードを4枚引く」と読み替えてください。

裁定

  • 「ターン終了時にカードを引く」というのはディスカードフェイズの終了した後のことであるため、ランナーのターンにこれをインストールしたのなら、そのランナーは引いた4枚をそのままコーポのターンに持ち込めます。
  • インストールしたそのターンに《一流》がアンインストールされた(トラッシュされるなどして)なら、4枚引く効果は解決されません。

《ラット:フリーランスの倫理家/Lat: Ethical Freelancer》

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ID:ナチュラ



君のターンの終了時、グリップにあるカードの数がHQにあるカードの数と等しい場合、君はカードを1枚引いてよい。

Identity: Natural



When your turn ends, if you have the same number of cards in your grip as the Corp has in HQ, you may draw 1 card.

裁定

  • ターン終了時にカードを引くというのはディスカードフェイズの終了した後であるため、引いたカードをそのままコーポのターンに持ち込めます。
  • これは「~時、~場合」の効果です。そのため、ターン終了時、《一流》でカードを引いたことでコーポのHQのカードとグリップのカードが同数になった場合、《ラット》を発動できます。
    • 言ってみればアンドロイド:ネットランナーの「if節ルール」です。もしこれが「~時、~なら」であれば、扱いが変わります。

《厳粛/Khusyuk》

f:id:fobby:20190601124721p:plain

イベント:ラン



R&Dにラン。成功した場合、カードにアクセスするかわりに、0より大きい数字を1つ選ぶ。その数字と一致している表記インストールコストを持つインストール状態のカード1枚につき、R&Dのカードを一番上から1枚公開する(最大6枚)。公開されたカードのうち1枚にアクセスし、その後にコーポはR&Dをシャッフルする。このランで、君はR&Dの中の他のカードにアクセスできない。

Event: Run



Run R&D. If successful, instead of accessing cards, choose a number greater than 0. For each installed card you have with a printed install cost matching that number, reveal 1 card from the top of R&D (max 6). Access one of the revealed cards, then the Corp shuffles R&D. You cannot access any other cards in R&D this run.

もう少し詳しく

R&Dにランを行う。そのランが成功した場合、カードにアクセスするかわりに次の手続きを行う。「1以上である任意の数字」を1つ選ぶ。その数字と同じインストールコストを持つランナーのインストール状態のカードの数だけ、R&Dのカードを公開する(最大で6枚まで。たとえその数字と同じインストールコストのカードが7枚以上あったとしても、6枚まで)。それら公開されたカードのうち、望む1枚にランナーはアクセスする。アクセスを終えたら、残ったカードをR&Dに戻して、それからコーポはR&Dをシャッフルする。このランでアクセスするR&Dのカードはその1枚だけとなる。

解説

  • 《索引付け/Indexing》や《Deep Data Mining》のリメイク。いずれも前半ほど効果的でしたが、《厳粛》はゲーム後半で効果的。チェックできるカードの枚数が増え、1回のランで済むようになったが、リグにたくさんカードをインストールしなければいけません。
  • 同じ表記インストールコスト(1以上である必要あり)を持つインストール状態のカードの数だけR&Dのカードを公開させ(上限6枚)、そのうちから1枚を選んでアクセスできます。
    • たとえば《アーミテージ式コード破壊/Armitage Codebusting》と《銀行作業/Bank Job》はいずれもインストールコストが1で、合計6枚並べることが可能であるため、そのようなリグを作ってから《厳粛》で「1」を選べば、6枚のカードを公開できます。

裁定

  • メディウム/Medium》などで追加でR&Dの中のカードにアクセスすることはできません。《厳粛》の「アクセスできない」が優先されます。
  • R&Dのルートにインストールしてあるカード(強化)にはすべてアクセスします。
  • 「カードにアクセスするかわりに、カードにアクセスする」の効果です。《Eater》のように「カードにアクセスできない」の効果がかかっている場合は、どちらにせよカードに1枚もアクセスできません。
    • 6枚までのカードを公開することはできます。

《ペランギ/Pelangi》

f:id:fobby:20190601125916p:plain

プログラム:ウィルス



このプログラムをインストールした時、ウィルスカウンターをこれに2つ置く。
搭載されているウィルスカウンター1つ:アイスのサブタイプを1つ選ぶ。このエンカウントの残りの間、君がエンカウントしているアイスはそのサブタイプを得る。この能力の使用はターンごとに一度のみ。

Program: Virus



When you install this program, place 2 virus counters on it.

Hosted virus counter: Choose an ice subtype. The ice you are encountering gains that subtype for the remainder of the encounter. Use this ability only once per turn.



It makes sysops see red. And orange, yellow, green...

裁定

  • 「アイスのサブタイプ」とは通常であれば「バリア」「コードゲート」「セントリー」から選ぶでしょうが、ルール上は、これまで印刷されたアイスに表記されていたサブタイプすべてから1つ選ぶことができます。現在のルールで付与可能なサブタイプは以下となります。
      • 対人/AP、広告/Advertisement、バリア/Barrier、バイオロイド/Bioroid、コードゲート/Code Gate、デフレクター/Deflector、Grail、不正/Illicit、Morph、ミシック/Mythic、ネクスト/NEXT、オブザーバー/Observer、サイ/Psi、セントリー/Sentry、トレーサー/Tracer、トラップ/Trap。
  • 「この能力の使用はアイスとエンカウントしている間のみ」とは書かれていないのは、そう書く必要がないためです。そうでない場合に使用してもアイスにサブタイプを付与できないので、ゲーム状況が変化しないためです。このゲームでは、ゲーム状況が変化しないことをしてはいけないのですから。

《芸術家/The Artist》

f:id:fobby:20190601130529p:plain

リソース:コネ



このリソースの各能力の使用はターンごとにそれぞれ一度のみずつ。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:2f:id:fobby:20180521144018p:plainを得る。
f:id:fobby:20180521144012p:plain:プログラムかハードウェアを1つ、支払いを1f:id:fobby:20180521144018p:plain減らしてインストールする。

Resource: Connection



Use each ability on this resource only once per turn.

f:id:fobby:20180521144012p:plain: Gain 2credit.

f:id:fobby:20180521144012p:plain: Install a program or piece of hardware, paying 1f:id:fobby:20180521144018p:plain less.



"...then let me paint you a picture."

解説

  • 《ケイト・"マック"・マキャフリー/Kate "Mac" McCaffrey》と《マグヌム・オプス/Magnum Opus》をあわせて、それぞれ劣化させたような能力です。
    • 《マグヌム・オプス》と違い1ターンに1度しか使えません。
    • 《ケイト・"マック"・マキャフリー》と違い、《改良済み/Modded》などの効果でインストールしたカードのコストを修整できません。
  • このリソースのそれぞれの能力を1ターンに1回ずつ使えます。
    • つまり、1ターンに最高で2回までこのリソースを使用できます(2クレジット得て、プログラムかハードウェア1つを支払いを1下げてインストール)。

《ダイレクト・アクセス/Direct Access

f:id:fobby:20190601131847p:plain

イベント:ラン



君がこのイベントを解決しているかぎり、各プレイヤーのIDはすべての能力を失う。
望むサーバーにラン。そのランの終了時、このイベントをスタックに加えてシャッフルしてよい。

屋根のダクトに入って、旧ネットワークのルートにぶち当たるまで這って進むのさ。そりゃ汚れ仕事ではあるが、ルールに従うよりうまくいくぜ。

Event: Run



While you are resolving this event, each player's identity loses all abilities.

Run any server. When that run ends, you may shuffle this event into your stack.



Get into the ducts on the roof and keep crawling till you hit that old network root. Dirty work, I know, but it beats playing by the rules.

解説

裁定

  • ランのイベントではありますが、《ケン・“エクスプレス”・テンマ/Ken "Express" Tenma》でこれを使うと、処理の順位の関係上、彼のID能力からの1クレジットは得られません。

《♦内部告発者/Whistleblower》

f:id:fobby:20190601131451p:plain

リソース:コネ



ランが成功するたび、このリソースをトラッシュすることで、計画書の名前を1つ指定してよい。このランで、指定された名前の計画書に次にアクセスした時、すべてのコストを無視してそれを盗む。(君はもうそれにアクセスしていない。)

「企業は人で成り立っている。普通の人たちが一晩中働いている。まっとうな真実にまっとうな批判があれば、償うこともできるんだ」
──ラット

Resource: Connection



Whenever you make a successful run, you may trash this resource to name an agenda. The next time this run you access a copy of the named agenda, steal it, ignoring all costs. (You are no longer accessing it.)

"Corporations are made of people; just normal people doing their 6-to-6. The right truths, the right critique, and they can be redeemed." -Lat

解説

  • 《Film Critic》の下位互換。

裁定

  • 「計画書にアクセスした時」の効果と「計画書を盗むための追加コストとして」の部分を無視できます。
  • 「計画書を盗んだ時」と「計画書が盗まれるたび」と「計画書が得点されたか盗まれた時」の条件は満たされます。
  • 「計画書を盗むことができない」や「計画書が盗まれることを妨害する」の効果は無視できません。
  • 《Film Critic》と違って計画書は盗まれています。

終わりに

コーポのカードのリリースノートは後日…

次回の、アンドロイド:ネットランナー MWL (禁止改定)を勝手に予想する

 今月30日に、非公式にアンドロイド:ネットランナーを運営するNISEIが MWL (禁止改定)を更新します。これを完全に主観から予測することが、現在の環境を記録することにつながると思い、エントリーとしてしたためました。

 注意:これは MWL 3.2 の予測です。実際の MWL はこのブログで紹介する予定なので、それをお待ち下さい。

 ただし、NISEIは一貫した思想を何も持たず、場当たり的に制限を行っているフシがあります。「次の拡張で悪さするから」という理由で《Dorm Conputer》は制限されましたが、何が悪かったのかさっぱりわかりません。

 ですから、予測するだけ無駄、という部分はあります。繰り返しますが現在の環境の、私による概観をごらんになりたい方向けの記事です。

《Border Control》

 アイスに「f:id:fobby:20180504113636p:plain:ランの終了。」と書かれている。《Bryan Stinson》に勝るとも劣らない、カードタイプの役割分担の間違いを感じます。ですが現在の競技環境で、これが2枚以上入っていないコーポのデッキはほとんどありません。NISEIは「これがないとコーポは戦えない。これの対策カードを刷るので、制限はしない」と声明を出しました。

 これが、コーポとランナーそれぞれに分かれて対戦を行う非対称ゲームの悲しい現実です。「コーポとランナーの勝率を五分五分に近づけているものは、たとえそれがいかに不健全なカード、不健全な環境であっても介入できない」というわけです。
 
 NISEIの声明にもかかわらず、現在のところ、これへの対策になりうるカードは刷られていません。私にそう見えていないだけでNISEIは刷ったつもりだったのかもしれませんが、《Border Control》が蔓延するばかりである以上は「刷られていない」のです。それどころか、《Khusyuk》が刷られたことによって、R&Dを防衛することのできる《Border Control》はより重要になったとすら言えるでしょう。

 NISEIがどうするつもりなのか、まったく読めません。
 

《Crowdfunding》

 制限カードとなってもなお環境を支配し、《従業員のストライキ/Employee Strike》や《Film Critic》の使用率を下げています。

 メタの中心にあったアセット・スパム戦法、すなわち資財、強化、計画書をそれぞれアイスで守ることなくバラまくようにインストールしてレゾする作戦は、このカードによってだいぶその地位を落としました。アイスがなければランの成功を防げず、このカードのリアニメイトを許してしまうためでしょう。

 実際、このカードの派手な効果は使っていてかなり気持ちよく、さらに「ランを励起する」という、コーポに対してもジレンマを与えゲームを面白くする側面を持ちます。このゲームでコーポとランナーのあいだにやりとりが発生するのはランのときだけであり、ランが発生しないネットランナーは楽しくありません。

 ですが、少しやりすぎているのも確か。禁止されてしまうのでしょうか。そうなると個人的にはかなりつまらないのですが……。

《Film Critic》

 《Whistleblower》が登場したさい、プレイテスターのレビューとしてNISEI公式サイトに「私は《Film Critic》が嫌いです。しかし、これならフェアです」「《Film Critic》が禁止されたあとの世界を観てみたい」といった、およそ公式サイトとは思えないカードdisコメントが掲載されました。こんなものを公開したということは、NISEIとしても《Film Critic》を禁止にする予定なのかもしれません。

 個人的には《Film Critic》の禁止を想像したくはありません。これはたしかに制限されるにふさわしい強力さを持つと言えるでしょう。しかし別の面に目を向ければ、これは対策カードに過ぎません。相手によってはまるで機能しないという構築リスクを伴っている以上、現在のパワーレベルは適正であると考えます。

 《オボカタ・プロトコル/Obokata Protocol》をインストールしたコーポは何の工夫もしていないのに、なぜランナーは《Whistleblower》に影響値を1点使ってまで、1回外したら終わりの運任せををしなければいけないのかという心理的な抵抗が強くあります。

《従業員のストライキ/Employee Strike》

 NISEIは《Crowdfunding》の蔓延を予想できていませんでした。その直前までランナーの制限カードとして《Film Critic》と双璧をなしていた《従業員のストライキ》をいまだ問題視している節があります。実際には《Film Critic》も《従業員のストライキ》も現在ほとんど使われていないので、「使われてもいないのに禁止するのか?」などと意地悪く考えてしまいます。

 とはいえ、プレイヤーが新しいコーポIDを試すたびに空白化されつまらない思いをする。馬鹿馬鹿しいとしか言いようのない慣習がこのゲームに定着してしまったのはたいへんな不幸です。《従業員のストライキ》を禁止にするのは妥当に思えます。

《Scarcity of Resources》

 NISEIはこのカードを問題視していることを以前から公言していました。もし《従業員のストライキ》が禁止になると仮定するなら、ランナーはコストが軽くて強くて汎用性がある現状/currentを失ってしまうため、ランナーに強烈な圧力をかける現状である《Scarcity of Resources》をただちに禁止にしなければならないでしょう。

 少々無責任ですが、現状のサブタイプがつくカードをすべて禁止にして欲しいという願いが私にはあります。現状の任務やイベントがこのゲームを面白くしたと思った経験がほとんどないからです。「資財やリソースなどと違い、アド損なしで簡単にトラッシュされうるのだから」という理由で、「簡単にトラッシュされなかった場合」のことを考えていないパワーレベルの狂ったカードが印刷されすぎました。セントリーである《News Hound》がレゾコスト2でありながら強度4、しかも現状がアクティブなら「ランの終了」を持つという、極めて不健全なコスト:パワーのレシオを備えているのも、ひとえに現状が持つポテンシャルを開発チームが正しく認識していなかった証拠だと私は考えています。

《商業銀行家グループ/Commercial Bankers Group》

 《NBN:メッセージの支配/NBN: Controlling the Message》を環境から消すことなく、ただ弱体化するためとの名目で制限されました。しかし現在《NBN:メッセージの支配》は競技環境から姿を消しています。NISEIの調整能力のなさを物語っています。いつでも制限を解除される可能性があります。

 ただ、現在のところ「《商業銀行家グループ》を環境に戻せ」という意見をredditなどで見かけることがほとんどありません。乱暴に言えば、世界大会を2度も、いずれもやることのまるで変わらないデッキで優勝した《NBN:メッセージの支配》は禁止してしまってまるで問題ないと私は思っていますし、そう思っているのは他のプレイヤーも同様なのかもしれません。

 話は逸れますが、このカードのように「コーポのターンの開始時、この資財がアイスに守られていない場合…」で発動する「政治/political」の能力とサブタイプを持つ資財は、《Clone Suffrage Movement》《Bio-Ethics Association》《感応放画俳優協会/Sensie Actors Union》そして《商業銀行家グループ》と各派閥に1枚ずつ、合計4枚存在します。FFG時代は「政治4枚のうち、2枚禁止で1枚制限」という状態で終わり、NISEI体制になってからは「政治4枚のうち、2枚禁止で2枚制限」つまりはすべてMWL入りという偉業を達成しました。アセット・スパム戦法がどれだけ強力か、開発チームは全く予見できていなかったことが窺えます。

《ラーンブ/Laamb》と《エンゴロ/Engolo》

 いずれも強力すぎるアイスブレイカー。《サーベイヤー/Surveyor》と《ムティ・ムウェクンドゥ/Mti Mwekundu》と戦うためにランナーに与えられたツールでしたが、両者とも MWL 入りした現在、サーバーを守っているアイスのサブタイプを1回は無視できる《ラーンブ》《エンゴロ》のパワーはやや過剰であるように見えます。この2つを制限するのであれば、《Border Control》を制限しても問題ないという気も。


 また、ダウンフォールで刷られた、アイスブレイカーに任意のサブタイプを付与できるプログラム《Pelangi》は、この2つのアイスブレイカーに何らかの制約を課す前触れだったのではとも思えます。

《Rebirth》

 NISEIが「動向を見守る」と公言したカード。ゲーム外から後出しでカードを持ち込んでしまうのは確かにアンフェアです。ですが、「動向を見守る」と言ってから何も動きがないので、どうなっているのかは不明。

《DJ Fenris》

 競技環境で使用率を増しています。再録された《Hostage》でサーチできてしまう点や、IDを入れ替えるのでなく追加するという点で《Rebirth》より駄目なのではないかと思うことがあり、なんらかの制約が課される可能性を感じています。