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『アンドロイド:ネットランナー』最後の拡張「Reign and Reverie」裁定の訳-ランナー編

はじめに

  • 最後の拡張のUFAQ(非公式FAQ)の翻訳と、それにまつわる個人的な解説です。ランナーのカードから。コーポについては下記。
  • 《インバーシフィケイター/Inversificator》について追加のFAQが出たので、それもここに記します(ただ、既存の裁定で解決可能)。
  • 見出しタグ部分に質問を、本文にそれへの回答を、それぞれ訳します。
  • 引用タグ部分にカードの詳細を訳します。
  • 箇条書きタグで裁定についての解説や与太話を付記します。
  • いかなる組織、団体、企業とも関係はありません。

removeanddiscard.hatenablog.com

情報源

ancur.wikia.com

追加の裁定/裁定の更新

《インバーシフィケイター/Inversificator》

コスト: 6
f:id:fobby:20180504113151p:plain: 1
プログラム:アイスブレイカー-デコーダ

各ターン、全てのサブルーチンをインバーシフィケイターでブレイクしたアイスを最初に通過した時、そのアイスを他のアイスと交換してよい。
1f:id:fobby:20180521144018p:plainコードゲートのサブルーチンを1つブレイクする。
1f:id:fobby:20180521144018p:plain:強度+1。

強度:2
シェイパー: 3

遠隔サーバーに《Prey》でランを行い、そして《インバーシフィケイター》でサブルーチンを全てブレイクした《チューリング/Turing》を、R&Dを守っていた別のアイスと交換したなら、ランナーはその《チューリング》のトラッシュのためにカードを何枚トラッシュする必要がありますか?

チューリング》を《インバーシフィケイター》で交換したあとには、ランナーはもう《チューリング》を通過していません。結果として《Prey》の発動条件は無効となり発動に失敗します。

  • チューリング》アイス。強度2。「チューリングは遠隔サーバーを守っている間、強度+3を持つ。」Breaker Bay
  • 《Prey》イベント。「ランを行う。このランの間に1度、アイスを通過した時、そのアイスの強度に等しい数の君のインストール済みカードをトラッシュしてよい。そうした場合、そのアイスをトラッシュする。」Data and Destiny
  • アイスの通過時、アイスの強度が変化したなら、どの時点の強度を参照するかという質問です。質問にあがっている例に沿ってに答えるなら、「そもそも通過していないことになるので、トラッシュできません」という答えになります。
  • 通過時にアイスが交換されたりアンインストールされたら、そのアイスは通過されなかったことになるというのは、《Mumbad City Grid》で出た裁定です。
  • なお、《インバーシフィケイター》と《Prey》は同時に発動するので(どちらも「アイスを通過した時」)、いずれの能力を先に発動させるかはランナーの任意です。《Prey》を先に解決することを選び、《チューリング》の現在の強度に等しい数のインストール済みカードをトラッシュすることで、ランナーは《チューリング》をトラッシュすることができます。
    • この場合は、アンインストールされた《チューリング》はもはや通過されていないので、《インバーシフィケイター》の交換能力は無効になります。さらに、《インバーシフィケイター》はすでにそのターンの1度目の「アイスの全てのサブルーチンをブレイクしての通過」を経ているため、このターン中、以降のアイスに交換能力を作用させることはできません。

アナーク

Divide and Conquer(分割統治)

コスト: 3
イベント:ラン

アーカイブにランを行う。成功した場合、アーカイブへのアクセス後、 HQ のカード 1 枚にアクセスし、そして R&D の一番上のカードにアクセスする。

アナーク: 4

R&DやHQのルートにインストールされている強化にアクセスできますか?

いいえ。

《Divide and Conquer》でのラン中に《The Turning Wheel》を使用したら?

《The Turning Wheel》を使用するたびランナーはR&DとHQのどちらで追加のカードにアクセスを望むか選択しなければならないことから、《Divide and Conquer》でのアクセスに対しては、1度の《The Turning Wheel》の使用につき各サーバーのカード群へのアクセスを1度のみ追加できます。

《ブラック・ハット/Black Hat》のトレース失敗の後、《Divide and Conquer》を使うとどうなりますか?

ランナーはR&DとHQでそれぞれ2枚ずつ、追加のカードにアクセスします。自身のトレースが失敗したなら、《ブラック・ハット》はR&DかHQのカード群へのアクセスのたびに発動する遊離条件節能力を設置します。

アーカイブへのアクセスを他の効果に置換した場合でも(《ハデスの欠片/Hades Shard》のインストールなど)、ランナーはHQとR&Dにアクセスできますか?

いいえ。

インストール済みの《アウマクア/Aumakua》はこれで何回発動しますか?

最高で3回までです。各サーバーごとに1回、計画書を盗んでいないなら。

  • FFGは「『中央サーバーのルート』は中央サーバーではない」というルールが好きです。
    • このカードも、中央サーバーにアクセスする能力なので、その中央サーバーのルートにインストールされた強化にアクセスすることはできません。各サーバーへの追加アクセスが発動した場合も(《エクサー/eXer》や《HQインターフェース/HQ Interface》など)、その増えたアクセスをルートへのアクセスに回すことはできません。
      • このルールは直感に反すると言われているところを何度も見てきましたが、どこ吹く風。むしろ、このルールを応用したカードがどんどん増えていく一方です。
  • 「after accessing archives(アーカイブへのアクセス後)」の「after」は、「when/時」や「whenever/たび」と同じで発動条件を示しているので、アーカイブへのアクセスが別の効果に置換された場合には、「アクセス後」の効果も発生しないというわけですね。
  • 「遊離条件節能力」(floating conditional ability)とは、検索すると「《ジョシュア・B/Joshua B.》の持つ常時能力は、ターン開始時に自身の条件節能力の解決により起動する。この条件節能力は、ターン終了時の遊離条件節能力を生む」みたいな使われ方をしている文書が出てきます。
    • 《ジョシュア・B》リソース。「君のターン開始時、f:id:fobby:20180521144012p:plainを得てよい。そうした場合、このターンの終了時にタグを1つ受ける。」Cyber Exodus
      • 「~時、してよい」なので、クリックを得るのは任意条件節能力です。これによって生まれる「そうした場合」は常時能力です。タグを受けるのは「時」であるため条件節能力かつ、《ジョシュア・B》がターン中にアンインストールされても発動するので、発生源と能力が遊離(floating)していると言えます。ですから、遊離条件節能力なのです。
        • 立ち返って、《ブラック・ハット》は解決後すでにトラッシュされていますが、その条件節能力は有効なので、これも遊離条件節能力です。
  • 《アウマクア》の答えは正確には「計画書を盗んでおらず、カードのトラッシュもしなかったなら」ですね。
  • 《The Turning Wheel》リソース。「搭載されているパワーカウンター2つ:このランの残りの間、HQかR&Dのカードに追加で1枚アクセスする。」The Liberated Mind
  • 《ブラック・ハット》イベント。「コーポに「トレース4- 失敗した場合、このターンの残りの間、HQかR&Dのカード群にアクセスするたび、ランナーは追加で2枚のカードにアクセスする」をさせる。」カンパラの支配/Kampala Ascendent
  • 《アウマクア》「君がカードを1枚開示するか、0枚以上のカードにアクセスしてそのどれも盗みもトラッシュもしないたび、アウマクアの上にウィルスカウンターを1つ置く。」クリムゾン・ダスト/Crimson Dust

Guinea Pig(モルモット)

コスト: 4
イベント

グリップをトラッシュする。
10f:id:fobby:20180521144018p:plain を得る。

アナーク: 3

グリップには《Guinea Pig》が1枚だけしかありません。プレイできますか?

はい。

《ダディアナ・チャコン/Dadiana Chacon》をインストールしてから《Guinea Pig》をプレイして、クレジットプールにちょうど4f:id:fobby:20180521144018p:plainしかない場合、ランナーはフラットラインしますか?

《ダディアナ・チャコン》の能力は、ランナーが《Guinea Pig》のプレイコストを支払ったあと、かつ《Guinea Pig》の能力が解決される前に発動します。最低でも3枚のカードがグリップにあるならば、ランナーは《ダディアナ・チャコン》によってフラットラインしません。ダメージの解決後、通常どおり《Guinea Pig》の解決を継続します。

  • グリップの全トラッシュを要求されるイベントは既出で、そのイベント以外にグリップにカードがない場合もプレイ可能という裁定も既出です。
  • 《Guinea Pig》のグリップのトラッシュはコストではないので、《ダディアナ・チャコン》のダメージが先に入るわけですね。ですから通常どおり、
    • 1. イベントのプレイコスト支払い
    • 2. ダディアナのダメージを受ける(およびダディアナをトラッシュ)
    • 3. イベントの解決(グリップの全トラッシュ)
  • この順番で処理します。
  • 《ダディアナ・チャコン》リソース。「君が0f:id:fobby:20180521144018p:plain所有するたび、ダディアナ・チャコンをトラッシュし、そして3ミートダメージを受ける。」地球の末裔/Earth's Scion

◆Patchwork(パッチワーク)

コスト: 4
ハードウェア:コンソール

  1. 1f:id:fobby:20180504113151p:plain

各ターンに1 度、君がカードをプレイしようとするかインストールしようとする時、グリップのカードを 1 枚トラッシュすることで、そのプレイコストかインストールコストを 2 下げてよい。

各プレイヤーのコンソールは 1 つまで。

アナーク: 3

クレジットプールに3f:id:fobby:20180521144018p:plainしかないランナーが《◆Patchwork》で《確実なギャンブル/Sure Gamble》をプレイできますか?

はい。

  • 意外な裁定。なぜコストが足りないカードをインストールしようとしたりプレイしようしたりとできる…?
    • ゲーム状況の変化する可能性の認められないアクションや能力の使用の禁止、ならびに、それにより他のカードの能力が発動することが自明であってもゲーム状況の変化の可能性があるとは認められない、さらには、コストは常に一度にまとめてすべて払わなければいけない原則など、いろんなものと噛み合ってないように見えます。

Cradle(クレイドル)

コスト: 4
f:id:fobby:20180504113151p:plain: 1
プログラム:アイスブレイカー - デコーダ

グリップのカード 1 枚につき Cradle は強度 -1 。
2f:id:fobby:20180521144018p:plain: コードゲートのサブルーチンを任意の数だけブレイクする。

強度: 5
アナーク: 3

グリップに6枚以上のカードがあると強度はマイナスになりますか?そうだとしたら、強度マイナスの《Cradle》にブレイクできるアイスはありますか?

はい、アイスもアイスブレイカーも強度はマイナスになりえます。アイスブレイカーの強度がマイナスになったとしても基本的な機能に影響はせず、強度がそのアイスブレイカー以下のアイスのサブルーチンだけをブレイクできます。

  • 強度は、0未満でも一律で0にするようなことはなく、ちゃんと計算されます(コストとは扱いが異なります)。仮に強度が-2になった《Cradle》を《データサッカー/Data Sucker》などで補助しようというなら、アイスの強度も-2にしなければいけません。

◆District 99(第 99 地区)

コスト: 3
リソース:場所 - 裏世界

各ターン、最初にプログラムかハードウェアが(どこからであれ)トラッシュされた時、 District 99 にパワーカウンター を 1 つ置いてよい。
f:id:fobby:20180521144012p:plain, 搭載されているパワーカウンター 3 つ:ヒープにある、君のIDと派閥の一致するカードを 1 枚グリップに加える。

アナーク : 3

ターンの最初のダメージがプログラムかハードウェアをヒープに送ったら、《◆District 99》はパワーカウンターを得ますか?

はい。ダメージはカードのトラッシュを発生させます。

ランナーのディスカードフェイズでプログラムかハードウェアが捨てられたら、《◆District 99》はパワーカウンターを得ますか?

いいえ。カードを捨てる/discardことは、トラッシュすることではありません。

Twitter裁定:《通りの行商人/Street Peddler》に搭載されている裏向きのカードや、Apexによって裏向きにインストールされたプログラムかハードウェアがトラッシュされたら、《◆District 99》はパワーカウンターを得ますか?

裏向きのカードはタイプを持つため、《◆District 99》は《通りの行商人》の上のカードからパワーカウンターを得ます。ですが、裏向きにインストールされたランナーのカードはタイプを持たないので、《◆District 99》に影響しません。

  • 裏向きのカードはいったん表になってからヒープに加えられる(これにより《Skorpios Defense Systems》は裏向きのカードの被トラッシュ時にその表側を確認できる)というルールがあるのですが、だからといってそのタイプや効果が意味を持つことはないようです。
  • 《通りの行商人》リソース。「通りの行商人をインストールした時、スタックの一番上から3枚のカードを裏向きで通りの行商人の上に搭載する(君はこれらのカードをいつでも見てよい)。」

クリミナル

Liza Talking Thunder: Prominent Legislator (リーザ・トーキング・サンダー:著名な国会議員)

f:id:fobby:20180622081146p:plain: 0
ID:G-モード

各ターン、最初に中央サーバーへのランが成功した時、カードを2枚引きタグを1つ受ける。

最小デッキ枚数: 50 / 影響値上限: 15
クリミナル

タグを回避しても2枚のカードを引けますか?

はい。カード2枚とタグはお互いに依存しません。2つの異なる効果が結びついた合成能力です。

  • この拡張の《Hot Pursuit》も同様です。タグを回避してもクレジットを得られます。
  • 「合成能力」というタームが登場しました。リファレンスガイドには「合成効果/Composite Effect」という名前で載っています。
    • 《罠!/Snare!》のダメージとタグは同時なので、ダメージを妨害した時点では、タグはまだつけられていない、的なやつです。
      • この例でもわかるように、アンドロイド:ネットランナーにおける「効果」と「能力」の境界は極めてふわっとしています。
  • ちなみに質問のように、「強制のタグを回避した場合、効果を得られなくなる」ということが起こりうる書式が今の所ないんですよね。
    • 「タグを1つ受けてよい。そうした場合、カードを2枚引く/You may take 1 tag. If you do, draw 2 cards.」でも、
    • 「タグを1つ受けることで、カードを2枚引いてよい/You may take 1 tag to draw 2 cards」でも、
    • いずれの場合もタグを妨害したらカードが引けなくなりますが、いずれの場合もタグが任意で、受けたくないなら拒否できます(効果は得られませんが)。他方《Liza Talking Thunder》のタグは強制で、効果によって回避するか、何らかの方法で取り除くしかありません。ただ、繰り返しになりますがこのタグを回避してもカード2枚を引く効果に影響はありません。
  • キタラサイクル以降、アンドロイド:ネットランナーは、処理を忘れそうな能力の大半を「してよい/may」のつく任意条件節能力として設定、発動忘れトラブルを防いでいます。余計なお世話ともいえなくもないですが、《Liza Talking Thunder》のような強制条件節能力がわかりやすくなったとも言えます。

◆Thunder Art Gallery (サンダーアートギャラリー)

コスト: 3
リソース:場所

各ターン、最初にタグを 1 つでも回避するか取り除いた時、グリップのカード 1 枚をインストールコストを 1 下げてインストールしてよい。

クリミナル: 2

《Forger》と《◆Thunder Art Gallery 》がインストール済みで、《罠!/Snare!》にアクセスしました。ランナーがタグを《Forger》で回避して、《Sports Hopper》を《◆Thunder Art Gallery 》でインストールしたら、きたるネットダメージに備えて《Sports Hopper》を使い、フラットラインしないためにカードを引けますか?もしくは《バイオモデル・ネットワーク/Bio-Modeled Network》をインストールして、きたるネットダメージを妨害できますか?

《罠!》の能力が「発動」の状態にあるあいだの、妨害/回避能力ウィンドウのさなかにランナーは《Forger》を使用できます。このウィンドウのさなか、連鎖対応として《◆Thunder Art Gallery 》は発動と解決がおこなわれます。いったん解決されたら、ランナーは《バイオモデル・ネットワーク》のような妨害/回避に関連する能力を続けて発動させることができますし、《◆Thunder Art Gallery 》でインストールした《バイオモデル・ネットワーク》をそのままダメージ妨害に使うこともできます。ただし、アクセス中には通常の消費型能力ウィンドウがないため、妨害/回避の能力のない《Sports Hopper》は使用することはできません。

《Citadel Sanctuary》と《◆Thunder Art Gallery 》と《Autoscripter》をインストールしているランナーが、自分のターン終了時、《Citadel Sanctuary》を使用してタグを取り除くことで《◆Thunder Art Gallery 》を発動しました。これでプログラムをインストールしたら、そのランナーは《Autoscripter》からクリックを得られますか?

いいえ。どのプレイヤーもディスカードフェイズにクリックを得たり消費したりすることはできません。

  • 1問目をざっくり要約すると
    • 1. ダメージとタグの合成効果が発動する。(《罠!》が発動。)
    • 2. ダメージを妨害したりタグを回避するアクティブな能力を、望む順、好きな数だけ発動できるようになる。
    • 3. タグが回避される。(《Forger》)ダメージはまだ解決されない。
    • 4. 「タグを回避するたび、何かインストールしてよい」の能力が連鎖対応で発動。(《◆Thunder Art Gallery 》を使用。)
    • 5. ダメージを妨害する効果のある《バイオモデル・ネットワーク》をインストールする。連鎖対応の処理が優先されるので、この間ダメージは解決されない。
    • 6. まだダメージは解決されていない。ダメージを妨害するカードが新たにアクティブになったため、これを使用できる。
    • 7. ダメージを妨害する。(《バイオモデル・ネットワーク》を使用。)このあいだ「妨害する/回避する」と書かれていない能力は使用できない。(《Sports Hopper》のインストールは《◆Thunder Art Gallery 》で可能だが、妨害や回避の効果ではないので使用はできない。)
  • 《Forger》ハードウェア「f:id:fobby:20180504113636p:plain:タグを1つ、取り除くか回避する。」The Underway
  • 《バイオモデル・ネットワーク》リソース「f:id:fobby:20180504113636p:plain:1点を除きネットダメージ全てを妨害する。」ダイダロス複合施設/Daedalus Complex
  • 《Sports Hopper》リソース「f:id:fobby:20180504113636p:plain:カードを3枚引く。」Salsette Island
  • 《Citadel Sanctuary》リソース「ターン終了時にタグされているなら、コーポに『トレース1- 失敗した場合、ランナーはタグを1つ取り除く』をさせてよい。」Intervention
  • 《Autoscripter》ハードウェア「君のターン中にグリップからプログラムをインストールしたら、f:id:fobby:20180521144012p:plainを得る。」Up and Over
  • ウィンドウは、ここでは機会とか時間帯といった意味で使われています。チャンスとかタイミングみたいな。
  • 妨害/回避のウィンドウで、妨害/回避したい効果と一見まったく関係ない能力を連鎖対応させて処理できるのは、ぼくは割と好きな話です。なんか、発砲された直後に時間が止まって、そののち超スローモーションになって弾丸を回避する演出を想起させます。
  • 要点としては、妨害する/回避すると書かれている能力は、その妨害/回避の対象が発生したら、対象が存在するかぎり好きなだけ使用できます。それによって何らかの条件節能力の「時、たび」の発動条件が満たされたなら、連鎖対応ルールによりそっちを先に解決します。そしてその間も、妨害/回避の対象は解決されないということですね。
    • 条件節能力の発動条件が満たされた時点でアクティブでなかったカードが、その条件の途中でアクティブになっても、もう間に合わないという一般的な処理とは異なるので、そこは注意してください。
      • 例:《コンパイル/Compile》によるランでアイスに最初にエンカウントした時、ランナーは《ファム・ファタル/Femme Fatale》をインストールした。《ファム・ファタル》は「インストールした時」の条件を満たしたため現在エンカウント中のアイスを選ぶことはできるが、肝心の「アイスにエンカウントした時」が発生した時点でアクティブではなかったため、そのアイスを迂回することはできない。
  • 2問目についてはリファレンスガイド25ページ、ターンのタイミング構成を参照。ターン終了時とはディスカードフェイズの最後であり、[3.1]のディスカード、[3.2]の消費型能力とレゾ・ウィンドウ、[3.3]の未消費クリック喪失に続く[3.4]に発動します。

シェイパー

◆Mind's Eye(マインド・アイ)

コスト: 3
ハードウェア:コンソール

  1. 1f:id:fobby:20180504113151p:plain

R&D へのランが成功するたび、 Mind's Eye にパワーカウンターを 1 つ置いてよい。

f:id:fobby:20180521144012p:plain, 搭載されているパワーカウンター 3 つ:R&D の一番上のカードにアクセスする。

各プレイヤーのコンソールは 1 つまで。

シェイパー : 3

《Mind's Eye》のアクセスを《Akiko Nisei》や《ニヤシヤ/Nyashia》や《エクサー/eXer》で増やすことはできますか?

はい。仮にランナーがR&Dへのランを成功させたとした場合の、ランのタイミング構成におけるステップ5.5から5.6にかけて《Mind's Eye》は解決し、これにはR&Dでアクセスするカードを変更したり、アクセス数を決定する効果も適用されます。ですがR&Dのルートにインストールされた強化に《Mind's Eye》ではアクセスできず、《The Turning Wheel》のようにランの進行状態に依存する効果も適用できません。

  • さきほども申し上げたように、FFGとJacobは、中央サーバーのルートは中央サーバーにあらずのルールが大好きです。
  • 《Akiko Nisei》ID。「R&Dのカード群にアクセスするたび、君とコーポは秘密裏に0f:id:fobby:20180521144018p:plainか1f:id:fobby:20180521144018p:plainか2f:id:fobby:20180521144018p:plainを支払う。支払ったクレジットを公開する。君とコーポが同じ数のクレジットを払っていた場合、R&Dのカードに追加で1枚アクセスする。」Reign and Reverie
  • 《ニヤシヤ/Nyashia》(悪魔と竜/The Devil and the Dragon)、《エクサー/eXer》(統治者の景色/Council of the Crest)いずれもプログラム。いずれも「R&Dのカード群にアクセスするたび」で追加アクセスを供給する。

◆Mâché(マシェ…張り子)

コスト: 1
ハードウェア

各ターン、アクセスしたカードを最初にトラッシュした時、そのカードのトラッシュコストと同じだけのパワーカウンターを Mâché に載せてよい。
搭載されているパワーカウンター 3 つ:カードを 1 枚引く。

シェイパー: 3

カードにアクセスしてから、そのカードを同じターンに、後からトラッシュしたなら(《Apocalypse》や《Political Operative》などで)、《Mâché》にパワーカウンターは載りますか?

いいえ。ランナーがアクセス中にカードをトラッシュしたときに《Mâché》は発動します。

  • 原文は「The first time you trash an accessed card each turn,」
  • 1回目のアクセスである必要はありません。たとえば、まず計画書にアクセスしてそれを盗んでから、同一ターン、今度は資財にアクセスしてトラッシュしたなら、《◆Mâché》は発動できます。
  • 《Apocalypse》や《Political Operative》は、アクセスなしでカードをトラッシュできる効果を持ちます。

Ika(いか)

コスト: 0
f:id:fobby:20180504113151p:plain: 1
プログラム:アイスブレイカー - キラー

2f:id:fobby:20180521144018p:plain:Ika をアイス 1 つの上に搭載する。
1f:id:fobby:20180521144018p:plain:ホストのセントリーのサブルーチンを 2 つまでブレイクする。
2f:id:fobby:20180521144018p:plain:強度 +3 。

強度: 2
シェイパー: 2

《フレーム=アウト/Frame-out》の上のクレジットを《Ika》に使ったあとその《Ika》を動かしても、やはりターン終了時にはトラッシュされますか?

いいえ。

  • 《フレーム=アウト》ハードウェア。「フレーム=アウトの上のクレジットを使用したターンの終了時、搭載されているプログラムをトラッシュする。」カンパラの支配/Kampala Ascendent
  • なお、《Ika》を《トリパノ/Trypano》のように最初からアイスの上にインストールすることはできません。第一の能力が《Ika》の搭載手段を指示しているため、このカードはこの手段によってのみアイスに搭載できます。

Psyche Mike(プシュケー・マイク)

コスト: 1
リソース:コネ

各ターン、最初に成功した R&D へのランが終了した時、アクセスされたR&Dのカード 1 枚につき 1f:id:fobby:20180521144018p:plain を得てよい。

シェイパー: 4

同じカードに2度アクセスしたら(R&Dへのラン中に《シロ/Shiro》が発動したなど)、ランナーが得るのは1f:id:fobby:20180521144018p:plain?2f:id:fobby:20180521144018p:plain

2f:id:fobby:20180521144018p:plain得ます。《◆Psyche Mike》がカウントするのはカードにアクセスした回数であり、アクセスされたカードの数ではありません。

R&Dのルートにインストールされた強化から《◆Psyche Mike》でクレジットを得ることはありますか?

いいえ。強化は中央サーバーのルートでアクセスされるものであり、中央サーバーそれ自体でアクセスされるものではありません。

  • また「『中央サーバーのルート』は中央サーバーではない」のルール。
  • 同じカードに2度アクセスしたら2度発動するのは《オベラス/Obelus》も同じです。
    • この拡張のHBのID、《Sportsmetal》は、「一度のアクセスフェイズで同じカードに2度アクセス」を日常的に発生させる可能性があります。
  • 《ムワンザ・シティーグリッド/Mwanza City Grid》の場合、ルートの強化にアクセスしてもコーポにクレジットをもたらしますが、これはどのサーバーでのアクセスか限定していないためです。《◆Psyche Mike》はR&Dのカードと明記しています。これは《オベラス》と《ハデスの欠片/Hades Shared》のコンボからの反省という説がStimhack.comで提唱されていました。


ミニ派閥

◆Algernon(アルジャーノン)

コスト: 0
f:id:fobby:20180504113151p:plain: 1
プログラム

君のターン開始時、 2f:id:fobby:20180521144018p:plain を支払うことで、f:id:fobby:20180521144012p:plainを得てよい。そうした場合、君のターン終了時、このターンに君がランを成功させていない場合、 Algernon をトラッシュする。

Adam :5

f:id:fobby:20180521144012p:plainを得てから《◆Dr. Lovegood》で《◆Algernon》を空白にしても、ランが成功していないならトラッシュされますか?

はい。いったん発動した《◆Algernon》の能力は発生源のカードから独立します。よってこの能力の2つ目の部分はターン終了時にやはり発動します。

  • 《◆Dr. Lovegood》リソース。「君のターン開始時、インストール済みカードを1つ選ぶ。このターンの残りの間、そのカードのテキスト枠は空白である。」Data and Destiny
  • 遊離条件節能力ですね。

中立

◆DJ Fenris(DJ フェンリス)

コスト: 3
リソース:コネ

DJ Fenris がインストールされた時、君の ID と派閥が異なる G-モードの ID を彼の上に搭載する。 DJ Fenris がアンインストールされた場合、搭載されていた ID をゲームから取り除く。

DJ Fenris は搭載されている ID のテキストを得る。

デッキに 1 枚制限。

中立: 1

《◆DJ Fenris》が《Apocalypse》で裏返ったらどうなりますか?

IDは《◆DJ Fenris》に搭載され続けますが、アクティブではないものとしてゲームに影響しません。《◆DJ Fenris》がまた表向きになれば、搭載されているIDのテキスト枠を再び得ます。

《◆Dr. Lovegood》が《◆DJ Fenris》を空白状態にしたらどうなりますか?

IDは《◆DJ Fenris》に搭載され続けますが、アクティブではないものとしてゲームに影響しません。ターン終了時に《◆DJ Fenris》の空白状態は解除され、そして搭載されているIDのテキストを得ます。

裏向きか空白状態の《◆DJ Fenris》がアンインストールされたらどうなりますか?

プレイエリア以外の位置に置かれたIDはただちにゲームから取り除かれます。

《◆DJ Fenris》がアンインストールされその後ふたたびインストールされたら、前に《◆DJ Fenris》の上にあったものと同じIDを搭載できますか?

はい。

《◆DJ Fenris》と《Ele "Smoke" Scovak》は、どのように相互作用しますか?

ランナーが《◆DJ Fenris》をインストールしたターンの、次のターンの開始時(ステップ1.3)、ランナーはアイスブレイカーを使用するための支払いに使えるクレジットを《◆DJ Fenris》に置きます。その能力解決が終わるまで再生クレジットを持たない《◆DJ Fenris》は、そのインストール時にクレジットを置かれることがありません。《◆DJ Fenris》が《Ele "Smoke" Scovak》からStealthのサブタイプまでは得ないことにも注意してください。

ターンの最初にインストールしたカードが《◆DJ Fenris》で、IDに《Heyley Kaplan》を選んだなら、《Hayley Kaplan》から得た新たな能力でもう1つのリソースをインストールすることはできますか?

いいえ。《Hayley Kaplan》からの能力の発動条件が満たされた時、《◆DJ Fenris》はまだID能力を得ていません。

《Nasir Meidan》でプレイしていて《レイナ・ローハ/Reina Roja》を《◆DJ Fenris》に搭載したら、《Nasir Meidan》の能力解決時にランナーは追加のクレジットを得ますか?

いいえ。《レイナ・ローハ/Reina Roja》はコーポがレゾする時にだけアイスのレゾコストを増やします。

Twitter裁定:《◆DJ Fenris》に搭載されているIDを《Rebirth》で交換できますか?

いいえ。《◆DJ Fenris》に搭載されているIDは「your identity」ではありません。


  • 《Ele "Smoke" Scovak》ID。「1再生クレジット。このクレジットはアイスブレイカーを使用するための支払いに使う。」Intervention
  • 《Heyley Kaplan》ID。「各ターン、最初にカードをインストールした時、同じタイプの他のカードを1つインストールしてよい。」Breaker Bay
  • 《Nasir Meidan》ID。「レゾされたばかりのアイスにエンカウントするたび、プールの全てのクレジットを失う。そのアイスのレゾコストに等しいクレジットを得る。」Upstalk
  • 《レイナ・ローハ/Reina Roja》ID。「各ターン、最初にレゾされるアイスのレゾコストは1増える。」基本セット第2版/Revised Core、もしくはMala Tempora
  • 《Rebirth》イベント。「君のIDを同一派閥の他のIDと交換する。Rebirthをトラッシュするかわりにゲームから取り除く。」The Liberated Mind
  • 《◆DJ Fenris》が裏向きになってトラッシュされたら、その上のIDはヒープに行くのかとずっと疑問だったんですが、やはりゲームから取り除かれるようです。
  • ゲームから取り除かれたIDをもう一度使っていいと明言されるのはなんだか面白い。
  • 再生クレジットは「カードの所有者のドローフェイズ」と、「そのカードがアクティブになったとき」にだけ置かれます。《◆DJ Fenris》がアクティブになったときはまだ再生クレジットに関する能力を得ていないという裁定。
  • 《Heyley Kaplan》の「各ターン、最初にカードをインストールした時」、やはり《◆DJ Fenris》はまだ何の能力も持っていません。
  • your identityではないという裁定。《District 99》の「《通りの行商人》の上のプログラムかハードウェアがトラッシュされても発動」は、仮にそれらが非アクティブでも「プログラムかハードウェア」ってことを示してますから、《◆DJ Fenris》の上のIDを「君のID」にあらずとする根拠がないと思ったんですけどね…。

終わりに

「《Reboot》で裏向きにインストールするヒープの5枚のカードは、事前に公開するんですか?」という質問が事前に出ていたんですが、何も触れられていません。特に裁定がないということは、ヒープは公開情報ですし、公開なのでしょう。

裏向きになったインストール済みのランナーのカードを、コーポがトラッシュしたりバウンスする場合、例えば「《インバーシフィケイター》だったカードをトラッシュしてください」と口頭で述べることはできず、指さすなどして具体的にどのカードをトラッシュするか示さなければいけないというルールがあります。大会ルールではメモを取ってはいけないので、NBNのバウンスを多用するコーポにとっては、5枚のカードがなんだったのか記憶する能力が試されます。

次回はコーポの裁定です。この拡張、ランナーのカードはそんなに難しいことはなく、実戦で問題になりそうなのは《Divide and Conquer》と《The Turning Wheel》との作用くらいで、まあ個人的には《Patchwork》が本来払いきれないコストのカードのプレイやインストールを可能にするというのが謎なんですが、それはともかく、コーポのほうがUFAQがいるかもしれません。解釈のわかれたテキストの正しい読み方も解説されていますし、エラッタもあります。